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最終話
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ノーマン家は、没落した。
爵位、財産没収。
ノーマン伯は投獄され、アンジェリカ嬢は修道院送りとなった
✳︎✳︎✳︎
私は久々に亡くなる間際の母の夢を見た。
「ソフィア
あなたはきっと幸せになれるから。
だから約束して。
どんな事があっても、誰かを恨んだりしな
いで。
憎しみは憎しみを呼ぶから。
心を強く持って。
あなたは、望まれて生まれてきたのだから」
『お母さん!』
夢の中の母へ手を伸ばそうとした所で、がばりと上体を起こし飛び起きた。
幾度となく繰り返し見ていた夢。
いつも最後の部分がずっと思い出せなかった。
ひとすじの涙が頬を伝う。
深い愛情を注いでくれていたのだと実感する。
理不尽な嫌がらせを受けて、お母さんもず
っと耐えていたんだね。
お父さんはお母さんのことを大切に想っていたんだね。
だから全てを捨ててもお母さんを追いかけ
たんだね
そして私が生まれた…。
父の記憶は全くない。
お父さんのことを尋ねても、いつも何かと
はぐらかされていた。
名前すらも知らなかった。
いつも哀しそうな顔をするから、触れてはいけないことだと幼いながらも思っていた。
私の存在を、父の家の人達に知られないために隠していたんだね。
ねぇお母さん、
お母さんは幸せだった?
お父さんはどうして亡くなったの?
沢山聞きたいことがあるのに…
でも、安心してお母さん
これからは
私も、前を向いて生きていきます。
そう改めて心に固く誓った。
✳︎✳︎✳︎
『ようこそ。三日月亭へ。ご宿泊は何日ですか?』
「ソフィア、こっちもお願い」
『はい、ルイーザさん。』
以前と変わらず、私は三日月亭で働かせてもらっている。
私は、フォルスター家にとっては危うい存在のようで、まだ誰にも口外しないようにと口止めされている。
ルイーザさん達にも、まだ話せていない。
忙しい日々を送る中で、時が過ぎるのは本当に早く感じる。
「ソフィア、あんたに手紙を渡すように頼まれてたんだった。今日はもう上がっていいよ」
『ありがとうございます。お疲れ様でした。お先に失礼します』
私は手紙を受け取り自室へと向かった。
手紙はグレッグ様からだった。
ー今夜迎えに行くー
たったの一文だった。
今夜…今仕事を終えたけど、今からだろうか?
コンコンと窓を叩く音がする。
不思議に思って窓に近づくと、グレッグ様が登って来ていた。
『グレッグ様、ここ2階ですけど。どうやって?』
「ソフィア」
グレッグ様は声を出さないようにと、唇の前に人差し指を当てて合図する。
「こっそり裏口から出て来れるか?」
黙って頷いたのを確認すると、
グレッグ様は颯爽と飛び降りる。
軽快な動きに見惚れてしまう。
はやる気持ちを抑えながら、忍び足で裏口から外へ出る。
グレッグ様は私を見つけると、近づいて来た。
「ソフィア、変わりはないか?」
『はい。グレッグ様もお忙しそうですが大丈夫ですか?』
「あぁ。ちょっと出かけよう。」
『えぇっ?今からですか?』
そう言って私の手を引くと、近くに待機させていた馬の上に抱え上げてもらう。
また抱きすくめられる体勢となり、恥ずかしいやら嬉しいやら自分の気持ちが落ち着かない。
この体勢にはなかなか慣れない。
馬は、街中を抜けて草原を走って行った。
しばらく進むと、湖に辿り着いた。
グレッグ様によって馬から抱え降ろしてもらう。
湖面には月が映っていた。
街中とは違い、月明かりのみで照らされた風景は幻想的だった。
「ソフィア、突然呼び出してすまない」
グレッグ様は私を湖のほとりへと誘なう。
「今走って来た方角の、あの辺りの邸が見えるか?」
私は指差された方向に目を凝らす。
『はい。小さくですが』
「あれがノーマン邸。もう、ノーマン邸ではないな。こうやって見るととても小さい。」
グレッグ様は一旦馬の元へ向かった。
馬から大きな袋を持って戻ってきた。
「ソフィア、ノーマン邸を捜索したら、フォルスター侯爵家の家紋が入ったものを見つけた。おそらくソフィアの住んでいた家にあったものだろう。これはソフィアのものだ」
グレッグ様より受け取ったものは、蓋に紋章が刻印された時計だった。
「蓋を開けてみて」
言われた通りに蓋を開けると、蓋の内側には、若い男女が赤ちゃんを抱えている肖像画が描かれていた。
『これは、
お母さん!
