あなたとの出逢いに感謝を

yuto

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第1章

第3話

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それから程なくして戦争は始まった。
きっかけは自国の先遣隊の全滅であった。

和平交渉という体の良い謳い文句とともに
隣国に入った先遣隊は国境を超えた少し先で
野営中に闇討ちにあった。

との報告がこちらに来たが実際のところは
どうであったかは定かでない。

定かではないが自軍の隊がやられたというのは
事実らしいのでこれでもう火種は出来上がってしまった。

そこからの展開は早かった。

両国の国境周辺あるいは近辺の集落は
それはもう酷い戦場となった。

斯く言う私も戦場に駆り出され
自国の名誉の為に戦い、着々と戦果を挙げた。

始まって3年程だろうか・・・

どちらの国もかなりの被害が重なり、
どちらからともなく停戦という名の冷戦に入った。

ただ、調停を交わした訳ではないので
無闇に両国間を刺激しなくなっただけであった。

そんな中、私は戦争での功績が評価されて
大隊の一つを任されていた。

正直に言うと、あの良くしてくれていた先輩を
抜かしてしまった。

度重なる業務と大隊の責任と先輩への
気まずさに、
あの先輩とは距離を置くようになり、
宿舎を変わったこともあって会うことは
この2年の間に無くなった。

これが恐らく私の人生の中で2番目の
大きな間違いであっただろう・・・

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