数学転移ー数学いらないなんて誰が言った？ー

数学の基本ー2

（本当に転生？）
参考書より読んだラノベのような展開に困惑していると、これまたテンプレ通りの白い髭を生やしたお爺さんが現れた。
「神様ですか…？」
「なんじゃ分かるのか。最近の若者は話が早いの。」
（ラノベで読んでるからな。）
そんなことは言えず、俺はただ苦笑いをしていた。

「ところで中島君。君、数学に興味はあるかね？」
（数学？なんで突然数学の話になるんだ？）
「私が数学の神だからだよ。」
またまたなんというテンプレ展開。神というのは皆心が読めるようだ。
「いや、まあ普通に…。」
「嘘じゃろ。これを見てみなさい」
突如また視界が白くなる。

「これは君じゃろ。」
俺は神と共にある映像を見ていた。

「数学なんて無くなってしまえよ。」

確かにそこには俺が写っていた。そんなことも言ってたな、なって思いながらまた俺は苦笑いをした。

「最近の若者はどうして皆数学嫌いなんじゃ？」
「なんでって数学嫌いに理由なんてあると思います？数学好きな人なんています？」
「な、なんじゃと！？じゃあお主、数学が無くなってもいいというのかね？」
「良いっすよ。数学なんて無くなっても誰も困らないでしょう。」
たちまち神様の顔が赤く膨れ上がった。
「そんなに数学が嫌いなら数学のない世界に行ってしまえ！」
突然ブチギレたかみに俺は慌てた。
「いやいや神様、今の言葉は少し誤解がありまして…。」
「うるさいっ！数学の大切さが分かるまで帰ってこなくて良い！」
突如として始まった異世界展開に俺は慌てふためく。
「いや、そもそも俺の体は？俺は死んだんですか？」
「うるさいうるさいっ！数学の大切さが分かるまでは戻ってくるな！」
そういうなり神は右腕を振り下ろした。瞬間、俺の視界が白く歪み始めた。ぼーっとする視界の中俺は神を呪った。
「ふざけんな！誰が数学なんて好きになるかーっ！」
俺の記憶はまたそこで途絶えた。