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♠︎一つになる♠︎弘田宇丈
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完全に蕩けきり、これ以上は無理、と言うギリギリまで我慢した。
「挿れていい?」
「はい…あの、宇丈さん…」
「何?」
「上に、なってみたいです…」
いつもはバックでするのがオレの好みだ。後ろから覆い被さり、華奢な体を乱暴に揺さぶりながら奥まで突くのは男の征服欲をめちゃくちゃ満足させてくれた。
だがそのやり方は、みひろさんがいつまでも受け身でいることを表していたような気がしていた。騎乗位を望まれたことで、みひろさんは本当に脱皮できたんだと確信した。
仰向けに寝たオレの上に、みひろさんがまたがる。
自分でオレのシンボルを持ち、あてがうと…ゆっくりと腰を沈めてきた。
「くっ…」
狭くて、熱くて、溶けそうな快楽に、わずかに残る理性にしがみつく。
みひろさんはしばらく動かなかった。オレを…中で感じてるんだろうか?
見上げる彼女の胸と、顔。快楽に浸りきるように、感じ切るように…切なげに目を閉じている。
バックでしている時にはなかなか見えない、悩ましい表情に、オレの中心がビクンと動く。
「ふ…」
みひろさんの息が漏れる。少しずつ、腰が動く。
あ…アオに言われたこと、忘れるところだった。
「みひろさん、動かないで?」
「…え?」
「このまま、さ。動かないで感じたい…いい?」
「は、はい…」
オレはゆっくりと体を起こした。対面座位にして、みひろさんの細い腕をオレの首に回させる。
オレは彼女の腰に腕を回し、首筋にキスを繰り返した。
「宇丈、さん?」
「ありがとな…」
「え?」
「オレとアオを、信頼してくれて」
「いえ…私の方こそ、お礼をいくら言っても足りません」
「みひろ」
「はい」
「目…見て?」
「…はい」
深くつながったまま、お互いの目を見つめあった。
重なっている部分が熱くてヌルヌルして…気を抜いたらヒクヒクと動きそうだった。
しばらくすると、体の奥から何か…いつもの快感とは違う快楽が訪れたような気がした。それはまるで、寄せては返す波のように、ゆっくりとしたリズムでだんだんと大きくなった。
「う、じょうさん」
「ん?」
「何か…、変、です」
「変?」
返事するオレも、何もしていないのに息が上がりそうだ。
「なんだか、なんだか…んっ」
みひろさんが目を閉じて快感に耐えようとする。
「目見て、みひろ」
「あっ…でもっ…」
「大丈夫…ずっと、オレのこと見て?目合わせてて?」
「は、はいっ…」
それが一体なんなのかはわからなかった。だが、みひろさんの体が…内側だけがゆっくりと収縮を始めた。
オレを締め付け、緩め、締め付け…その一連の、勝手な動きに彼女自身が戸惑っていた。
「宇丈さっ…」
「目ぇ逸らすな」
「んっ…はいっ…」
オレも、その動きに耐え、愛を込めて彼女を見つめる。
大好きだ。愛してる。みひろさん以外の女は…いらない。
見つめ返すみひろさんの目には恐れも不安もなく、ただただ…オレを信頼している…その気持ちが伝わってきた。
「くっ…」
目を逸らさずに、ひたすらお互いの体を深いところで感じ合う。
今、どんな微細な動きも感じ取れる…そう思った。
「んっ…、んんっ…」
動き出しそうなみひろさんの腰を両手で押さえて、動きを封じた。
「あっ…だめっ…」
「逸らすなっ…」
息が上がり、声が掠れる。なんなんだ…?
動いてないのに、こんなにも気持ち良い。体の奥から快楽が次々と、波のように沸き起こる。
「あっ…」
「あ、あ、あ…っ」
ドクン、と体の奥で何かが弾けた。みひろさんの更に奥深いところに勝手に導かれる。
これ以上は無理、というくらい深く合わさった二人の体は、同じリズムのうねりを内奥から感じ、委ね、見つめあいながら…。
ドクン。
ドクン。
心臓の音が重なり、呼吸が重なる。高なるリズム。奥から沸き起こる多幸感。脳天に突き上げる、緩やかなのに強い快楽。
これは…生命のリズムだ。オレとみひろさん…二人の、生命のリズム。
みひろさんがあげる長い喘ぎ声。ひくひくと痙攣し、仰け反る背中。後ろに倒れないようにしっかりと抱き抱える。
結合部は熱くて、その熱は全身に伝わった。汗だくなのにそれも嬉しい。ありとあらゆる体液。それを感じて、素の彼女を感じて、素のオレを…感じてほしい。
「あ…ん、んんっ…」
みひろさんの目から涙が溢れる…だが、目を閉じることなく見つめあう。
好きだ。大好きだ。愛してる…誰よりも。
全身が震えるほどの多幸感と快楽にオレもまた…涙を流しながら。
今、やっと…本当に二人は一つになったのだと、心の底から感じた。
「挿れていい?」
「はい…あの、宇丈さん…」
「何?」
「上に、なってみたいです…」
いつもはバックでするのがオレの好みだ。後ろから覆い被さり、華奢な体を乱暴に揺さぶりながら奥まで突くのは男の征服欲をめちゃくちゃ満足させてくれた。
だがそのやり方は、みひろさんがいつまでも受け身でいることを表していたような気がしていた。騎乗位を望まれたことで、みひろさんは本当に脱皮できたんだと確信した。
仰向けに寝たオレの上に、みひろさんがまたがる。
自分でオレのシンボルを持ち、あてがうと…ゆっくりと腰を沈めてきた。
「くっ…」
狭くて、熱くて、溶けそうな快楽に、わずかに残る理性にしがみつく。
みひろさんはしばらく動かなかった。オレを…中で感じてるんだろうか?
