令嬢様のおなーりー!

悠木矢彩

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公爵令嬢様はお持ち帰りする 過去編

やっぱり家庭の味よね

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レイチェル事件 この前のことのあと、王太子殿下に呼ばれ、登城した。



「事件は解決したのになんで呼ばれたんスかね」

レイモンドが言う。



「私の製品を買ってくれるのかしらね?」

アリシアはいう。実際、記録アクセサリーは注文が入った。主に司法部門と諜報活動用にと…
それと同時に一般発売を禁じられた。


「搾り取ってやるわ!私の製品を世に知らしめないなんて!!」

アリシアは馬車の中で立ち上がる。


「危ないっすよ。お嬢…」


落ち着けと言わんばかりの大きく吐かれた息。
なにやらあんまりよろしくない雲行きではないか?と考えてしまうレイモンド。

















「ここでお待ちください」


そう言って、執事は一礼をし出て行った。


「レイモンドいる?」

そういってアリシアは卓上にあるお菓子をさす。

「いえ…要らないっす。俺、屋敷でメリーさんに入れてもらった紅茶とお菓子があるんでそれつまみます」


「なにそれ!ずるいわ!!私もそっちがいいのに!私の分は!!?」


どこからともなく出した茶器に2人分入れるレイモンド。

「流石よ!わかってるわね!!」


コクリ一口飲む


「やっぱり家庭の味が最高よ!」


ーーーーコンコンコンコンーーーー


先ほどの執事が顔を出す。


その後に入ってきたのが、セリオス・ウル・モンテーニュその人だった。




「やぁ、待たせてすまない」


優雅な動作でアリシアの向かいに座る。


そしてギョッとする。

2人は王室が用意したものをである。


「お、お気に召さなかったか…?」


少し引きつった表情で2人を見る王太子殿下。

「いいえ?とても美味しそうでした。ですが、なにがあるかわかりませんので。いつ何処の誰がわかりませんから ふふっ」

扇で口元を抑えながら笑顔でいうアリシア。
それをさも平気そうに見ているレイモンド。
本来従者は同じ席についてはいけないが、今回はレイモンド・ティアソンとして登城したので同席している。



「貴殿たちには世話になった。レイチェル嬢のことも見抜けず不甲斐なかった…」

そう言って膝で握りこぶしを作り、下を少し向くセリオス。

「あらー?別に気になさらなくていいですわ。私はただ作ったものを実験したかっただけですので」


「お嬢…そんなん言ってるからいつまでも錬金術狂いなんて言われるんすよ!」


睨みつけるレイモンド。


「あらー?楽しいからいいじゃない!!」

睨みつけるアリシア。


2人の喧嘩は日常茶飯事…


「すまぬ…」

もう一度いう。


「いいんですわよ、もう」

再度アリシアがいう。


「いいや、謝っても謝っても足りぬ。レイモンドいや…レイシュタッド」




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