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ステージ3 フェンリル編
第57話 共闘
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今日も明るく優しい日差しがユートピアランドを照らし、昨日よりも一段と暑い日になった。
今回は中心街を避けてモネ達がいるはずの会場に直行した。
「ここら辺全く人が居ないわね……中心街はあんなに賑やかなのに」
「僕も最初思ってたんですけど、どうやら中心街にプレイヤーが大分固まってるみたいですよ」
ニーダの様子がちょっと変、人が居なすぎて落ち着きが無さげだ。たしかに昨日と比べたら人の気配が何一つ感じられない。今日は講演が無いのかな?
ヘラルとイコさんもやっぱり不思議がっているな。しきりと周囲に人がいないか探してはいるけど見つけられないみたいだ。
「あっちの方に誰かいませんか?」
イコさんが指差した方を向くとそこには巨体の男が二人で何やら壁に向いて喋っている。
足元には──
「おい、その手はどうした」
「あぁ!?」
「……ええと、あの口から血を吐いてるのがモネ……って子供なのかい?」
男達の足元には顔や身体に痣を作り、血を吐いて倒れているモネの姿があった。男の拳は血で染まっていた。
僕は咄嗟に掌を突き出し、火炎球を撃てるように構える。他の皆もそれぞれに構えを取った。
何が起こった? 人の気配がしないのもこの男達のせいなのか。
「おうおう! もしかしてお前らもここの団員なんか? このガキみてえにブッ殺してやるよ」
「……ニーダ、ヘラル、イコさん。コイツ殺すね」
「天汰……コイツラはワタシが先に倒す」
男まで距離があるからまずは詰めるか。モネもまだ腹が動いているしまだ生きている。どうにかこの二人を撃退して助けるんだ。
僕とヘラルは同時に前へ飛び出した。
「ヘラル! まずはアレで二人を頼む!」
「分かってるよ! 【黒薔薇】ッ!」
屈強な男に薔薇が絡みつき、男を拘束する。しかし、男の身体は余りにも強靭過ぎたのか一人の男はそれを引き千切ってこちらに向かって突き進んできた。
「【火炎球】」
「……うっ」
火の玉が男の身体を貫いた。小さいがポッカリと穴から空いて向こう側がはっきり見える。
手加減してやったんだ、300万程度じゃ絶対死にはしないだろう。
僕はヘラルが縛った方に近付き掌を見せつける。
「その子に何をした?」
「……」
「答えろよ」
「天汰さん。私に任せてくれませんか」
沈黙を貫く男の前にイコさんは現れた。そういえばイコさんが戦っている姿は見たことがないな。一体どんな攻撃を仕掛けるのだろう。
「私に話してくれませんか」
「……ああ、俺達はここの団員を殺しに来たんだ……」
……今、何かしたか? イコさんはただ男に話しかけただけ。僕の時は全無視だったのになんでイコさんには話したんだろうか。
「モネ、平気か……? ワタシ達がいるからなっ」
ヘラルが血塗れになったモネを揺さぶる。しかし、モネは意識を失っていて返事は無かった。
「ヘラル……揺さぶるのは身体に良くない。出血は口以外無さそうだしなんか……こう、工夫して身体を固定出来ないか?」
「分かった、やってみる……」
黒い薔薇がモネの全身に絡まり、出来るだけ安全な体勢を保つように僕は色々と試してみる。
僕が悩んでいる間にイコさんとニーダが寄ってきていた。
「あの……私がモネさんの身体を体勢を固定させます」
「えっイコさんって魔法が使えるんですか?」
そう言ってイコさんは僕と同じように両手でモネに触れ、そこから白い糸を吐き出し始めた。
あっという間に糸は黒薔薇を支柱にしてモネの四肢に何周も巻かれた。
「私の生まれながらの個性だったんですよこれー! あんまり役には立たなかったんですけどね……!」
「いや、凄いよ。ありがとうございます」
イコさんは僕の言葉を聞いて顔を真っ赤にしている。そんなに嬉しかったのかな。
「……て……た」
「……モネ。落ち着いてくれ、もう大丈夫だから」
モネは意識を取り戻し掠れた声で僕達に話しかける。話す度にモネの口にじんわりと血が滲んでいく。
「天汰、あなた達は会場に入りなさい。この子供はわらわが何とかする」
「ワタシ達は会場に行きます。二人とも行こう!」
ヘラルに従い僕達はニーダを置いて会場の扉に手を当てた。中から怒声や叫び声が聞こえてくる。外の奴の仲間か?
