2 / 6
F浦〜不登校〜
しおりを挟む
E崎:プルルルル、プルルルル。
F浦:あれ? 誰だろう? この番号?
E崎:ピッ。もしもし、担任のE崎です。これから、家庭訪問をします。最寄り駅を出ました。
F浦:はぁ、先生、来るんですか。
E崎:ピッ。
F浦:先生、来るのか。もう、長いこと、高校行ってないから、出席日数が危ないとか言われるのかなぁ?
E崎:プルルルル、プルルルル。
F浦:あれ? この番号? E崎先生?
E崎:ピッ。もしもし、担任のE崎です。今、駅前のコンビニの角を曲がりました。
F浦:はい?
E崎:ピッ。
F浦:え? 何? なんなの?
E崎:プルルルル、プルルルル。
F浦:ん? また、E崎先生?
E崎:ピッ。もしもし、担任のE崎です。今、消防署の前を通りました。
F浦:は?
E崎:ピッ。
F浦:え? 何? 怖い怖い怖い。
E崎:プルルルル、プルルルル。
F浦:この番号、先生だ! なんなの?
E崎:ピッ。もしもし、担任のE崎です。今、和菓子屋の角を……。
F浦:いやぁ! 先生! メリーさんごっこ、やめて!
E崎:あ? ばれた?
F浦:え? ばれるとか、ばれないとかの、話でした?
E崎:いやー、お前んちって、駅から結構あるじゃん? 着くまでヒマでさぁ。
F浦:ヒマつぶし? ヒマつぶしに、私、遊ばれてたんですか?
E崎:人聞(ひとぎ)きの悪いこと、言うなよ。
F浦:人聞(ひとぎ)きだけ取り繕(つくろ)っても、あなたの罪は消えません!
E崎:そんな、「罪」とか、大げさな。
F浦:いやいや、十分「罪」ですよ? そりゃあ、もう、「罪」です!
E崎:そうなの?
F浦:それに、自分のスマホに女生徒のスマホの番号入れるとか、今どきはダメなんじゃないですか?
E崎:教頭みたいなこと言うのね。
F浦:言われてるんじゃないですか! ダメなんじゃないですか!
E崎:でも、スマホが普及したおかげで、すっかり公衆電話も減ってねぇ。
F浦:はぁ。
E崎:メリーさんごっこも出来ないよ。
F浦:それは、しなくていいやつですから!
E崎:ああ、まぁね。
F浦:まったく……。
E崎:もしもし、担任のE崎です。今、あなたのマンションの前にいるの。
F浦:だから、あなたも懲(こ)りないですね!
E崎:いや、ガチでマジで着いた。
F浦:あ、着いたんですか?
E崎:入れてくれ。
F浦:先生、上がるんですか?
E崎:じゃあ、下がろうか?
F浦:はぁっ? 「下がる」? どこへ?
E崎:じゃあ、上げてくれ。
F浦:今、私、家にひとりきりですよ? 今どきは、女生徒と二人きりとか、まずいんじゃあ?
E崎:お構いなく。お茶だけで、お茶菓子なしで。
F浦:はぁっ? お茶要求? 今どきは、お茶もダメなんじゃあ?
E崎:え? お前、俺たちの研修、覗(のぞ)いてるの?
F浦:私、学校、行ってませんよね? 普通の生徒以上に覗(のぞ)くチャンス、ありませんから!
E崎:いいから、出迎えろ。
F浦:……分かりました。待っててください。
ト書き:間
F浦:先生、いらっしゃい。じゃあ、エレベーターで上がります。
E崎:いいマンションだな。
F浦:親のです。
E崎:だからって、いいマンションがいいマンションでなくなるわけじゃない。
F浦:そうですけど……、って、エレベーター、止まった?
E崎:リアル脱出ゲーーム! ドンドン、パフパフーー!
F浦:「ドンドン、パフパフー!」じゃないです! マジでリアルに閉じ込められたんですよ? どうしよう?
E崎:落ち着け! このボタンを押せば、エレベーター管理会社と連絡取れるから。
F浦:そうですけど……。ひっ! で、電気が消えました!
E崎:消えたな。
F浦:いや、私、暗くて狭いところダメなんです。
E崎:引きこもりなのに?
F浦:引きこもりは、関係ないでしょう? 私の部屋は、広くて明るいですよ?
E崎:ああ、そうだな。まぁ、落ち着いて聞いてくれ。
F浦:はい。
E崎:俺は、昔、赤ん坊だった。
F浦:はぁ……。
E崎:……いや、終わりだけど?
F浦:はぁっ? 終わり?
E崎:うん!
F浦:いや、ここは、いい話をするところですよ? ギャグかますところじゃありませんよ?
E崎:そこを、あえてだな……。
F浦:え? 私、責められてる? なんで、「誰でも、昔は赤ん坊でしたよ!」って、ツッコまなかった? って、責められてる?
E崎:まぁ、落ち着け。
F浦:エキサイトさせてるのは、先生ですよ?
E崎:まぁまぁ。
F浦:もう、私、やだぁ!
E崎:あ、電気ついた。
F浦:……つきましたね。
E崎:あ、ドア、開いた。
F浦:……開きましたね。
E崎:どーもー、E崎でーす!
F浦:なんで漫才師風なんですか? サービスマンさんが、あっけに取られてるじゃないですか!
ト書き:間
E崎:ガチャっ。お邪魔しまーす。
F浦:どうぞ。
E崎:F浦ってさぁ。
F浦:はい?
E崎:ツッコミの才能、あるんじゃね?
