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ステージ2 トリテリア
第36話 奴隷、ほしいやん?
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女が白い糸に縛られて痩せた身体で解こうと藻掻いている様を僕とヘラルは無言で眺め続ける。
そうするとあんなに騒がしかった彼女も冷静さを取り戻しつつあるのか、徐々に声量が落ちていった。
「…………」
「…………」
「…………」
完全な沈黙がこの場に訪れる。女は次第に恥ずかしそうに僕の目を見ては逸らし、気まずい空気が流れていた。
「……僕は天汰です。こっちがヘラルっていう女の子で、まあその……自称悪魔です」
「自称ではないけどね? ワタシが知りたいのはあなたがなんで全裸なのかだけ」
「……え……本当だ、服無い……」
割と普通に女が喋りだしたので驚いたがそれならば都合が良い。
話を聞いてここで起きた事を急いで聞き出すか。
「単刀直入に知りたいんですけど、ここにいる悪魔を教えてください。僕とヘラルで倒します」
「……それは……嫌です。一族の問題を他所に頼ることなど」
「ここにいる僕らは他所者なんかじゃなくなりましたよ。生きて帰るためにこれから運命を共にするんです」
「……まー、そういうことだよ。ワタシが悪魔ってだけで嫌うのは勝手だけど? 天汰は普通に人間だから」
僕とヘラルの説得ですぐに納得してもらえたら嬉しいんだけど、流石に難しいかな。
「……信じていいのですか。私は父に騙され兄に侮辱され、一家から隔離されてきた人生で……そんな私でも信じなければいけませんか?」
「……家族って最高ですよね。僕はテレイオス家についてよく知らないから何も言えない」
「……」
「──だけど、あなたが皆から貰った愛情分くらいは信じてほしいです」
自分でも何を言っているのかちょっと分かりにくくなったが、僕の思う家族愛は伝えられたはずだ。
「……そう、ですか。愛を貰ったこと……あったんですよね、私にも。いつかは」
「……天汰、口説いてる時間ないよ。悪魔が近い」
「……! 逃げて。貴方達殺されますよ……」
「いや……逃げようと思っても出られないんすよね~はは」
「……終わりなんですね」
終わり? 終わりなんかじゃない。
「ヘラル、戦おう。僕には勝つプランは何も無いけどヘラルにはあるんだろ?」
「ワタシ達にしか出来ないからね」
「……本当に戦うんですか?」
「信じて! 倒したら戻ってきますから」
「……はい」
今日一番の彼女の落ち着いた声と優しい目をかけられ僕は安心した。
僕らはぶっ壊した扉から外に出て様子を確認する。
ここも三階と似ていて小部屋に別れている作りに近い。今いた部屋は四隅にあり、中心からは例の気配を感じ取る。
間違いなく、そこに何かがいる。
「直行しようか、天汰」
「うん。【超火炎球】!!」
まずは、様子が見えないので女がいた部屋から少し離れた所から、壁と部屋を壊す為の火炎球を放つ。
ここ最近、魔力の管理もかなり上達したな。
「全部ぶっ壊しちゃったな……見えた」
「……? ちょっと待って天汰。あれ……悪魔か……?」
僕から見えたその姿は、僕のイメージの悪魔から程遠く、かと言ってヘラルのような女の子といった感じでもない本当に不気味なラインの生き物だ。
「……あ、天汰。あれは悪魔じゃない! アクマだ!」
「……は? ふざけんなよ」
「ワタシみたいな本物の悪魔じゃない。昔アクマと呼ばれていた魔物の一種だよ。なんであんな奴が」
「……そうや、ワイはアクマや。今ワイのこと馬鹿にしとったやろ。良くないでそういうの」
「……こんな奴が?」
人間よりも小柄で、しかも人の姿では無い全身黄色の変なアクマは僕を指差して怒る。
こんな奴をテレイオス家は召喚しようとしていたのか?
