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第3話:テロメア-2
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「へえ、鳴海君のひいおばあちゃん、そんなにテロメア延長やってるんだね~」
「40歳の時から施術を受けているはずだから…多分、40年から50年くらい延ばしてるんじゃないかな。あまり延ばしすぎると、体に害があるんじゃないかと心配になるよ」
「えへへ。確かにね。でも、200年以上歴史のある技術だから、大丈夫なんじゃない?」
「まあね。とは言え、法律で色々規制はされているよね。1度に伸ばせる上限は10年だし、惑星間移動による超長期航行とかの特別な理由が無い限りは、合計100年が延長の上限と定められているし」
「それだけ伸ばせたら充分なんじゃない?」
「人生200年時代か…。そんなに長生きしたいかなあ…」
「長生きは…確かに苦しいよね~。でも、若い時期を伸ばせるのはいいことなんじゃないのかな」
「桜は、テロメア延長したいと思う?」
「あたし? そっだな~…。あたしは、しなくていいかな」
「今はそう思っても、30代、40代になって老いを感じてくると、考え方が変わるかもよ?」
「ひどいなぁ! でも、まあ、そんなものかもね」
「例えばさ、恋人同士、あるいは夫婦同士で、片方はテロメア延長をするのに、もう片方はしない、という判断は、それはそれで覚悟がいるよな…」
「あら? あたしは、自分だけ若くて、パートナーが年老いていったとしても、ちゃんと最後までかわいがってあげるつもりだよ?」
「簡単に言うよなあ…桜はまだ、16歳かそこらのくせにさ」
「なによ。鳴海君だって、16歳かそこらでしょ」
「まあ…そうだけどさ」
「えへへ~」
「桜…ところでさ…」
「ん? なあに?」
「その…なんというかさ…えっと…」
「どうしたの? はっきり言いなよ」
「なんだよ…。切り出しづらいな…」
「あ~…もしかして、この間の事?」
「そうだよ。…自分から返事を催促しているみたいで、なんか嫌だな」
「でも、催促してるんじゃない」
「まあ、そうなんだけどさ」
「でしょ?」
「…それで? 返事は、どうなの?」
「…そうね。鳴海君の気持ちは凄く嬉しいし、あたしも、鳴海君の事が好きだよ。でも、もう少しだけ時間が欲しいの」
「時間…か。どのくらの時間が必要なのか、訊いてもいいのかな?」
「…うん。あと、3ヶ月くらい…待ってくれると嬉しいな」
「桜には、もう好きな人がいるの? もしかして、その人に告白をしていて、その返事を待ってるの?」
「う~ん。ちょっと近いかもしれない…。でも安心して。あたしがその人とお付き合いする事は、絶対にないから」
「絶対にない…か。ますますわからない…」
「40歳の時から施術を受けているはずだから…多分、40年から50年くらい延ばしてるんじゃないかな。あまり延ばしすぎると、体に害があるんじゃないかと心配になるよ」
「えへへ。確かにね。でも、200年以上歴史のある技術だから、大丈夫なんじゃない?」
「まあね。とは言え、法律で色々規制はされているよね。1度に伸ばせる上限は10年だし、惑星間移動による超長期航行とかの特別な理由が無い限りは、合計100年が延長の上限と定められているし」
「それだけ伸ばせたら充分なんじゃない?」
「人生200年時代か…。そんなに長生きしたいかなあ…」
「長生きは…確かに苦しいよね~。でも、若い時期を伸ばせるのはいいことなんじゃないのかな」
「桜は、テロメア延長したいと思う?」
「あたし? そっだな~…。あたしは、しなくていいかな」
「今はそう思っても、30代、40代になって老いを感じてくると、考え方が変わるかもよ?」
「ひどいなぁ! でも、まあ、そんなものかもね」
「例えばさ、恋人同士、あるいは夫婦同士で、片方はテロメア延長をするのに、もう片方はしない、という判断は、それはそれで覚悟がいるよな…」
「あら? あたしは、自分だけ若くて、パートナーが年老いていったとしても、ちゃんと最後までかわいがってあげるつもりだよ?」
「簡単に言うよなあ…桜はまだ、16歳かそこらのくせにさ」
「なによ。鳴海君だって、16歳かそこらでしょ」
「まあ…そうだけどさ」
「えへへ~」
「桜…ところでさ…」
「ん? なあに?」
「その…なんというかさ…えっと…」
「どうしたの? はっきり言いなよ」
「なんだよ…。切り出しづらいな…」
「あ~…もしかして、この間の事?」
「そうだよ。…自分から返事を催促しているみたいで、なんか嫌だな」
「でも、催促してるんじゃない」
「まあ、そうなんだけどさ」
「でしょ?」
「…それで? 返事は、どうなの?」
「…そうね。鳴海君の気持ちは凄く嬉しいし、あたしも、鳴海君の事が好きだよ。でも、もう少しだけ時間が欲しいの」
「時間…か。どのくらの時間が必要なのか、訊いてもいいのかな?」
「…うん。あと、3ヶ月くらい…待ってくれると嬉しいな」
「桜には、もう好きな人がいるの? もしかして、その人に告白をしていて、その返事を待ってるの?」
「う~ん。ちょっと近いかもしれない…。でも安心して。あたしがその人とお付き合いする事は、絶対にないから」
「絶対にない…か。ますますわからない…」
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