「ぐわああああああ」
「レンさん! 団長、気を付けてください!」
扉を開けるとそこは地獄絵図になっていた。ぱっと見50人以上はいるように見える。その男達は舞台の中心にいる団長とエレーナを囲み、今にも襲いかかろうとしている。二人の足元にはサーカス団の人達が血だらけになって倒れていた。
「おいおい、この程度か? おい女、ピエロの化粧も汗で落ちてきて気持ち悪ぃぜ。ギャハハハハハ」
「くっ……」
……どうやら僕達はまだ気付かれていないようだ。さっとしゃがんで様子を見ながら僕達は三手に分かれた。
「お前達は何の用でここに来た……!」
「用はジジイ、てめえだよ。わざわざ遠くから来たんだ、生首だけじゃ物足りねえ。横に居る女も掻っ攫ってやるか」
「いいねえ……」
「私達に近寄るなッ! 発勁を食らわせるぞッ」
目的はべアティチュードの暗殺だと。こんな温厚な人を恨む人なんているのか。
よし、この距離なら剣で攻撃出来る……あとは横に回り込んだヘラルとイコさんの合図を待つんだ。
舞台の上でエレーナと男達はお互いに牽制しあって距離を保っている。
やるなら今しかないぞ。
「【青薔薇】」
「誰だ──!」
青白い光が男達を貫く。やっぱりヘラルの魔法は強力だな。一歩遅れて僕とイコさんが顔を出し、舞台の上に上がった。
「天汰、それにお二人も……そ、そうだ。モネはどうした!? あの子がここから出ていった直後にこいつらが襲いかかってきたんだ」
「モネは外で治療中です。エレーナさん、この人達も奴らに襲われたってことですよね」
「……すまない。エレーナくんだけでも逃げてくれないか。これは団長が責任を取らねばならない」
べアティチュードの言葉に顔を曇らせるエレーナ。それもそうだろう。べアティチュードの表情からは何かの覚悟を感じる。
「天汰、今すぐ足元の男から離れな」
「どうしたヘラル……は?」
急に足首を靴の上から掴まれる。恐る恐る足元を見るとさっきヘラルが倒したはずの男が目から血を流して鬼の形相で僕を見ていた。
「殺して……ヤル……」
「こいつ、まだ生きてるぞ!? 叩き斬ってやる──」
「ま、待ってください天汰さん! 様子が変です!」
イコさんの言葉を聞き、振り下ろそうとした剣を途中で止める。誰から見ても様子がおかしいの確かだが……いや、確かに異常だ。
コイツから魔力を一滴も感じ取れない。それどころか他に倒れている男達からもだ。
倒れているサーカス団の団員から微かにだけど魔力は残っている。
「ヘラルの能力……とかじゃないよな?」
「……皆さん気をつけてください、これは魔神です……私達が探していた魔物です」
額の汗を拭いながらエレーナが僕達に向けて注意を促す。
魔神……なんて聞いたことがないな、また新敵か。
「……私達って、誰のことですか? エレーナさん」
僕が思わず聞き逃していたことを、イコさんが質問する。何だろう、嫌な予感がする。
「はい。私達クローピエンスの討伐対象です! 向こうからこっちに来てくれるなんて幸運だ。皆さんは団長さんと一緒に倒れている団員さんを連れて逃げてください」
「クロー……ピエンス?」
僕はその発言の意味が分からず、無意識のうちに聞き返していた。
「クローピエンスはこの世界を運営する超精鋭チーム、まだ私は下っ端ですけど、魔神なら一人で倒せますから!」
クローピエンスは僕とヘラルを追いかけている組織で、ヘラルが復讐を遂げたい相手だ。
目の前にいる僕と同じくらいの少女だとしても、いずれは倒さなければいけない敵なんだ。
だけど、今戦わなければいけないのは魔神の方だ。
「エレーナさん、僕達も戦います」
「危険だからさがったほうが──」
「ワタシ達は超強いからね」
「……団員さんは私が避難させます! エレーナさん、二人はとっても強いので心配なさらず」
イコさんは糸を吐き出して団員全員を絡め取り、団長を連れて外に飛び出した。
「ウウッ……グォオオオオオ!」
「魔神が来ます……!! 気を付けてください!」
男達は吸われるように一か所に集まり、その肉体の境目が曖昧になっていく。
ひとりひとりの顔が識別出来なくなるぐらい溶け合って、天井に頭をぶつけると同時に一つの顔が生えてきた。
「ギャオオオオオ!!」
「言葉も発せない下位の魔神……勝てます。私達なら」
今回は中心街を避けてモネ達がいるはずの会場に直行した。
「ここら辺全く人が居ないわね……中心街はあんなに賑やかなのに」
「僕も最初思ってたんですけど、どうやら中心街にプレイヤーが大分固まってるみたいですよ」
ニーダの様子がちょっと変、人が居なすぎて落ち着きが無さげだ。たしかに昨日と比べたら人の気配が何一つ感じられない。今日は講演が無いのかな?
