32 / 171
❤︎出会い❤︎真柴みひろ
8
しおりを挟む
彼にされた、無理やりだけど優しいキスが、忘れられなかった。でも…あんなことをされて、連絡なんて絶対に取れない。
それでも名刺を捨てる気になれず。あれ以来、お茶のお稽古終わりに待ち伏せされることもなく…。今までどおりの生活だった。
彼からなんの連絡もないまま、一ヶ月が過ぎた。
このまま、フェイドアウトでいい…。きっと、うちはセックスレスだから…彼の持つ男らしさや、性的な部分に惹かれただけ…。そう自分に、言いきかせた。
なのに、日に日に宇丈さんの存在が大きくなっていく…。
ある日、珍しく主人が夜の誘いをしてきた。夫婦だから…断ることなど全く頭になかったのに心は凄く嫌がっていた。
触れられると寒気がした。キスされると、気持ち悪かった。弘田さんの、優しくて蕩けるキスばかり思い出した…。
結局主人も元気にならず、私たちは変わらず別々の部屋で寝た。結婚してすぐレスになり、それ以来寝室は別だった。
翌日、主人を送り出した後に…急に虚しくなった。
数えるほどしかしなかったセックス。快楽も、男性の体の気持ちよさもしらず…老いていくのかと思ったら、吐き気がした。
嫌だ、と思った。もっと…もっと。どのくらい気持ちいいのか、感じてみたい…。
月に一度から二度、ホテルのエステをうけて、その後はデイユースで休憩してから帰っている。
その日はちょうど、エステとデイユースを予約していた。
今日しかない…なぜだかそう思い、弘田さんに電話した。
賭けだった。彼が来なければ、都合が悪ければ…縁がなかった…ということ。落胆することではない…そう言い聞かせて。
平日の昼間なのに、二つ返事で彼は約束してくれた。
待ち合わせ場所でカードキーを渡し、「五分後に来て」と言って、部屋に行った。
来ないかもしれない。来るかもしれない。どちらでもいい…彼に、抱かれたい。
きっちり五分後に部屋に来た彼を招き入れ…自分から、キスをした。それが…始まりだった。
「くっ……は、あ、っ……」
私の中で、うねる彼。荒い息遣いも、激しい腰の動きも、イヤらしい囁きも…すべて、好き。
怒張した彼自身が更に深く入り込み、気持ちいいところを突いてくる。
そのリズムに合わせて締め付け、捕らえて…離さない。
「あぁ…、あぁ…、くそっ…出るっ…」
宇丈さんの、善がる声…大好き。二人のピークを合わせるように、私も…自分の快楽を調整する。
一際大きく、深く抉られて…中心が今まで以上にギュッと締まる。
彼の…が「びくんっ」と痙攣し…宇丈さんの息が一瞬止まってから深く、吐き出される…。
中に感じる、彼の液体の温かさ。私の体液と混じりあって、私の体に吸収される。ヒクヒクと体が痙攣し、涙が止められない…。
「みひろ…」
心配げな声。優しく抱きしめられながら「気持ちよかったか?」と聞かれ…。
うっとりと余韻にひたりながら彼の瞳に目を合わせ、頷いた。
「今日は、何時まで大丈夫?」
「…4時に、出れれば…」
「わかった」
月に一度しか会わないのは、私がそう決めたから。
宇丈さんに溺れないように、自制するために。
でも…もう、とっくに溺れている…。彼がいないことなんて、もう耐えられない。
限られた時間で、たっぷり愛し合う。いつまでこうやって会えるのか…わからないけど。
先のことよりも、今。今…彼の体を感じたい。
また重ね合わせる肌に、互いの温もりに…感じるエクスタシー。それだけが、二人の間で確かなことなのだと…思った。
それでも名刺を捨てる気になれず。あれ以来、お茶のお稽古終わりに待ち伏せされることもなく…。今までどおりの生活だった。
彼からなんの連絡もないまま、一ヶ月が過ぎた。
このまま、フェイドアウトでいい…。きっと、うちはセックスレスだから…彼の持つ男らしさや、性的な部分に惹かれただけ…。そう自分に、言いきかせた。
なのに、日に日に宇丈さんの存在が大きくなっていく…。
ある日、珍しく主人が夜の誘いをしてきた。夫婦だから…断ることなど全く頭になかったのに心は凄く嫌がっていた。
触れられると寒気がした。キスされると、気持ち悪かった。弘田さんの、優しくて蕩けるキスばかり思い出した…。
結局主人も元気にならず、私たちは変わらず別々の部屋で寝た。結婚してすぐレスになり、それ以来寝室は別だった。
翌日、主人を送り出した後に…急に虚しくなった。
数えるほどしかしなかったセックス。快楽も、男性の体の気持ちよさもしらず…老いていくのかと思ったら、吐き気がした。
嫌だ、と思った。もっと…もっと。どのくらい気持ちいいのか、感じてみたい…。
月に一度から二度、ホテルのエステをうけて、その後はデイユースで休憩してから帰っている。
その日はちょうど、エステとデイユースを予約していた。
今日しかない…なぜだかそう思い、弘田さんに電話した。
賭けだった。彼が来なければ、都合が悪ければ…縁がなかった…ということ。落胆することではない…そう言い聞かせて。
平日の昼間なのに、二つ返事で彼は約束してくれた。
待ち合わせ場所でカードキーを渡し、「五分後に来て」と言って、部屋に行った。
来ないかもしれない。来るかもしれない。どちらでもいい…彼に、抱かれたい。
きっちり五分後に部屋に来た彼を招き入れ…自分から、キスをした。それが…始まりだった。
「くっ……は、あ、っ……」
私の中で、うねる彼。荒い息遣いも、激しい腰の動きも、イヤらしい囁きも…すべて、好き。
怒張した彼自身が更に深く入り込み、気持ちいいところを突いてくる。
そのリズムに合わせて締め付け、捕らえて…離さない。
「あぁ…、あぁ…、くそっ…出るっ…」
宇丈さんの、善がる声…大好き。二人のピークを合わせるように、私も…自分の快楽を調整する。
一際大きく、深く抉られて…中心が今まで以上にギュッと締まる。
彼の…が「びくんっ」と痙攣し…宇丈さんの息が一瞬止まってから深く、吐き出される…。
中に感じる、彼の液体の温かさ。私の体液と混じりあって、私の体に吸収される。ヒクヒクと体が痙攣し、涙が止められない…。
「みひろ…」
心配げな声。優しく抱きしめられながら「気持ちよかったか?」と聞かれ…。
うっとりと余韻にひたりながら彼の瞳に目を合わせ、頷いた。
「今日は、何時まで大丈夫?」
「…4時に、出れれば…」
「わかった」
月に一度しか会わないのは、私がそう決めたから。
宇丈さんに溺れないように、自制するために。
でも…もう、とっくに溺れている…。彼がいないことなんて、もう耐えられない。
限られた時間で、たっぷり愛し合う。いつまでこうやって会えるのか…わからないけど。
先のことよりも、今。今…彼の体を感じたい。
また重ね合わせる肌に、互いの温もりに…感じるエクスタシー。それだけが、二人の間で確かなことなのだと…思った。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる