レナと耽溺の食卓

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魔性の生き物(5)

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「ふふふっ。昨日までここを触ったこともなかったのに、もう自慰を覚えちゃったんだね。さっきの染みも、カトルに仕事を教えられてる時に出来たのかな?」
「も、申し訳……ありま、せ……」
「謝ることないよ。君には美味しい食事係の素質があるって事だから」

 素質と言う言葉を聞いて、レナはカトルも同じことを言っていたことを思い出した。
 彼はレナの肌からアルベールの匂いを嗅ぎ分ける程鼻が良い。あの時、下着から香るレナの愛液の匂いに気付いていたのだ。

 カトルにまで自分のふしだらな行為が筒抜けだったことを知り、レナはますます顔を赤くした。

 ぬちゅ……ぬちゅ……

「んッ、ふっ……あッ、あッ!」

 その間にもアルベールの手はレナの淫部をまさぐり、クリトリスをこりこりと擦る。

 レナのはビクビクと身体跳ねさせ、蜜壷から愛液を滴らせた。

「それで、今朝は上手に一人でイけたの?」
「あっ、やっ……ふぁあッ、ん……!」

 アルベールが器用に後ろから片手でレナのドレスのボタンを外す。
 肩がはだけて、ポロリと彼女の小さな胸が出た。

 彼はくちゅくちゅと恥裂をなぞって擦りながら、もう片方の手でやわやわと乳房も揉みしだく。

 レナの胸はすっぽりとアルベールの手に収まってしまう程小ぶりであったが、瑞々しくて果実ように丸く張りがあった。更に汗ばんだ肌は白く滑らかで、しっとりと手の平に吸い付いて触り心地が良い。

 アルベールがつんと尖った彼女の先端をつつくと、レナはぴくりと小動物のように可愛らしく身体を震わせて善がった。

 その様子にアルベールは舌なめずりをして、更に言葉を使って彼女を攻め立てる。

「こうやって、胸とクリトリスを同時に弄るように教えたよね?」
「はぁッ……あッ、あんッ! は、はひ!」
「クリトリスはね、こんな風に優しく皮を剥いて擦るんだよ」
「ひゃううッ?!」

 彼は勃起したレナのクリトリスの包皮を剥き、あらわになった先端を指の腹でくるくると撫でた。

「ほら、可愛いお豆が出てきた。ぷっくり膨らんで、いやらしいな」
「あう、ううんッ……」
「愛液をたっぷりつけて、くちゅくちゅ擦ってあげようねぇ」
「あッ、あッ、アッ……!」

 くちゅんッ……くちゅくちゅくちゅッ!

「ねえ、初めて一人でイった感想はどんなだったの?」
「で、できにゃ……、ひ! ひとり、じゃッ……ふぁあんッ! い、イけなかった……れ、しゅ……!」
「おや、そうなの?」
「は、はひ……! んぅううッ! ど、どうして、もッ……! き、昨日の、ようにッ……できなく、て……!」
「昨日のように? こんな風にかな?」

 ズブッ!

「ひぁあああッ!?」

 アルベールの細長い指が三本、レナの蜜穴にずっぷりと差し込まれ、レナは爪先をピンッと伸ばして身体をのけぞらせた。

「ふふふっ。そうだね、こんなに激しく自分でしたら、大事な場所が傷付いちゃうかもしれなくて恐いよねぇ」

 ヌチュッ! くちゅくちゅくちゅっ……! ぶちゅちゅッ!

「あ゛ッ! あッ、あッ、ふぁあ゛あ゛ッ!」

 激しく腟内を掻き回され、レナはもがくように身体を捩った。アルベールの指が腟内を出入りする度、噴水のように愛液が廊下の床に飛び散る。

「あああッ! アルベール様ッ! アルベール様ぁッ!」

 彼女は絹地のように白くて滑らかな肌をぶるぶると震わせ、たちどころにずっぽりと肉欲の波に飲まれていった。根元まで指を埋め込まれた蜜窟がキュウキュウと切なく伸縮を繰り返し、食いちぎらんばかりに指を圧搾する。

「可哀想に。半端な刺激のせいで、朝からずっと辛かったね。ほら、イッて良いよ」
「ううう゛う゛……く、ふぅう゛~」

 レナの喘ぎ声がすすり泣きに変わる。アルベールは更に中で指を折り曲げ、膣肉を抉るように愛液を迸らせる蜜壷を激しく撹拌かくはんさせた。

「ほら、ほらッ!」

 ぢゅぷッ! ぢゅぷぷッ! ぢゅぶぶぶッ!

