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❤︎三浦の別荘へ❤︎真柴みひろ

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 青島さんが遅れてくると聞き、内心ほっとした。先送りになるだけだけど、やはりカウンセリングがどんなものかよく分からないから怖かった。

 でも、宇丈さんから告げられた青島さんの提案は、私を激しく動揺させた。
 宇丈さん以外の男性に…触れられる?主人に触れられても、嫌悪感が出るのに。

「…宇丈さんは、それで…いいんですか?信頼してるご友人とはいえ…私、が…」
 動揺に息が上がって、うまく喋れない…。縋るように見ても、彼は、何も言わない。
 それがベストだと思ってる、青島さんを信頼してる…そういうことなのだ、と思った。

 愛してるとか愛してないとか、嫉妬するとかしないとか…そういう問題ではないのだ。
 私の状態を変えるために、殻を破らせるために。青島さんがプロフェッショナルとして、経験から導き出したのだろう。
 そして、その方法を告げられた時、宇丈さんだって動揺したに違いない…。

 それでも宇丈さんは、青島さんを信頼してる。
 最愛の彼が信頼している人を、私もまた…信頼しなくては。青島さんに、治療以外の思惑があって、その方法を提案したとは思えない。
 宇丈さんも青島さんも、私のために…私に殻を破らせるためにこの方法しかないと…提案し、受け入れてくれたなら。

 やるしかない、と思った。
 愛する人の前で、彼の親友に、なんて…気持ちが追いつかないけれども。
 宇丈さんも青島さんも、貴重な時間を私のために使い、わざわざ三浦まで来てくれたのだから。

「わ、かり、ました」
 声が震え、膝がガクガクとする。貧血の時のように…軽く目眩がして、頭痛もした。

 本当にこの、やり方で…いいの?断ってもいい。断ることもできる。でも…。

 気力を振り絞った。喉がカラカラで、声を振り絞った。
「やります」
「みひろさん…」
 宇丈さんが私を抱きしめる。力強い腕と厚い胸板。彼の匂いに、別の意味でクラクラした。
「ありがとう、みひろさん」

 青島さんが来るまでに…気持ちを整えなければ。できるかしら…急激に不安が襲う。
 彼の腕にしっかりと抱きしめられたまま…体の震えが、止められなかった。
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