「しっかし人間って馬鹿ばっかやな~普通こんな胡散臭い格好のワイなんて信じられるわけないやろ」
「……ワタシより醜いしね」
「うっさいわ! ちゅーかあんたがほんもんやろ? なのにワイよりも弱そうやな」
アクマは変な風貌こそしているが、奴から感じるオーラはとてつもなく強大で、もしかしたらヘラル同等もしくはそれを超えているかもしれない。
「おいアクマ。お前がテレイオスの人達を酷い目に遭わせたんだろ! 目的は何だ!」
「目的って……そらワイが扱える手駒が欲しかったんや。悪魔も見たことない奴ら騙すのって簡単なんやで」
「……お前がここに誘導したのかよ。ロゼを騙して、娘を生贄にまでさせたのか」
「んーまあ半分正解やね。ただなあ、駒以外にも、奴隷ほしいやん? 発狂してもうたから暫く放置して心折らせる魂胆やったのに……」
そっと僕は剣を構え、ヘラルに視線を送る。ヘラルは頷き、僕の服の中へ入り込んだ。
「お? なんやなんや、寒いんか?」
「『女神擬きも居れば、悪魔擬きもいる。最悪だね本当』」
「……ヘラル、プランってこれか? 明らかに一度も試したことじゃないのか?」
「『……それは、長く持たないから。お互い』」
最早恒例となったヘラルによる僕の身体の操縦。ヘラルは巧みに僕を操り、走ってアクマに接近していく。
アクマは武器等を持っているようには見えないが、どうやって僕達の攻撃を耐えるんだ。
「『今だ!』」
「【火炎刃】ッ!」
「……舐められたもんやなぁ。ワイはにせもんではないんやで? アクマって魔物や」
「『素手で掴んだ……!?』」
有り得ない! 僕が魔力を剣に纏わせヘラルが振り下ろした攻撃を、片手で楽々と受け止めやがった。
「ホラッ! 【破壊光線】!」
「『ッ……!』」
剣を掴んだままアクマは僕達を投げ飛ばし、もう片方の手から赤色の閃光を放った。
視力が徐々に回復していく中、ヘラルが胸元で痺れを切らして喋り始めた。
「天汰、やっぱりもうやらないと駄目だ。思い出したんだ、ワタシが悪魔だってこと」
「それは最初から言ってただろ!」
「そうじゃなくて! 悪魔っぽいこと……そう、『代償と引き換えに力を得る』ことが出来るって気が付いたんだ!」
「……目の前のアクマと同じこと言ってるが……」
ヘラルのことは信じ続けたが、いまいち信憑性に欠けるな……代償は僕の場合なんだ?
やっぱり記憶とか精神関係だろうか?
「ワタシと天汰なら、ノーリスク契約が出来る!」
「本当だろうな!? なんか騙してないか、そのワード!」
「うん! ワタシの力をより引き出せるようになる。その代わりその身体の部位は無くなるけど」
身体のどこかを捧げる代わりに強力な力を得る。これは目の前のアクマとやってることがそっくりだが、僕の場合は少し違う。
身体が欠けようが勝手に再生してしまうような身体の僕にデメリットなんて存在していなかった。
「分かった。僕は左手を代償にする」
「……痛いよ?」
「来い」
そうするとあんなに騒がしかった彼女も冷静さを取り戻しつつあるのか、徐々に声量が落ちていった。
「…………」
「…………」
「…………」
完全な沈黙がこの場に訪れる。女は次第に恥ずかしそうに僕の目を見ては逸らし、気まずい空気が流れていた。
「……僕は天汰です。こっちがヘラルっていう女の子で、まあその……自称悪魔です」
「自称ではないけどね? ワタシが知りたいのはあなたがなんで全裸なのかだけ」
「……え……本当だ、服無い……」
割と普通に女が喋りだしたので驚いたがそれならば都合が良い。
話を聞いてここで起きた事を急いで聞き出すか。
「単刀直入に知りたいんですけど、ここにいる悪魔を教えてください。僕とヘラルで倒します」
「……それは……嫌です。一族の問題を他所に頼ることなど」
「ここにいる僕らは他所者なんかじゃなくなりましたよ。生きて帰るためにこれから運命を共にするんです」
「……まー、そういうことだよ。ワタシが悪魔ってだけで嫌うのは勝手だけど? 天汰は普通に人間だから」
僕とヘラルの説得ですぐに納得してもらえたら嬉しいんだけど、流石に難しいかな。
「……信じていいのですか。私は父に騙され兄に侮辱され、一家から隔離されてきた人生で……そんな私でも信じなければいけませんか?」
「……家族って最高ですよね。僕はテレイオス家についてよく知らないから何も言えない」
「……」
「──だけど、あなたが皆から貰った愛情分くらいは信じてほしいです」
自分でも何を言っているのかちょっと分かりにくくなったが、僕の思う家族愛は伝えられたはずだ。
「……そう、ですか。愛を貰ったこと……あったんですよね、私にも。いつかは」
「……天汰、口説いてる時間ないよ。悪魔が近い」
「……! 逃げて。貴方達殺されますよ……」