じゃあ…この人が…』
「あぁ、おそらくロバート殿だろう」
そこには私と顔立ちがよく似た金髪の男性が描かれていた。
『お父さん…』
私は、肖像画を指でそっと撫でる。
『グレッグ様…ありがとうございます』
絵の中の二人は幸せそうに微笑んでいる。
小さな赤ちゃんを大事そうに抱えて。
二人寄り添う姿に思いを馳せる
改めてお礼の言葉を言おうとグレッグ様を見つめると、私の手を取り跪く。
『えっ』
突然のグレッグ様の行動に動揺する。
グレッグ様は袋の中から花束を取り出した。
それは水色の可愛らしいブルースターの花束だった。
「ソフィア。
最初会った時、アンジェリカ嬢含めノーマ
ン伯から守らなければと思った。
今まで保護した者達と同様に接していた。
だが、ソフィアの飾らない素直な心に触
れ、三日月亭で一生懸命働く姿を見て、一
緒に出かけるうちに、いつしか離れたくな
いと思うようになった。
ソフィア、
これからは、私と共に歩んではくれないだ
ろうか。
あなたの側にいたい。
あなたと共にずっと。
どうか私と結婚してもらえないだろうか」
真摯な眼差しで見上げてくるグレッグ様。
嬉しすぎて言葉に詰まる。
グレッグ様には守られてばかりで、迷惑をかけてばかりな気がする
『グレッグさま、
私は…グレッグ様にご迷惑をかけてばかりで。私なんかでは』
「ソフィア。正直に聞かせてくれ。
私のことをどう思っているだろうか? 」
グレッグ様のブルーグレイの瞳が熱を帯びる
抗うことのできない感情に呑まれそうになるけれど、自分はふさわしくないと必死に抑制する
『グレッグ様はとても素敵な方です。
ただ私なんかでは…』
「ソフィア、ソフィアはどうしたい?」
自分の気持ちに正直になっていいのだろうか
グレッグ様はいつも私の気持ちを尊重してくれて、気遣ってくれる。
今迄こんなにも真っ直ぐな優しさを向けてくれた方はいない。
『私は…
私も、
できるなら、グレッグ様と、
一生共にいたいです』
『っ!』
言い終わると同時に、私はグレッグ様に抱きしめられていた。
『グレッグ様、せっかくのお花が、潰れてしまいます』
私は花束を守ろうとした。
グレッグ様は手を少し緩める。
そして私の頬にそっと手を添える。
お互いの気持ちを確かめ合うように熱い視線を絡める。
ゆっくりと二人の距離が近づいていく
私はそっと目を閉じた。
直後唇に柔らかいものが触れる
ブルースターの花言葉は、
幸福な愛、信じ合う心。
私はグレッグ様と共にこれからの未来を築いていく
まだまだ乗り越えなければいけない問題もあるから、心を強くもって、グレッグ様と
共に歩んでいきたい
~第一部 fin ~
ここまでお付き合いいただきまして本当にありがとうございます!
そのうちに第ニ部を更新できたらなと思っています。
爵位、財産没収。
ノーマン伯は投獄され、アンジェリカ嬢は修道院送りとなった
✳︎✳︎✳︎
私は久々に亡くなる間際の母の夢を見た。
「ソフィア
あなたはきっと幸せになれるから。
だから約束して。
どんな事があっても、誰かを恨んだりしな
いで。
憎しみは憎しみを呼ぶから。
心を強く持って。
あなたは、望まれて生まれてきたのだから」
『お母さん!』
夢の中の母へ手を伸ばそうとした所で、がばりと上体を起こし飛び起きた。
幾度となく繰り返し見ていた夢。
いつも最後の部分がずっと思い出せなかった。
ひとすじの涙が頬を伝う。
深い愛情を注いでくれていたのだと実感する。
理不尽な嫌がらせを受けて、お母さんもず
っと耐えていたんだね。
お父さんはお母さんのことを大切に想っていたんだね。
だから全てを捨ててもお母さんを追いかけ
たんだね
そして私が生まれた…。
父の記憶は全くない。
お父さんのことを尋ねても、いつも何かと
はぐらかされていた。
名前すらも知らなかった。
いつも哀しそうな顔をするから、触れてはいけないことだと幼いながらも思っていた。
私の存在を、父の家の人達に知られないために隠していたんだね。
ねぇお母さん、
お母さんは幸せだった?
お父さんはどうして亡くなったの?
沢山聞きたいことがあるのに…
でも、安心してお母さん
これからは
私も、前を向いて生きていきます。
そう改めて心に固く誓った。
✳︎✳︎✳︎
『ようこそ。三日月亭へ。ご宿泊は何日ですか?』
「ソフィア、こっちもお願い」
『はい、ルイーザさん。』
以前と変わらず、私は三日月亭で働かせてもらっている。
私は、フォルスター家にとっては危うい存在のようで、まだ誰にも口外しないようにと口止めされている。
ルイーザさん達にも、まだ話せていない。
忙しい日々を送る中で、時が過ぎるのは本当に早く感じる。
「ソフィア、あんたに手紙を渡すように頼まれてたんだった。今日はもう上がっていいよ」
『ありがとうございます。お疲れ様でした。お先に失礼します』
私は手紙を受け取り自室へと向かった。
手紙はグレッグ様からだった。
ー今夜迎えに行くー
たったの一文だった。
今夜…今仕事を終えたけど、今からだろうか?
