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コント『椋美の悩み』椋美&太美
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場所:喫茶店(二人向かい合ってストローでジュースを飲んでいる)
アパレル店員の椋美の悩みは、脚のむくみだった。立ち仕事も要因の一つなのだろうが、体質もあるようだ。そんな椋美の唯一の楽しみは、専業主婦の親友、太美と休日にお茶することだった。(ナレーション)
椋美「もう大変。仕事が終わってブーツを履こうとしたらファスナーが上がらないの。仕方ないから折り曲げてショートブーツにしたわよ」
太美「あら、オシャレ。立ちっぱの仕事だもの、脚もむくむわよ」
椋美「だから、今日も万が一を考えて、むくんでもいいようにパンタロンよ」
太美「パンタロンて古っ。ブーツカットでしょ」
椋美「そうも言うわね。太美はいいわよね、脚がむくむような仕事をする必要はないし、三食昼寝付きで子供もいないし。食っちゃ寝、食っちゃ寝のクッチャロ湖でしょ? 羨ましいわ」
太美「確かに、幸せ太りって言うの? 最近ぽっちゃりしてきたみたい」
椋美「昔から自分のことをデブって言わないところが太美らしいわ。控えめで」
太美「まあね。椋美は脚さえ太くなければ結構イケてるのに惜しい」
椋美「太いんじゃなくて、むくんでんの」
太美「はいはい、そうでした。それより彼氏できた?」
椋美「できるわけないじゃない。毎日、仕事終わったらスーパーに寄って、半額シールが貼られた日替わり弁当や惣菜あれこれをカゴいっぱい買って」
太美「買いすぎでしょ」
椋美「帰ったら早食い選手権で優勝できそうな勢いでかっこんで、食べ終わったら烏の行水で風呂に入って」
太美「烏の行水って、今どき使わないでしょ」
椋美「髪も乾かさないでバタンキューだもの」
太美「バタンキューって死語でしょ」
椋美「彼氏作る時間なんかないわよ」
太美「時間ないならスマホで探してみたら? 最近はマッチングアプリなんてお手軽なのがあるじゃない。素敵な人に出会えるかもよ」
椋美「……マッチングアプリね。寝る前に試しにやってみようかしら」
太美「そうよ。自分からアクションを起こさないといつまで経っても結婚できないわよ」
次の休日。(ナレーション)
太美「で、どうだった? マッチングアプリ」
椋美「タイプがいたのよ」
太美「あら、よかったじゃない」
椋美「試しに、あやや似の若い頃の写真をプロフィールにアップしてみたの」
太美「なんと大胆な。サバの読みすぎでしょ」
椋美「そしたらあっちこっちから“いいね”があってさ。『ぜひ、付き合ってください』なんてカキコがあったりして」
太美「そりゃあるでしょ? 詐欺みたいなもんだから」
椋美「写真見たら、キスマイの北山くんに似たなかなかのイケメンなの」
太美「私は千賀くんがタイプ」
椋美「職業は獣医さん。素敵でしょう?」
太美「まあね」
椋美「趣味は映画鑑賞とドライブだって。趣味も合うし、付き合ってもいいかなって思ったら……」
太美「……どうしたの?」
椋美「でも、その人のタイプは……」
太美「タイプは?」
椋美「カモシカのような細い脚だって。トホホ」
太美「……よりによって痛いとこつくな。トホホ」
アパレル店員の椋美の悩みは、脚のむくみだった。立ち仕事も要因の一つなのだろうが、体質もあるようだ。そんな椋美の唯一の楽しみは、専業主婦の親友、太美と休日にお茶することだった。(ナレーション)
椋美「もう大変。仕事が終わってブーツを履こうとしたらファスナーが上がらないの。仕方ないから折り曲げてショートブーツにしたわよ」
太美「あら、オシャレ。立ちっぱの仕事だもの、脚もむくむわよ」
椋美「だから、今日も万が一を考えて、むくんでもいいようにパンタロンよ」
太美「パンタロンて古っ。ブーツカットでしょ」
椋美「そうも言うわね。太美はいいわよね、脚がむくむような仕事をする必要はないし、三食昼寝付きで子供もいないし。食っちゃ寝、食っちゃ寝のクッチャロ湖でしょ? 羨ましいわ」
太美「確かに、幸せ太りって言うの? 最近ぽっちゃりしてきたみたい」
椋美「昔から自分のことをデブって言わないところが太美らしいわ。控えめで」
太美「まあね。椋美は脚さえ太くなければ結構イケてるのに惜しい」
椋美「太いんじゃなくて、むくんでんの」
太美「はいはい、そうでした。それより彼氏できた?」
椋美「できるわけないじゃない。毎日、仕事終わったらスーパーに寄って、半額シールが貼られた日替わり弁当や惣菜あれこれをカゴいっぱい買って」
太美「買いすぎでしょ」
椋美「帰ったら早食い選手権で優勝できそうな勢いでかっこんで、食べ終わったら烏の行水で風呂に入って」
太美「烏の行水って、今どき使わないでしょ」
椋美「髪も乾かさないでバタンキューだもの」
太美「バタンキューって死語でしょ」
椋美「彼氏作る時間なんかないわよ」
太美「時間ないならスマホで探してみたら? 最近はマッチングアプリなんてお手軽なのがあるじゃない。素敵な人に出会えるかもよ」
椋美「……マッチングアプリね。寝る前に試しにやってみようかしら」
太美「そうよ。自分からアクションを起こさないといつまで経っても結婚できないわよ」
次の休日。(ナレーション)
太美「で、どうだった? マッチングアプリ」
椋美「タイプがいたのよ」
太美「あら、よかったじゃない」
椋美「試しに、あやや似の若い頃の写真をプロフィールにアップしてみたの」
太美「なんと大胆な。サバの読みすぎでしょ」
椋美「そしたらあっちこっちから“いいね”があってさ。『ぜひ、付き合ってください』なんてカキコがあったりして」
太美「そりゃあるでしょ? 詐欺みたいなもんだから」
椋美「写真見たら、キスマイの北山くんに似たなかなかのイケメンなの」
太美「私は千賀くんがタイプ」
椋美「職業は獣医さん。素敵でしょう?」
太美「まあね」
椋美「趣味は映画鑑賞とドライブだって。趣味も合うし、付き合ってもいいかなって思ったら……」
太美「……どうしたの?」
椋美「でも、その人のタイプは……」
太美「タイプは?」
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