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❤︎本当の私❤︎真柴みひろ
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青島さんのカウンセリングは、不妊治療時に受けたカウンセリングとはまったく違うものだった。
鬱だった友人に以前聞いた、心療内科のカウンセリングとも違うみたい…。
ソファに浅く腰掛け、背もたれに凭れる。こんなだらしない格好を人前ですること自体、物心ついてからなかったから…落ち着かない。
アイマスクで遮断される視覚。アロマの香りと、青島さんが誘導する声…。
どことなく色気を含んだ彼の声は、耳心地が良かった。
質問は、家族のことや学生時代のことが中心だった。
こういう質問から、何を引き出すのかしら?
頭の片隅で疑問に思いつつ、何も考えずに質問に答えているうちに…リラックスしていることに気がついた。
アイマスクとアロマの効果もあったのかもしれない。いつの間にか警戒は消えていた。祖母の写真を筆頭に、親族の写真が視界に入らないことが…楽だった。
とても安心して寛げて。居間ではなく、どこか…広い場所にいるような錯覚。
聞かれることに反射的に答えることで、思考から…自由になっていく。
でも…ある質問に脳が考え始めた。素直に答えたいと心は願うのに、脳が、思考がそれを許さない…。
本心を隠したがる思考は、優等生な答えを言おうとする。でも結局、心が勝って…私は、意識していなかったことを口走っていた。
祖母が苦手だった理由は、怖いからとか厳しいから、とかもあったけれども。大きな理由は、違っていた。
「母を…虐めるから」
鬱だった友人に以前聞いた、心療内科のカウンセリングとも違うみたい…。
ソファに浅く腰掛け、背もたれに凭れる。こんなだらしない格好を人前ですること自体、物心ついてからなかったから…落ち着かない。
アイマスクで遮断される視覚。アロマの香りと、青島さんが誘導する声…。
どことなく色気を含んだ彼の声は、耳心地が良かった。
質問は、家族のことや学生時代のことが中心だった。
こういう質問から、何を引き出すのかしら?
頭の片隅で疑問に思いつつ、何も考えずに質問に答えているうちに…リラックスしていることに気がついた。
アイマスクとアロマの効果もあったのかもしれない。いつの間にか警戒は消えていた。祖母の写真を筆頭に、親族の写真が視界に入らないことが…楽だった。
とても安心して寛げて。居間ではなく、どこか…広い場所にいるような錯覚。
聞かれることに反射的に答えることで、思考から…自由になっていく。
でも…ある質問に脳が考え始めた。素直に答えたいと心は願うのに、脳が、思考がそれを許さない…。
本心を隠したがる思考は、優等生な答えを言おうとする。でも結局、心が勝って…私は、意識していなかったことを口走っていた。
祖母が苦手だった理由は、怖いからとか厳しいから、とかもあったけれども。大きな理由は、違っていた。
「母を…虐めるから」
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