「いや……逃げようと思っても出られないんすよね~はは」
「……終わりなんですね」
終わり? 終わりなんかじゃない。
「ヘラル、戦おう。僕には勝つプランは何も無いけどヘラルにはあるんだろ?」
「ワタシ達にしか出来ないからね」
「……本当に戦うんですか?」
「信じて! 倒したら戻ってきますから」
「……はい」
今日一番の彼女の落ち着いた声と優しい目をかけられ僕は安心した。
僕らはぶっ壊した扉から外に出て様子を確認する。
ここも三階と似ていて小部屋に別れている作りに近い。今いた部屋は四隅にあり、中心からは例の気配を感じ取る。
間違いなく、そこに何かがいる。
「直行しようか、天汰」
「うん。【超火炎球】!!」
まずは、様子が見えないので女がいた部屋から少し離れた所から、壁と部屋を壊す為の火炎球を放つ。
ここ最近、魔力の管理もかなり上達したな。
「全部ぶっ壊しちゃったな……見えた」
「……? ちょっと待って天汰。あれ……悪魔か……?」
僕から見えたその姿は、僕のイメージの悪魔から程遠く、かと言ってヘラルのような女の子といった感じでもない本当に不気味なラインの生き物だ。
「……あ、天汰。あれは悪魔じゃない! アクマだ!」
「……は? ふざけんなよ」
「ワタシみたいな本物の悪魔じゃない。昔アクマと呼ばれていた魔物の一種だよ。なんであんな奴が」
「……そうや、ワイはアクマや。今ワイのこと馬鹿にしとったやろ。良くないでそういうの」
「……こんな奴が?」
人間よりも小柄で、しかも人の姿では無い全身黄色の変なアクマは僕を指差して怒る。
こんな奴をテレイオス家は召喚しようとしていたのか?
「しっかし人間って馬鹿ばっかやな~普通こんな胡散臭い格好のワイなんて信じられるわけないやろ」
「……ワタシより醜いしね」
「うっさいわ! ちゅーかあんたがほんもんやろ? なのにワイよりも弱そうやな」
アクマは変な風貌こそしているが、奴から感じるオーラはとてつもなく強大で、もしかしたらヘラル同等もしくはそれを超えているかもしれない。
「おいアクマ。お前がテレイオスの人達を酷い目に遭わせたんだろ! 目的は何だ!」
「目的って……そらワイが扱える手駒が欲しかったんや。悪魔も見たことない奴ら騙すのって簡単なんやで」
「……お前がここに誘導したのかよ。ロゼを騙して、娘を生贄にまでさせたのか」
「んーまあ半分正解やね。ただなあ、駒以外にも、奴隷ほしいやん? 発狂してもうたから暫く放置して心折らせる魂胆やったのに……」
そっと僕は剣を構え、ヘラルに視線を送る。ヘラルは頷き、僕の服の中へ入り込んだ。
「お? なんやなんや、寒いんか?」
「『女神擬きも居れば、悪魔擬きもいる。最悪だね本当』」
「……ヘラル、プランってこれか? 明らかに一度も試したことじゃないのか?」
「『……それは、長く持たないから。お互い』」
最早恒例となったヘラルによる僕の身体の操縦。ヘラルは巧みに僕を操り、走ってアクマに接近していく。
アクマは武器等を持っているようには見えないが、どうやって僕達の攻撃を耐えるんだ。
「『今だ!』」
「【火炎刃】ッ!」
「……舐められたもんやなぁ。ワイはにせもんではないんやで? アクマって魔物や」
「『素手で掴んだ……!?』」
有り得ない! 僕が魔力を剣に纏わせヘラルが振り下ろした攻撃を、片手で楽々と受け止めやがった。
「ホラッ! 【破壊光線】!」
「『ッ……!』」
剣を掴んだままアクマは僕達を投げ飛ばし、もう片方の手から赤色の閃光を放った。
視力が徐々に回復していく中、ヘラルが胸元で痺れを切らして喋り始めた。
「天汰、やっぱりもうやらないと駄目だ。思い出したんだ、ワタシが悪魔だってこと」
「それは最初から言ってただろ!」
「そうじゃなくて! 悪魔っぽいこと……そう、『代償と引き換えに力を得る』ことが出来るって気が付いたんだ!」
「……目の前のアクマと同じこと言ってるが……」
ヘラルのことは信じ続けたが、いまいち信憑性に欠けるな……代償は僕の場合なんだ?
やっぱり記憶とか精神関係だろうか?
「ワタシと天汰なら、ノーリスク契約が出来る!」
「本当だろうな!? なんか騙してないか、そのワード!」
「うん! ワタシの力をより引き出せるようになる。その代わりその身体の部位は無くなるけど」
身体のどこかを捧げる代わりに強力な力を得る。これは目の前のアクマとやってることがそっくりだが、僕の場合は少し違う。
身体が欠けようが勝手に再生してしまうような身体の僕にデメリットなんて存在していなかった。
「分かった。僕は左手を代償にする」
「……痛いよ?」
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