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サバゲー大会初日!

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 初日を快勝で終えた音羽たちは、それぞれの最寄駅まで尋の父が運転するマイクロバスで送てもらい帰宅した。

 音羽も一度は自宅に戻ったが、どうしても気になることが有り、簡単に着替えて家を飛び出した。

「えぇと、たしか……」

 何度か道に迷いながら到着したのは、以前チームメイトと来た健康ランド。

 ひとりだと、なぜか妙な心細さがあるが、それでも中に入った。

 前回よりか混雑している脱衣所で、服を脱いで浴場へ。シャワーで簡単に体を流し、少し焦りながら天然温泉の大風呂に浸かる。

 息をついて、少し熱い湯船に肩まで浸かる。

「なんだ、来ていたのか?」

「ふぁ!?」

 突然の声に驚く。肩まで浸かったフーが視線を合わせず、真正面を向いていた。

 まるで湯煙に溶けているようだ。初雪のように白い彼女は、本当に今にも湯の熱で溶けてなくなってしまいそうで、一抹の不安が胸の奥に芽生える。

「やっぱり、きてました」

 やはりお湯が熱くて、腰掛けの上に正座して胸の少し上までに浸かりなおす。

「どうしたんだ、ひとりで」

 眠たそうな半目を、つっと横に向けて音羽を見る。それが心臓が跳ねるほどに色っぽくて、一発で音羽の頭の中を真っ白にした。

「その、あ、えっと……」

 かぁと頬が熱くなり、まっすぐに見れなくなった。

「バディ、ですから、その、一緒にいよう、かと……」

 自分で言っていて、何を言ってるんだと自分を叩きたくなって、叩いたら痛いなと妙な方向の現実逃避が始まりかける。

 そこで黙ったまま動かないフーに、現実逃避しかけた音羽が目を向ける。

 驚いたのは、珍しく大きな目をぱっちり開いたフーの顔。

「フー先輩?」

 どうしたんだろうど、顔を覗き込むと、その顔がわずかに赤くなった。

「おかしな、やつだ」

 ばしゃばしゃと突然顔を洗い出したフー。音羽にだけは、その瞬間だけ、彼女の心音大きくなったのが聞こえた。

 それから数回顔を洗ったフーは、ふうと息をついた。その頃には音羽の心臓も、だいぶ落ち着いていた。

「先輩は、いつもどこにいるんですか?」

 どこに住んでいるとか、そういう俗世的な想像がつかないフーには、どこにいるか、聞いたほうがいい気がした。

「フーは、フーだ。それ以外には、なにも必要ない」

「じゃあ、先輩は、どうしてわたしを守ってくれるんですか?」

「それは、バディだからだ」

「じゃあ、どうしてバディを組んでくれたんですか?」

 そこで押し黙り、口をつぐんだ。

「教えて、くれないんですか?」

 そっと顔をのぞき込むと、またフーの心臓が跳ねた。

「それは……」

 言い掛けて、口をむにゃむにゃさせて、また閉ざした。

「それは……?」

 オウム返しで小首を傾げると、突然フーは立ち上がった。

「場所を変える」

「え、あ、はい」

 ぐいと手を掴まれ、音羽は引きずられるように浴室を出た。
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