F浦:開口一番(かいこういちばん)が、それですか?
F浦:あれ? 誰だろう? この番号?
E崎:ピッ。もしもし、担任のE崎です。これから、家庭訪問をします。最寄り駅を出ました。
F浦:はぁ、先生、来るんですか。
E崎:ピッ。
F浦:先生、来るのか。もう、長いこと、高校行ってないから、出席日数が危ないとか言われるのかなぁ?
E崎:プルルルル、プルルルル。
F浦:あれ? この番号? E崎先生?
E崎:ピッ。もしもし、担任のE崎です。今、駅前のコンビニの角を曲がりました。
F浦:はい?
E崎:ピッ。
F浦:え? 何? なんなの?
E崎:プルルルル、プルルルル。
F浦:ん? また、E崎先生?
E崎:ピッ。もしもし、担任のE崎です。今、消防署の前を通りました。
F浦:は?
E崎:ピッ。
F浦:え? 何? 怖い怖い怖い。
E崎:プルルルル、プルルルル。
F浦:この番号、先生だ! なんなの?
E崎:ピッ。もしもし、担任のE崎です。今、和菓子屋の角を……。
F浦:いやぁ! 先生! メリーさんごっこ、やめて!
E崎:あ? ばれた?
F浦:え? ばれるとか、ばれないとかの、話でした?
E崎:いやー、お前んちって、駅から結構あるじゃん? 着くまでヒマでさぁ。
F浦:ヒマつぶし? ヒマつぶしに、私、遊ばれてたんですか?
E崎:人聞(ひとぎ)きの悪いこと、言うなよ。
F浦:人聞(ひとぎ)きだけ取り繕(つくろ)っても、あなたの罪は消えません!
E崎:そんな、「罪」とか、大げさな。
F浦:いやいや、十分「罪」ですよ? そりゃあ、もう、「罪」です!
E崎:そうなの?
F浦:それに、自分のスマホに女生徒のスマホの番号入れるとか、今どきはダメなんじゃないですか?
E崎:教頭みたいなこと言うのね。
F浦:言われてるんじゃないですか! ダメなんじゃないですか!
E崎:でも、スマホが普及したおかげで、すっかり公衆電話も減ってねぇ。
F浦:はぁ。
E崎:メリーさんごっこも出来ないよ。
F浦:それは、しなくていいやつですから!
E崎:ああ、まぁね。
F浦:まったく……。
E崎:もしもし、担任のE崎です。今、あなたのマンションの前にいるの。
F浦:だから、あなたも懲(こ)りないですね!
E崎:いや、ガチでマジで着いた。
F浦:あ、着いたんですか?
E崎:入れてくれ。
F浦:先生、上がるんですか?
E崎:じゃあ、下がろうか?
F浦:はぁっ? 「下がる」? どこへ?
E崎:じゃあ、上げてくれ。
F浦:今、私、家にひとりきりですよ? 今どきは、女生徒と二人きりとか、まずいんじゃあ?
E崎:お構いなく。お茶だけで、お茶菓子なしで。
F浦:はぁっ? お茶要求? 今どきは、お茶もダメなんじゃあ?
E崎:え? お前、俺たちの研修、覗(のぞ)いてるの?
F浦:私、学校、行ってませんよね? 普通の生徒以上に覗(のぞ)くチャンス、ありませんから!
E崎:いいから、出迎えろ。
F浦:……分かりました。待っててください。
ト書き:間
F浦:先生、いらっしゃい。じゃあ、エレベーターで上がります。
E崎:いいマンションだな。
F浦:親のです。
E崎:だからって、いいマンションがいいマンションでなくなるわけじゃない。
F浦:そうですけど……、って、エレベーター、止まった?
E崎:リアル脱出ゲーーム! ドンドン、パフパフーー!
F浦:「ドンドン、パフパフー!」じゃないです! マジでリアルに閉じ込められたんですよ? どうしよう?
E崎:落ち着け! このボタンを押せば、エレベーター管理会社と連絡取れるから。
F浦:そうですけど……。ひっ! で、電気が消えました!
E崎:消えたな。
F浦:いや、私、暗くて狭いところダメなんです。
E崎:引きこもりなのに?
F浦:引きこもりは、関係ないでしょう? 私の部屋は、広くて明るいですよ?
E崎:ああ、そうだな。まぁ、落ち着いて聞いてくれ。
F浦:はい。
E崎:俺は、昔、赤ん坊だった。
F浦:はぁ……。
E崎:……いや、終わりだけど?
F浦:はぁっ? 終わり?
E崎:うん!
F浦:いや、ここは、いい話をするところですよ? ギャグかますところじゃありませんよ?
E崎:そこを、あえてだな……。
F浦:え? 私、責められてる? なんで、「誰でも、昔は赤ん坊でしたよ!」って、ツッコまなかった? って、責められてる?
E崎:まぁ、落ち着け。
F浦:エキサイトさせてるのは、先生ですよ?
E崎:まぁまぁ。
F浦:もう、私、やだぁ!
E崎:あ、電気ついた。
F浦:……つきましたね。
E崎:あ、ドア、開いた。
F浦:……開きましたね。
E崎:どーもー、E崎でーす!
F浦:なんで漫才師風なんですか? サービスマンさんが、あっけに取られてるじゃないですか!
ト書き:間
E崎:ガチャっ。お邪魔しまーす。
F浦:どうぞ。
E崎:F浦ってさぁ。
F浦:はい?
E崎:ツッコミの才能、あるんじゃね?
F浦:開口一番(かいこういちばん)が、それですか?
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる