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第6話 悪役令嬢は途方に暮れる
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「ああ……もう全部やめたい……」
私はベッドに横たわり、ぐったりと天井を見つめていた。
ここ最近、私が考え、実行する「悪事」がことごとく裏目に出て、すべてが善行に変わってしまう。
リリィとの友情、クラウス様との仲、私の評価……全てが悪役としての私を裏切っている。
「どうして誰も私を罰してくれないの? 私は悪役令嬢なのに!」
心の中で何度も叫んでみても、答えは返ってこない。どれだけひねくれた計画を立てても、何をしても、私が望む破滅はますます遠のいている。
もう限界だ。このままでは、本当にただの「善人」として扱われてしまう。
私は悪役でいたいのに、それすら叶わないなんて、こんな屈辱はない。
「もう……何も考えたくない。」
私は毛布をかぶり、そのまま逃げるように眠りについた。
******
翌朝、いつものように憂鬱な気持ちで目を覚ますと、机の上に一通の封筒が置かれていた。
白い封筒には、金色の細かい装飾が施されており、高貴な雰囲気が漂っている。どうやら何かの招待状のようだ。
「誰から……?」
ぼんやりとしたまま封を切ると、そこには私が予想もしなかった名前が書かれていた。
「王太子、エドワード殿下より」
……えっ!? 王太子様から? なぜ私に招待状が……?
手紙を開き、その内容を確認すると、次のように書かれていた。
「セシリア・フォン・アウグスト侯爵令嬢へ。 近日中に王宮で開催される晩餐会に、貴女を正式にお招きしたい。 ぜひご参加いただきたく、詳細は追ってお知らせいたします。
王太子、エドワード」
私は目を疑った。王太子様……エドワード殿下からの招待?
私があの王太子殿下と関わる機会なんて今まで一度もなかったはず。なぜ今突然、私を晩餐会に招くのだろう?
「これは……何かの罠?」
私は怪訝そうに手紙を見つめた。こんな高貴な方がわざわざ私を招くなんて、何かの策略に違いない。
けれど、もし本当に王太子殿下が私に何らかの意図を持っているのなら、これを利用しない手はない。
王宮の晩餐会は、まさに最高の舞台だ。ここで何か大きな「悪事」を働けば、さすがに私の評判も崩れるかもしれない。
「王太子様……あなたも私を破滅に導いてくれるのでしょうか?」
少しだけ希望が芽生え、私は招待状をしっかりと握り締めた。
これが、私にとって最後のチャンスかもしれない。もしこの晩餐会で上手くいけば、ついに破滅が現実のものとなるかもしれないのだ。
******
数日後、私は華やかなドレスに身を包み、王宮の晩餐会に向かっていた。心臓が高鳴っている。
この場で何か大きな「失態」を演じれば、ついに私は悪役として認められ、破滅に向かうことができるだろう。
「今日こそ……成功させる!」
宮殿に到着すると、目の前にはきらびやかな装飾が施された大広間が広がっていた。
貴族や王族たちが集まり、静かに談笑している。華やかな光景に胸が高鳴るが、私は緊張と不安でいっぱいだった。
──どんな悪事を働けば、確実に破滅できるのか? 何をすれば、この場で私が嫌われ、追放されるのか?
そんな考えを巡らせていると、ふと、背後から声がかかった。
「セシリア・アウグスト侯爵令嬢、お初にお目にかかります」
振り返ると、そこには私と同じくらいの年齢の美しい青年が立っていた。漆黒の髪に鋭い目つき、端正な顔立ち──この方が、エドワード殿下だ。
「エドワード殿下……」
「お越しいただき、光栄です。ぜひ今夜は楽しい時間を過ごしていただきたい」
彼は柔らかい笑顔を浮かべているが、その瞳には鋭さがあった。私を見透かすような、何か特別な意図を感じさせる視線だった。
──何かがおかしい。彼は私に何を期待しているの?
不安と期待が入り混じる中、晩餐会が始まった。
美しい音楽が流れ、貴族たちが次々とダンスを踊り始める。私はそんな光景を見つめながら、何をすべきか考えていた。
ここで目立った行動をすれば、ついに破滅が訪れるかもしれない。
しかし、そんな私の思考を見透かすように、エドワード殿下が再び近づいてきた。
「セシリア様、少しお話を伺いたいのですが……」
「えっ、はい……何でしょうか?」
彼は私を広間の隅に連れて行き、静かに語りかけた。
「私は、あなたに興味があります。」
──え? なんですって?
突然の言葉に、私は驚きを隠せなかった。エドワード殿下が……私に興味?
何を言っているのか分からないまま、彼は続けた。
「あなたがここまで評判を上げてきたのは、偶然ではないでしょう。私には、あなたが非常に魅力的な人物に見えるのです。」
「私が……魅力的?」
──どうして? 私はただ、悪役として破滅を望んでいただけなのに。
「あなたの行動はすべて、周囲に良い影響を与えています。それを自覚していますか? その独特の魅力こそが、私があなたに興味を持った理由です。」
私は完全に困惑していた。破滅を求めていた私が、なぜこんな風に評価されているのか。エドワード殿下の言葉は、まるで私を引き上げるためのものでしかない。
「私は……」
言葉が出ない。彼の鋭い目が私をじっと見つめている。
「あなたと一緒にいると、もっと面白い未来が見えそうだ。セシリア様、私と手を組みませんか?」
──何ですって!? 王太子殿下と手を組む……?
