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公爵令嬢様は発明好き
証拠品提出しますよっと
しおりを挟む「レイモンド!!そのイヤリングを貸しなさい!」
「はい、お嬢」
七色に光る石のついたイヤリングをアリシアに渡す。
ニヤリと笑ったアリシア。
「さぁて、カールトン様。これがその証拠品ですわ!」
「「は?」」
ドヤ顔で話すアリシアに周囲は目が点になる。
先ほどアリシアはイヤリングと言ったが、本当にただのイヤリングにしか見えないからだ。
「これは私が開発した記録媒体ですわ」
「記録媒体?」
セリオスが訝しげに問う。
「そうですわ、こちらその時その場で起こったことを記録して尚且つ見ることができる優れもの!」
「なんだと!!」
カールトン侯爵は大声を出す。
「興味深いな…私は見てみたい」
セリオスがいう。
本当にそんなものができれば画期的な発明だ。
「因みに、これを開発するのに半年を要しましたの」
「え!!お嬢。あなたはきっと眠くなーる君より早く作れたんすか!?なんでだよ!こっちの方がすごいじゃないか!!」
レイモンドが叫ぶ。
「うるさいわね。こっち作るのに時間割いちゃったのよ。ソナタには悪かったけど…」
気まずそうに話すアリシア。
「こほん!気を取り直して、見るには何もない壁と少し薄暗い部屋がいいのですが…とりあえず…」
未だもがき続けているレイチェルをみて…
「彼女を降ろしてもらいましょうか?もちろん、拘束していただきますが」
にっこりとアリシアはいう。
「それと殿下」
「なんだ?」
「この記録が正しいものなのか、どちら側でもない殿下がレイモンドから先に事の概要をきいていただけますか?」
「…うむ。そうだな」
手を組んで考えるセリオス。
「…レイモンド…ティアソンだったか…話を聞こう」
「はっ…かしこまりました」
「ならば別室を用意する、しばし待て」
セリオスが従者に別室を用意するよう命令する。
そしてレイチェルは拘束され金切り声を挙げている。
「はなせ!!はなせえええ!!」
もがくレイチェル、それをみたカールトンは近寄っていき…
トスっと
首元を打つ。
「娘は平常心ではない…今は静かにさせる…」
苦渋の決断だったのか…彼の顔は苦しさに歪んでいた。
荒れた部屋でレイランド公爵が口を開く。
「レイチェル嬢を拘束していたのは…」
「私が作った罠ですわ。ちゃんと許可はいただきましたので」
「誰から!!」
「国王様ですわ」
「は?」
「国王様にちょっと面白いことしたいのですがお部屋1つ貸していただけませんか?(貴方にたくさん恩恵をあげているでしょう?1つくらい部屋貸しなさいよ)と申し上げましたら、許可下さいました」
公爵はアリシアを純粋な娘と思っていた…
だが今は違うのでは?と思っている。
なぜなら、なぜかわからないが心の声が聴こえるのだ…
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