見上げる彼女の胸と、顔。快楽に浸りきるように、感じ切るように…切なげに目を閉じている。
バックでしている時にはなかなか見えない、悩ましい表情に、オレの中心がビクンと動く。
「ふ…」
みひろさんの息が漏れる。少しずつ、腰が動く。
あ…アオに言われたこと、忘れるところだった。
「みひろさん、動かないで?」
「…え?」
「このまま、さ。動かないで感じたい…いい?」
「は、はい…」
オレはゆっくりと体を起こした。対面座位にして、みひろさんの細い腕をオレの首に回させる。
オレは彼女の腰に腕を回し、首筋にキスを繰り返した。
「宇丈、さん?」
「ありがとな…」
「え?」
「オレとアオを、信頼してくれて」
「いえ…私の方こそ、お礼をいくら言っても足りません」
「みひろ」
「はい」
「目…見て?」
「…はい」
深くつながったまま、お互いの目を見つめあった。
重なっている部分が熱くてヌルヌルして…気を抜いたらヒクヒクと動きそうだった。
しばらくすると、体の奥から何か…いつもの快感とは違う快楽が訪れたような気がした。それはまるで、寄せては返す波のように、ゆっくりとしたリズムでだんだんと大きくなった。
「う、じょうさん」
「ん?」
「何か…、変、です」
「変?」
返事するオレも、何もしていないのに息が上がりそうだ。
「なんだか、なんだか…んっ」
みひろさんが目を閉じて快感に耐えようとする。
「目見て、みひろ」
「あっ…でもっ…」
「大丈夫…ずっと、オレのこと見て?目合わせてて?」
「は、はいっ…」
それが一体なんなのかはわからなかった。だが、みひろさんの体が…内側だけがゆっくりと収縮を始めた。
オレを締め付け、緩め、締め付け…その一連の、勝手な動きに彼女自身が戸惑っていた。
「宇丈さっ…」
「目ぇ逸らすな」
「んっ…はいっ…」
オレも、その動きに耐え、愛を込めて彼女を見つめる。
大好きだ。愛してる。みひろさん以外の女は…いらない。
見つめ返すみひろさんの目には恐れも不安もなく、ただただ…オレを信頼している…その気持ちが伝わってきた。
「くっ…」
目を逸らさずに、ひたすらお互いの体を深いところで感じ合う。
今、どんな微細な動きも感じ取れる…そう思った。
「んっ…、んんっ…」
動き出しそうなみひろさんの腰を両手で押さえて、動きを封じた。
「あっ…だめっ…」
「逸らすなっ…」
息が上がり、声が掠れる。なんなんだ…?
動いてないのに、こんなにも気持ち良い。体の奥から快楽が次々と、波のように沸き起こる。
「あっ…」
「あ、あ、あ…っ」
ドクン、と体の奥で何かが弾けた。みひろさんの更に奥深いところに勝手に導かれる。
これ以上は無理、というくらい深く合わさった二人の体は、同じリズムのうねりを内奥から感じ、委ね、見つめあいながら…。
ドクン。
ドクン。
心臓の音が重なり、呼吸が重なる。高なるリズム。奥から沸き起こる多幸感。脳天に突き上げる、緩やかなのに強い快楽。
これは…生命のリズムだ。オレとみひろさん…二人の、生命のリズム。
みひろさんがあげる長い喘ぎ声。ひくひくと痙攣し、仰け反る背中。後ろに倒れないようにしっかりと抱き抱える。
結合部は熱くて、その熱は全身に伝わった。汗だくなのにそれも嬉しい。ありとあらゆる体液。それを感じて、素の彼女を感じて、素のオレを…感じてほしい。
「あ…ん、んんっ…」
みひろさんの目から涙が溢れる…だが、目を閉じることなく見つめあう。
好きだ。大好きだ。愛してる…誰よりも。
全身が震えるほどの多幸感と快楽にオレもまた…涙を流しながら。
今、やっと…本当に二人は一つになったのだと、心の底から感じた。
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