「あッ! あッ! い、イきます! アルベール様! あッふああぁあッ! イクッイクッイ゛グぅう゛!」

 ビリリとレナの首筋に痛みが走る。

 --アルベールに噛まれたのだ。

 ドクドクと湧き上がった血と、注がれてくる唾液の感覚が彼女の全身を震わす。
 痛くて恐くて、気持ちが良い。

 朝からずっと求めていた刺激はであった。
 一気に彼女の体は快感へ上り詰めてゆく。

「あ゛あ゛ア゛ア゛ア゛ッ!」

 そしてついにレナは歓喜に打ち震えながら激しく身体を捩り、狂おしく全身を反り返らせて股間を跳ね上げた。

「よく出来たね。えらいえらい」
「はぁッ……はぁッ……」

 荒い息でくたりとアルベールの胸に頭を預けるレナを、彼は優しく抱きしめた。

「……ねえ、レナ。キスは好き?」
「えっ……?」

 耳元で囁かれ、レナは昨日の夜の激しい口付けを思い出す。
 あれが、彼女の初めてのキスであった。

「あの……その……」

 顔を赤く染め、恥ずかしそうに彼女は正直に答える。
「き、昨日の夜のキスしか……経験が無いので……、よく分からない、です……」
「しても良い?」
「……はい……」

 改めて聞かれ、レナはこくんと頷いた。

 顎を掴まれ、アルベールの赤い瞳がぐんと近付いてくる。レナがギュッと目を瞑ると、一瞬だけ二人の唇が重なり、すぐに離された。

 貪り合うような濃厚なキスしか知らなかった彼女は拍子抜けして、キョトンと彼を見返す。

「ふふふっ。もっと、濃厚な方が良かった?」
 レナは自分がからかわれたのだと分かって更に赤面した。
「??ッ! け、結構です!」

 アルベールはそんな彼女に一笑する。それから、少しだけ真面目な顔に戻った。

「……さて、そろそろ仕事に戻らないと、カトルがカンカンだろうな」
「!」

 その言葉を聞いて、レナも自分がここに来た本来の目的を思い出した。
 言い付けられた仕事を、まだ一つもこなせていない。
 カトルの不機嫌な顔が脳裏に過って、火照っていた体が一気に冷める。

「あ……、」

 しかし、その間にすっとアルベールが立ち上がったので、背中な温もりが消えたレナは思わず声を上げてしまった。

 ん? とアルベールが彼女の方を見下ろす。

 レナは声を上げてしまった自分に戸惑った。引き留めようと思った訳では無い。
 ……無いのだけれど、背中の温もりが消えたのが寂しくて、気が付けば声が出ていたのだ。

 アルベールのズボンを掴もうとした彼女の手は、すんでのところで止まって行き場なくさ迷っている。

「えっと、その……行ってらっしゃいませ……」

 レナは目を伏せて主人を送り出す言葉を紡いだ。そしてさ迷っていた手を胸の前でギュッと握る。すると頭上でアルベールの溜め息が聞こえた。

「……ああレナ、その顔は反則だよ」
「え……? んッ」

 顔に影がかかり顔を上げると、アルベールが屈んでレナの肩を抱き寄せていた。そして再び彼の唇がレナの唇と重なる。

 今度は長く、何度も角度を変える啄むようなキスであった。

「あ、の……! んッ、アルベール、様ッ……ふッ、う……ん」
「ちゃんと君の事を面倒見て可愛がってあげるって、そう言ったでしょ? 寂しいのなら応えてあげるから、我慢しなくて良いんだよ」

 唇が離れてもアルベールの綺麗な顔はレナの目の前にあった。赤い瞳に恍惚の表情を浮かべた自分が映っている。

 まるで虜だ。
 一度この美しい瞳に捕らえられれば、もう逃げ場などない。

「……はい、ご主人様」

 レナの返事を聞いて、彼は笑った。

 その美しい微笑みはやはり、御伽噺の王子様なんかよりも人を惑わす魔性の生き物の方が相応しいと、レナはぼんやりした頭で思った。
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