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第3話 可愛いケーキは可愛いあなたに似合う

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「──リリア、今日も可愛いね!」

 私はいつものように、朝からリリアを全力で褒めちぎる。
 今日の彼女は花柄のワンピースを着ていて、それがまた似合っているのだ。いやもう、推しが着る服は何でも最高に見えるっていうのはガチだね。

 前はお泊まりをして彼女のパジャマ姿を見た。彼女のパジャマ姿は原作で見ることは叶わなかったため私は前その姿を見た時、それぞれは大興奮だった。

 ちょっと私の転生前と転生後のエリーが節々で違いすぎて(リリアへの愛が強すぎて)リリアは困惑している様子だった。
 まぁそんな困っている推しも可愛いんだけどな!

「えっ、そんなことないよ……エリーのほうがずっと素敵だし……」

 彼女は顔を赤くしながら恥ずかしそうに笑う。
 こういう反応もまた、推しの魅力の一つなんだよな。
 リリアの控えめで純粋なところもまた、私は大好きだ。

 でも、彼女のこの控えめさが、時に自信のなさとして表れてしまうのが難点。
 そう、彼女の本当の魅力を隠してしまっている。
 だから私は今日、リリアの隠れた魅力を引き出すためのちょっとした作戦を考えた。

「ねえリリア、今日は一緒にあの新しいカフェに行ってみない?」

「あ、新しいカフェ?私、そういうおしゃれな場所、少し苦手かも…」

 予想通りの反応だ。リリアは人前で目立つのが苦手で、特におしゃれな場所にはあまり足を運ばない。

 だけど、そういう場所こそ彼女が輝けるチャンスだ。私はにっこり笑って彼女に近づく。

「大丈夫!リリアと一緒なら、どこに行っても楽しいよ。それに、君の優しい笑顔があれば、どんな場所でも最高になるって!」

「そ、そんなこと言われても…」

 リリアがまた恥ずかしそうに顔を伏せる。
 けれども、彼女がほんの少しだけ興味を持ったのがわかる。
 推しのためなら多少の無茶はしてもいい。──いや、むしろするべきだ!

 私は私の中の自分を半ば無理やり説得し奮い立たせ行動に移した。

「じゃあ決まり!今日はリリアと新しいカフェデートだ!」

「で、デートって……!?」

 リリアの顔がさらに赤くなった。なんだその反応は100点満点だ。いや1000点を上げる。


 そして私は内心ガッツポーズを決める。推しのために全力で行動するのが私の役目!さあ、今日も彼女の魅力を引き出すぞ!




 ******



 カフェに着いた私たちは、かわいらしい装飾に包まれた店内で、少しずつ緊張を解いていく。

 リリアは最初こそ落ち着かなさそうだったけど、メニューを見てるうちに目を輝かせ始めた。

「このケーキ、すごくかわいい……!」

「そうでしょ?可愛いリリアにぴったりだよ!」

 そう言うとえへへと照れながら彼女ははにかむ。可愛い。
 彼女の嬉しそうな顔を見るたびに、私は本当に転生してきてよかったと心から思う。
 推しの笑顔を見るためなら、何だってする価値がある。

 ケーキと紅茶を注文し、私たちはしばしの間、日常の話に花を咲かせる。

 リリアはやはりとても優しい子で、私の話にも一生懸命耳を傾けてくれる。そして、彼女の笑顔はまるで天使のようだ。
 だが、そんな幸せな時間を楽しんでいるとき、不意にカフェの入り口が騒がしくなる。

「あら、こんなところでリリアとエリーに会うなんて」

 この声は……またセシリアか!

 セシリアが現れるたびに、空気がピリつくのはどうしてだろう。彼女は周囲の注目を一身に集めるような完璧な立ち振る舞いで、こちらに近づいてくる。

「お二人とも、今日はおしゃれね」

 セシリアは笑顔でそう言いながら、リリアに視線を送る。私はすかさずリリアのフォローに入る。

「リリア、すごく似合ってるよね!特にそのワンピース、リリアの優しい雰囲気にぴったりだと思うんだ、セシリアもそう思わない?」

「う、うん……ありがとう、エリー。」

 リリアが少し戸惑いながらも、微笑みを浮かべてくれる。セシリアはその様子を見て、ふっと笑う。

「リリア、あなたももっと自信を持ちなさい。エリーさんが言っているように、あなたにはあなたの良さがあるんだから」

 おっと、意外な展開。セシリアがリリアを褒めるなんて……。
 まぁこんな可愛いんだから当たり前か!

 私は少し意外に思いながらも、これはまたとないチャンスだと感じる。

「そうだよ、リリア。セシリアさんの言う通り、君には君だけの魅力があるんだから!」

 リリアが驚いたように私とセシリアを交互に見つめる。
 これは良い流れだ。このまま彼女の自己肯定感をさらに高めていこう。

「ありがとう…エリー、セシリア…」

 リリアが少し照れながらも、素直に礼を言った。その姿に、私は思わず胸が熱くなる。
 推しが少しずつ前に進んでいる!
 この調子で彼女をもっともっと応援していくぞ!

 その日、私たちはカフェでの時間を楽しみ、リリアが少し自信を持てたことを感じながら帰路についた。
 まだまだ彼女の挑戦は始まったばかり。私ももっと作戦を考えて、推しを輝かせるために頑張らなくちゃ!

「よし、明日もリリアを褒めまくって、絶対に王子様との幸せを掴ませてみせる!」

 こうして、私の推し応援生活はますます熱を帯びていくのだった……!
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