ヘラルとイコさんもやっぱり不思議がっているな。しきりと周囲に人がいないか探してはいるけど見つけられないみたいだ。
「あっちの方に誰かいませんか?」
イコさんが指差した方を向くとそこには巨体の男が二人で何やら壁に向いて喋っている。
足元には──
「おい、その手はどうした」
「あぁ!?」
「……ええと、あの口から血を吐いてるのがモネ……って子供なのかい?」
男達の足元には顔や身体に痣を作り、血を吐いて倒れているモネの姿があった。男の拳は血で染まっていた。
僕は咄嗟に掌を突き出し、火炎球を撃てるように構える。他の皆もそれぞれに構えを取った。
何が起こった? 人の気配がしないのもこの男達のせいなのか。
「おうおう! もしかしてお前らもここの団員なんか? このガキみてえにブッ殺してやるよ」
「……ニーダ、ヘラル、イコさん。コイツ殺すね」
「天汰……コイツラはワタシが先に倒す」
男まで距離があるからまずは詰めるか。モネもまだ腹が動いているしまだ生きている。どうにかこの二人を撃退して助けるんだ。
僕とヘラルは同時に前へ飛び出した。
「ヘラル! まずはアレで二人を頼む!」
「分かってるよ! 【黒薔薇】ッ!」
屈強な男に薔薇が絡みつき、男を拘束する。しかし、男の身体は余りにも強靭過ぎたのか一人の男はそれを引き千切ってこちらに向かって突き進んできた。
「【火炎球】」
「……うっ」
火の玉が男の身体を貫いた。小さいがポッカリと穴から空いて向こう側がはっきり見える。
手加減してやったんだ、300万程度じゃ絶対死にはしないだろう。
僕はヘラルが縛った方に近付き掌を見せつける。
「その子に何をした?」
「……」
「答えろよ」
「天汰さん。私に任せてくれませんか」
沈黙を貫く男の前にイコさんは現れた。そういえばイコさんが戦っている姿は見たことがないな。一体どんな攻撃を仕掛けるのだろう。
「私に話してくれませんか」
「……ああ、俺達はここの団員を殺しに来たんだ……」
……今、何かしたか? イコさんはただ男に話しかけただけ。僕の時は全無視だったのになんでイコさんには話したんだろうか。
「モネ、平気か……? ワタシ達がいるからなっ」
ヘラルが血塗れになったモネを揺さぶる。しかし、モネは意識を失っていて返事は無かった。
「ヘラル……揺さぶるのは身体に良くない。出血は口以外無さそうだしなんか……こう、工夫して身体を固定出来ないか?」
「分かった、やってみる……」
黒い薔薇がモネの全身に絡まり、出来るだけ安全な体勢を保つように僕は色々と試してみる。
僕が悩んでいる間にイコさんとニーダが寄ってきていた。
「あの……私がモネさんの身体を体勢を固定させます」
「えっイコさんって魔法が使えるんですか?」
そう言ってイコさんは僕と同じように両手でモネに触れ、そこから白い糸を吐き出し始めた。
あっという間に糸は黒薔薇を支柱にしてモネの四肢に何周も巻かれた。
「私の生まれながらの個性だったんですよこれー! あんまり役には立たなかったんですけどね……!」
「いや、凄いよ。ありがとうございます」
イコさんは僕の言葉を聞いて顔を真っ赤にしている。そんなに嬉しかったのかな。
「……て……た」
「……モネ。落ち着いてくれ、もう大丈夫だから」
モネは意識を取り戻し掠れた声で僕達に話しかける。話す度にモネの口にじんわりと血が滲んでいく。
「天汰、あなた達は会場に入りなさい。この子供はわらわが何とかする」
「ワタシ達は会場に行きます。二人とも行こう!」
ヘラルに従い僕達はニーダを置いて会場の扉に手を当てた。中から怒声や叫び声が聞こえてくる。外の奴の仲間か?
