お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩

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話し合い2

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「ブリュンヒルド…だと…?」

アクラム様は愕然とした表情で私のことを見ておりました。

私はそんなアクラム様を見つめながら頷きました。

「ブリュンヒルド様からアクラム様との関係を聞いておりましたので、ずっと心の中で私は苛まれてきたのです。本当に申し訳ありません。アクラム様とブリュンヒルド様の関係のことに気づきながら、私は浅ましくもあなた様の妻になりたくて結婚の承諾を致しました」

アクラム様がわなわなと震えておりました。
私が関係に気づいていたことに気づいていなかったのでしょう。
これで私とアクラム様の関係もブリュンヒルド様との関係も全て元通りになることを…いえ…私は彼女を傷つけてしまったが故に贖罪のために修道院に入ろうと考えております。

もう一度彼を見つめます。
もう二度とない機会です。


私がアクラム様を見つめていると彼の唇がかすかに動いたのです。

「…がう」


「え?」



「違う…違う!!…違う!!!」


彼の形相が本当に今まで見たこともないほどに歪んでおりました。


「ア…アクラム様?」


「違う…!違うんだ!マレーネ!!」


「な…何が違うと言うのでしょうか?」



「私とブリュンヒルドはそのような仲ではない!」


「ですが…彼女ははっきりと貴方との仲を邪魔するなと…」


「信じてくれ!本当に私はあの女とそのような仲ではない!」


困りました…ブリュンヒルド様は確かにそのようにおっしゃったのです。
それでもアクラム様はいつになく否定されるのです。
これは不倫関係を隠したいが為なのでしょうか?それとも真実なのでしょうか?正直私にはわかりません。


「私が好きなのは今も昔もマレーネ…貴女だけだ…!!」












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