コンコンと窓を叩く音がする。
不思議に思って窓に近づくと、グレッグ様が登って来ていた。
『グレッグ様、ここ2階ですけど。どうやって?』
「ソフィア」
グレッグ様は声を出さないようにと、唇の前に人差し指を当てて合図する。
「こっそり裏口から出て来れるか?」
黙って頷いたのを確認すると、
グレッグ様は颯爽と飛び降りる。
軽快な動きに見惚れてしまう。
はやる気持ちを抑えながら、忍び足で裏口から外へ出る。
グレッグ様は私を見つけると、近づいて来た。
「ソフィア、変わりはないか?」
『はい。グレッグ様もお忙しそうですが大丈夫ですか?』
「あぁ。ちょっと出かけよう。」
『えぇっ?今からですか?』
そう言って私の手を引くと、近くに待機させていた馬の上に抱え上げてもらう。
また抱きすくめられる体勢となり、恥ずかしいやら嬉しいやら自分の気持ちが落ち着かない。
この体勢にはなかなか慣れない。
馬は、街中を抜けて草原を走って行った。
しばらく進むと、湖に辿り着いた。
グレッグ様によって馬から抱え降ろしてもらう。
湖面には月が映っていた。
街中とは違い、月明かりのみで照らされた風景は幻想的だった。
「ソフィア、突然呼び出してすまない」
グレッグ様は私を湖のほとりへと誘なう。
「今走って来た方角の、あの辺りの邸が見えるか?」
私は指差された方向に目を凝らす。
『はい。小さくですが』
「あれがノーマン邸。もう、ノーマン邸ではないな。こうやって見るととても小さい。」
グレッグ様は一旦馬の元へ向かった。
馬から大きな袋を持って戻ってきた。
「ソフィア、ノーマン邸を捜索したら、フォルスター侯爵家の家紋が入ったものを見つけた。おそらくソフィアの住んでいた家にあったものだろう。これはソフィアのものだ」
グレッグ様より受け取ったものは、蓋に紋章が刻印された時計だった。
「蓋を開けてみて」
言われた通りに蓋を開けると、蓋の内側には、若い男女が赤ちゃんを抱えている肖像画が描かれていた。
『これは、
お母さん!
じゃあ…この人が…』
「あぁ、おそらくロバート殿だろう」
そこには私と顔立ちがよく似た金髪の男性が描かれていた。
『お父さん…』
私は、肖像画を指でそっと撫でる。
『グレッグ様…ありがとうございます』
絵の中の二人は幸せそうに微笑んでいる。
小さな赤ちゃんを大事そうに抱えて。
二人寄り添う姿に思いを馳せる
改めてお礼の言葉を言おうとグレッグ様を見つめると、私の手を取り跪く。
『えっ』
突然のグレッグ様の行動に動揺する。
グレッグ様は袋の中から花束を取り出した。
それは水色の可愛らしいブルースターの花束だった。
「ソフィア。
最初会った時、アンジェリカ嬢含めノーマ
ン伯から守らなければと思った。
今まで保護した者達と同様に接していた。
だが、ソフィアの飾らない素直な心に触
れ、三日月亭で一生懸命働く姿を見て、一
緒に出かけるうちに、いつしか離れたくな
いと思うようになった。
ソフィア、
これからは、私と共に歩んではくれないだ
ろうか。
あなたの側にいたい。
あなたと共にずっと。
どうか私と結婚してもらえないだろうか」
真摯な眼差しで見上げてくるグレッグ様。
嬉しすぎて言葉に詰まる。
グレッグ様には守られてばかりで、迷惑をかけてばかりな気がする
『グレッグさま、
私は…グレッグ様にご迷惑をかけてばかりで。私なんかでは』
「ソフィア。正直に聞かせてくれ。
私のことをどう思っているだろうか? 」
グレッグ様のブルーグレイの瞳が熱を帯びる
抗うことのできない感情に呑まれそうになるけれど、自分はふさわしくないと必死に抑制する
『グレッグ様はとても素敵な方です。
ただ私なんかでは…』
「ソフィア、ソフィアはどうしたい?」
自分の気持ちに正直になっていいのだろうか
グレッグ様はいつも私の気持ちを尊重してくれて、気遣ってくれる。
今迄こんなにも真っ直ぐな優しさを向けてくれた方はいない。
『私は…
私も、
できるなら、グレッグ様と、
一生共にいたいです』
『っ!』
言い終わると同時に、私はグレッグ様に抱きしめられていた。
『グレッグ様、せっかくのお花が、潰れてしまいます』
私は花束を守ろうとした。
グレッグ様は手を少し緩める。
そして私の頬にそっと手を添える。
お互いの気持ちを確かめ合うように熱い視線を絡める。
ゆっくりと二人の距離が近づいていく
私はそっと目を閉じた。
直後唇に柔らかいものが触れる
ブルースターの花言葉は、
幸福な愛、信じ合う心。
私はグレッグ様と共にこれからの未来を築いていく
まだまだ乗り越えなければいけない問題もあるから、心を強くもって、グレッグ様と
共に歩んでいきたい
~第一部 fin ~
ここまでお付き合いいただきまして本当にありがとうございます!
そのうちに第ニ部を更新できたらなと思っています。
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