「ぐわああああああ」
「レンさん! 団長、気を付けてください!」
扉を開けるとそこは地獄絵図になっていた。ぱっと見50人以上はいるように見える。その男達は舞台の中心にいる団長とエレーナを囲み、今にも襲いかかろうとしている。二人の足元にはサーカス団の人達が血だらけになって倒れていた。
「おいおい、この程度か? おい女、ピエロの化粧も汗で落ちてきて気持ち悪ぃぜ。ギャハハハハハ」
「くっ……」
……どうやら僕達はまだ気付かれていないようだ。さっとしゃがんで様子を見ながら僕達は三手に分かれた。
「お前達は何の用でここに来た……!」
「用はジジイ、てめえだよ。わざわざ遠くから来たんだ、生首だけじゃ物足りねえ。横に居る女も掻っ攫ってやるか」
「いいねえ……」
「私達に近寄るなッ! 発勁を食らわせるぞッ」
目的はべアティチュードの暗殺だと。こんな温厚な人を恨む人なんているのか。
よし、この距離なら剣で攻撃出来る……あとは横に回り込んだヘラルとイコさんの合図を待つんだ。
舞台の上でエレーナと男達はお互いに牽制しあって距離を保っている。
やるなら今しかないぞ。
「【青薔薇】」
「誰だ──!」
青白い光が男達を貫く。やっぱりヘラルの魔法は強力だな。一歩遅れて僕とイコさんが顔を出し、舞台の上に上がった。
「天汰、それにお二人も……そ、そうだ。モネはどうした!? あの子がここから出ていった直後にこいつらが襲いかかってきたんだ」
「モネは外で治療中です。エレーナさん、この人達も奴らに襲われたってことですよね」
「……すまない。エレーナくんだけでも逃げてくれないか。これは団長が責任を取らねばならない」
べアティチュードの言葉に顔を曇らせるエレーナ。それもそうだろう。べアティチュードの表情からは何かの覚悟を感じる。
「天汰、今すぐ足元の男から離れな」
「どうしたヘラル……は?」
急に足首を靴の上から掴まれる。恐る恐る足元を見るとさっきヘラルが倒したはずの男が目から血を流して鬼の形相で僕を見ていた。
「殺して……ヤル……」
「こいつ、まだ生きてるぞ!? 叩き斬ってやる──」
「ま、待ってください天汰さん! 様子が変です!」
イコさんの言葉を聞き、振り下ろそうとした剣を途中で止める。誰から見ても様子がおかしいの確かだが……いや、確かに異常だ。
コイツから魔力を一滴も感じ取れない。それどころか他に倒れている男達からもだ。
倒れているサーカス団の団員から微かにだけど魔力は残っている。
「ヘラルの能力……とかじゃないよな?」
「……皆さん気をつけてください、これは魔神です……私達が探していた魔物です」
額の汗を拭いながらエレーナが僕達に向けて注意を促す。
魔神……なんて聞いたことがないな、また新敵か。
「……私達って、誰のことですか? エレーナさん」
僕が思わず聞き逃していたことを、イコさんが質問する。何だろう、嫌な予感がする。
「はい。私達クローピエンスの討伐対象です! 向こうからこっちに来てくれるなんて幸運だ。皆さんは団長さんと一緒に倒れている団員さんを連れて逃げてください」
「クロー……ピエンス?」
僕はその発言の意味が分からず、無意識のうちに聞き返していた。
「クローピエンスはこの世界を運営する超精鋭チーム、まだ私は下っ端ですけど、魔神なら一人で倒せますから!」
クローピエンスは僕とヘラルを追いかけている組織で、ヘラルが復讐を遂げたい相手だ。
目の前にいる僕と同じくらいの少女だとしても、いずれは倒さなければいけない敵なんだ。
だけど、今戦わなければいけないのは魔神の方だ。
「エレーナさん、僕達も戦います」
「危険だからさがったほうが──」
「ワタシ達は超強いからね」
「……団員さんは私が避難させます! エレーナさん、二人はとっても強いので心配なさらず」
イコさんは糸を吐き出して団員全員を絡め取り、団長を連れて外に飛び出した。
「ウウッ……グォオオオオオ!」
「魔神が来ます……!! 気を付けてください!」
男達は吸われるように一か所に集まり、その肉体の境目が曖昧になっていく。
ひとりひとりの顔が識別出来なくなるぐらい溶け合って、天井に頭をぶつけると同時に一つの顔が生えてきた。
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