私の頭の中は混乱でいっぱいだった。破滅どころか、私は王太子殿下に興味を持たれてしまった。このままでは、私が悪役として破滅する夢は、さらに遠ざかってしまうかもしれない……。
私はベッドに横たわり、ぐったりと天井を見つめていた。
ここ最近、私が考え、実行する「悪事」がことごとく裏目に出て、すべてが善行に変わってしまう。
リリィとの友情、クラウス様との仲、私の評価……全てが悪役としての私を裏切っている。
「どうして誰も私を罰してくれないの? 私は悪役令嬢なのに!」
心の中で何度も叫んでみても、答えは返ってこない。どれだけひねくれた計画を立てても、何をしても、私が望む破滅はますます遠のいている。
もう限界だ。このままでは、本当にただの「善人」として扱われてしまう。
私は悪役でいたいのに、それすら叶わないなんて、こんな屈辱はない。
「もう……何も考えたくない。」
私は毛布をかぶり、そのまま逃げるように眠りについた。
******
翌朝、いつものように憂鬱な気持ちで目を覚ますと、机の上に一通の封筒が置かれていた。
白い封筒には、金色の細かい装飾が施されており、高貴な雰囲気が漂っている。どうやら何かの招待状のようだ。
「誰から……?」
ぼんやりとしたまま封を切ると、そこには私が予想もしなかった名前が書かれていた。
「王太子、エドワード殿下より」
……えっ!? 王太子様から? なぜ私に招待状が……?
手紙を開き、その内容を確認すると、次のように書かれていた。
「セシリア・フォン・アウグスト侯爵令嬢へ。 近日中に王宮で開催される晩餐会に、貴女を正式にお招きしたい。 ぜひご参加いただきたく、詳細は追ってお知らせいたします。
王太子、エドワード」
私は目を疑った。王太子様……エドワード殿下からの招待?
私があの王太子殿下と関わる機会なんて今まで一度もなかったはず。なぜ今突然、私を晩餐会に招くのだろう?
「これは……何かの罠?」
私は怪訝そうに手紙を見つめた。こんな高貴な方がわざわざ私を招くなんて、何かの策略に違いない。
けれど、もし本当に王太子殿下が私に何らかの意図を持っているのなら、これを利用しない手はない。
王宮の晩餐会は、まさに最高の舞台だ。ここで何か大きな「悪事」を働けば、さすがに私の評判も崩れるかもしれない。
「王太子様……あなたも私を破滅に導いてくれるのでしょうか?」
少しだけ希望が芽生え、私は招待状をしっかりと握り締めた。
これが、私にとって最後のチャンスかもしれない。もしこの晩餐会で上手くいけば、ついに破滅が現実のものとなるかもしれないのだ。
******
数日後、私は華やかなドレスに身を包み、王宮の晩餐会に向かっていた。心臓が高鳴っている。
この場で何か大きな「失態」を演じれば、ついに私は悪役として認められ、破滅に向かうことができるだろう。
「今日こそ……成功させる!」
宮殿に到着すると、目の前にはきらびやかな装飾が施された大広間が広がっていた。
貴族や王族たちが集まり、静かに談笑している。華やかな光景に胸が高鳴るが、私は緊張と不安でいっぱいだった。
──どんな悪事を働けば、確実に破滅できるのか? 何をすれば、この場で私が嫌われ、追放されるのか?
そんな考えを巡らせていると、ふと、背後から声がかかった。
「セシリア・アウグスト侯爵令嬢、お初にお目にかかります」
振り返ると、そこには私と同じくらいの年齢の美しい青年が立っていた。漆黒の髪に鋭い目つき、端正な顔立ち──この方が、エドワード殿下だ。
「エドワード殿下……」
「お越しいただき、光栄です。ぜひ今夜は楽しい時間を過ごしていただきたい」
彼は柔らかい笑顔を浮かべているが、その瞳には鋭さがあった。私を見透かすような、何か特別な意図を感じさせる視線だった。
──何かがおかしい。彼は私に何を期待しているの?
不安と期待が入り混じる中、晩餐会が始まった。
美しい音楽が流れ、貴族たちが次々とダンスを踊り始める。私はそんな光景を見つめながら、何をすべきか考えていた。
ここで目立った行動をすれば、ついに破滅が訪れるかもしれない。
しかし、そんな私の思考を見透かすように、エドワード殿下が再び近づいてきた。
「セシリア様、少しお話を伺いたいのですが……」
「えっ、はい……何でしょうか?」
彼は私を広間の隅に連れて行き、静かに語りかけた。
「私は、あなたに興味があります。」
──え? なんですって?
突然の言葉に、私は驚きを隠せなかった。エドワード殿下が……私に興味?
何を言っているのか分からないまま、彼は続けた。
「あなたがここまで評判を上げてきたのは、偶然ではないでしょう。私には、あなたが非常に魅力的な人物に見えるのです。」
「私が……魅力的?」
──どうして? 私はただ、悪役として破滅を望んでいただけなのに。
「あなたの行動はすべて、周囲に良い影響を与えています。それを自覚していますか? その独特の魅力こそが、私があなたに興味を持った理由です。」
私は完全に困惑していた。破滅を求めていた私が、なぜこんな風に評価されているのか。エドワード殿下の言葉は、まるで私を引き上げるためのものでしかない。
「私は……」
言葉が出ない。彼の鋭い目が私をじっと見つめている。
「あなたと一緒にいると、もっと面白い未来が見えそうだ。セシリア様、私と手を組みませんか?」
──何ですって!? 王太子殿下と手を組む……?
私の頭の中は混乱でいっぱいだった。破滅どころか、私は王太子殿下に興味を持たれてしまった。このままでは、私が悪役として破滅する夢は、さらに遠ざかってしまうかもしれない……。
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