Love affair〜ラブ アフェア〜

橘 薫

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❤︎出会い❤︎真柴みひろ

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 彼にされた、無理やりだけど優しいキスが、忘れられなかった。でも…あんなことをされて、連絡なんて絶対に取れない。
 それでも名刺を捨てる気になれず。あれ以来、お茶のお稽古終わりに待ち伏せされることもなく…。今までどおりの生活だった。

 彼からなんの連絡もないまま、一ヶ月が過ぎた。
 このまま、フェイドアウトでいい…。きっと、うちはセックスレスだから…彼の持つ男らしさや、性的な部分に惹かれただけ…。そう自分に、言いきかせた。
 なのに、日に日に宇丈さんの存在が大きくなっていく…。

 ある日、珍しく主人が夜の誘いをしてきた。夫婦だから…断ることなど全く頭になかったのに心は凄く嫌がっていた。

 触れられると寒気がした。キスされると、気持ち悪かった。弘田さんの、優しくて蕩けるキスばかり思い出した…。

 結局主人も元気にならず、私たちは変わらず別々の部屋で寝た。結婚してすぐレスになり、それ以来寝室は別だった。

 翌日、主人を送り出した後に…急に虚しくなった。
 数えるほどしかしなかったセックス。快楽も、男性の体の気持ちよさもしらず…老いていくのかと思ったら、吐き気がした。
 嫌だ、と思った。もっと…もっと。どのくらい気持ちいいのか、感じてみたい…。

 月に一度から二度、ホテルのエステをうけて、その後はデイユースで休憩してから帰っている。
 その日はちょうど、エステとデイユースを予約していた。

 今日しかない…なぜだかそう思い、弘田さんに電話した。
 賭けだった。彼が来なければ、都合が悪ければ…縁がなかった…ということ。落胆することではない…そう言い聞かせて。

 平日の昼間なのに、二つ返事で彼は約束してくれた。
 待ち合わせ場所でカードキーを渡し、「五分後に来て」と言って、部屋に行った。

 来ないかもしれない。来るかもしれない。どちらでもいい…彼に、抱かれたい。
 きっちり五分後に部屋に来た彼を招き入れ…自分から、キスをした。それが…始まりだった。

「くっ……は、あ、っ……」
 私の中で、うねる彼。荒い息遣いも、激しい腰の動きも、イヤらしい囁きも…すべて、好き。

 怒張した彼自身が更に深く入り込み、気持ちいいところを突いてくる。
 そのリズムに合わせて締め付け、捕らえて…離さない。
「あぁ…、あぁ…、くそっ…出るっ…」
 宇丈さんの、善がる声…大好き。二人のピークを合わせるように、私も…自分の快楽を調整する。

 一際大きく、深く抉られて…中心が今まで以上にギュッと締まる。
 彼の…が「びくんっ」と痙攣し…宇丈さんの息が一瞬止まってから深く、吐き出される…。

 中に感じる、彼の液体の温かさ。私の体液と混じりあって、私の体に吸収される。ヒクヒクと体が痙攣し、涙が止められない…。

「みひろ…」
 心配げな声。優しく抱きしめられながら「気持ちよかったか?」と聞かれ…。
うっとりと余韻にひたりながら彼の瞳に目を合わせ、頷いた。

「今日は、何時まで大丈夫?」
「…4時に、出れれば…」
「わかった」
 月に一度しか会わないのは、私がそう決めたから。
 宇丈さんに溺れないように、自制するために。
 でも…もう、とっくに溺れている…。彼がいないことなんて、もう耐えられない。

 限られた時間で、たっぷり愛し合う。いつまでこうやって会えるのか…わからないけど。
 先のことよりも、今。今…彼の体を感じたい。
 また重ね合わせる肌に、互いの温もりに…感じるエクスタシー。それだけが、二人の間で確かなことなのだと…思った。
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