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G沢〜盗癖〜

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G沢:ふんふ~ん、ふんふんふん、ふ~ん。(鼻歌)

G沢:俺は、G沢。盗癖がある。今日も、不用心な空き教室に忍び込んで、ちょいと失敬するつもりだ。

G沢:お、分かる! 分かるぞ! この、バッグから、金(かね)の匂いがする!

G沢:では、開けるとするか。

E崎:させねーよ?

G沢:え?

E崎:バーーーーンッ!

G沢:ええーーーーーーーっ! 掃除用具入れのドアが、荒々しく開いたーーーーーーーっ!

E崎:E崎、登場!

G沢:E崎先生!

E崎:そこまでだ!

G沢:お、俺は、退学ですか?

E崎:いや? おまえ、なにも、盗んでないだろ?

G沢:へ? あれ? 先生、なんで、俺が、盗んだ現場を押さえて、退学にしなかったんですか?

E崎:さぁな? とりあえず、今日は、この部屋を出るぞ。

G沢:え? あ? はい。

ト書き:間

E崎:後日

G沢:ふんふ~ん、ふんふんふん、ふ~ん。(鼻歌)

G沢:また、今日も、不用心な空き教室に忍び込んでしまった。

G沢:お、分かる! 分かるぞ! この、バッグから、金(かね)の匂いがする!

G沢:では、開けるとするか。

E崎:させねーよ?

G沢:え?

E崎:フハハハハハ!

G沢:ええーーーーーーーっ! E崎先生が、天井に張り付いてるーーーーーーーっ!

E崎:E崎、登場!

G沢:E崎先生、それ、どうやってるんですか?

E崎:そこまでだ!

G沢:お、俺は、退学ですか?

E崎:いや? おまえ、なにも、盗んでないだろ?

G沢:へ? あれ? 先生、なんで、俺が、盗んだ現場を押さえて、退学にしなかったんですか?

E崎:さぁな? とりあえず、今日も、この部屋を出るぞ。

G沢:え? あ? はい。

ト書き:間

E崎:さらに後日

G沢:ふんふ~ん、ふんふんふん、ふ~ん。(鼻歌)

G沢:またまたまた、今日も、不用心な空き教室に忍び込んでしまった。

G沢:お、分かる! 分かるぞ! この、バッグから、金(かね)の匂いがする!

G沢:では、開けるとするか。

E崎:させねーよ?

G沢:え?

E崎:ドッカーーーーンッ!

G沢:ええーーーーーーーっ! 教卓が爆発したーーーーーーーっ!

E崎:げほっ! げほっ! げーほっ! げほ! くそ! 火薬の量を間違えた! E崎、登場!

G沢:E崎先生!

E崎:そこまでだ!

G沢:お、俺は、退学ですか?

E崎:いや? おまえ、なにも、盗んでないだろ?

G沢:へ? あれ? 先生、なんで、俺が、盗んだ現場を押さえて、退学にしなかったんですか?

E崎:さぁな? とりあえず、今日も、この部屋を出るぞ。

G沢:え? あ? はい。

ト書き:間

E崎:また、後日

G沢:ふんふ~ん、ふんふんふん、ふ~ん。(鼻歌)

G沢:またまたまたまた、今日も、不用心な空き教室に忍び込んでしまった。

G沢:お、分かる! 分かるぞ! この、バッグから、金(かね)の匂いがする!

G沢:では、開けるとするか。

G沢:って、いつものパターンだと、ここで、E崎先生が……。

G沢:今日は、出て来ないみたいだな。

G沢:じーーーーーー。(ジッパーを開ける音)

E崎:させねーよ?

G沢:ほげああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!

G沢:ババババババ、バッグの中にーーーーーーーーっ!

G沢:生生生生生生、E崎先生の生首がぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!

G沢:はいはいはいはいはいはい、入っててーーーーーーーーっ!

G沢:しししししし、しかも、しゃべったーーーーーーーーっ!

G沢:ぜぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーっ! はぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!

E崎:落ち着け、生首はしゃべらん。

G沢:はぁーーーーーーーっ!

E崎:ちゃんと、机の下に身体がある。

G沢:ええええええ! E崎先生! 机に穴、あけて、なにを作ってるんですか?

E崎:すごいだろう。

G沢:いや、先生! マジで、俺、心臓止まって、死んでたかも知れませんよ?

E崎:そのくらいでなくては困る。

G沢:なにがですか?

E崎:後で、分かる。

G沢:え? でも、なんで、俺が、このバックを開けるって、分かったんですか?

E崎:だてに、おまえがバックを品定めするところを、何度も見ていない。おまえが、どういうバックを選ぶかは、お見通しだ。

G沢:え? 隠れて、俺のこと見てたのって、そのためだったんですか?

E崎:その通り!

G沢:ええーー?

E崎:それは、そうと、ここから出るの、手伝ってくれないか?

G沢:え? 先生、どうやって、そこに、入ったんですか?

ト書き:間

E崎:それから、しばらく経(た)って

ト書き:間

E崎:もう、やってない、みたいだな。

G沢:別に、良心が芽生えたとかじゃないんですけどね。空き教室に忍び込んだだけで、いつ、どこから、E崎先生が出てきて、「させねーよ?」って言わないか心配でドキドキして落ち着かないし、バックを開けようとして、ファスナーに手をかけると、中に、E崎先生の生首が入ってて「させねーよ?」って、言うような気がして、脂汗が出てきて、手が止まるんです。

E崎:そうか。

G沢:あなたは、ガチでガッツリ、私のトラウマです。

E崎:グッ!

G沢:え? 先生、今、ガッツポーズしました?

E崎:おうよ!

G沢:ないわー。

E崎:グッ!

G沢:え? もう1度、ガッツポーズしました?

E崎:おう!

G沢:マジ、ないわー。
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