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メリッサ様との話しを終えて、退室すると次は旦那様が引きずられるように部屋へと引き込まれていた。

マクスには何も視えていなかったようで、
状況が分からないようだった。

私は、メリッサ様がどれだけ旦那様の事を想っているのかを知ることになった。

単純に容姿に惹かれただけではなくて、子供の頃に言い寄られて困っているところを助けられてからずっと好きだったと。

何度もアプローチするも相手にされず


王命により結婚したけれど、結局閨を共にすることはなかったと

それで、いなくなる時に呪いをかけたと。


でも、すぐに呪いが解けない場合に備えて旦那様が1人になるのがかわいそうで、この部屋にとある魔法をかけていたと。それがこの部屋に入ったマクス達の老化が止まった原因のようだ


色々な話を聞いたけれど、




これは、単純な痴話喧嘩がこじれて…


周囲を巻き込んで被害がでたのでは?

深く考えるのはとりあえずやめよう…

ただ一緒にいるだけでいいとはどういうことなんだろう…?


一ドサッ一

「メリッサ!おいまだ話しが」


旦那様が部屋から投げ出されると、

慌てて自室へ駆け込むと、オルゴールを手に取り私へと渡してくれた。



旦那様は迅速な動きだったけれど、顔つきは引き攣っていた。メリッサ様のおっしゃっていた通り、脅されたのかしら?


それから一一


本当にただ一緒に過ごすだけの日々が続いた。



なるべく普通に接するように気をつけたので、

最初は別々であった食事も一緒にとるよう
になり、

平静を装って世間話をしたりするうちに


旦那様が自分の行いを反省して謝罪をされた

けっして許せることではないけれど、

私は、一緒に過ごすことを受け入れていた

こんな僕を受けいれてくれる君は天使だとか女神だとか、よく分からないことを旦那様は呟いていたけれど

生活音の一部として、気にしないように心がけていた

信じられないことに、一緒に庭園を散歩したりするようになり、
旦那様の笑顔も見ることも日常になった。

あの旦那様が花束をプレゼントしてくれたり、

食事の際はエスコートしてくれたり、

不便はないかなど何かと気にかけてくれる
ようになった

いったい何を考えているのだろうこの方は…



ただ、そういった変わらない日々の中で、月に1度だけ奇妙なことがあった。

毎月、日にちは決まっていないけれど


玄関に1輪の青いコダが置かれているのだ


だれが置いているのか不思議で、気になっていた

旦那様もマクスも料理人のビルも心当たりがないと言っていた

勿論私も心当たりはない。


特にすることもないので、調べることにした。


旦那様とこっそりと張り込みを続けること数日後、

誰も訪れることのない邸に


ある時男の子が門を潜って入ってきた

こっそり様子を窺うと


その男の子は玄関に花を置いていた。

私達は一斉に、飛び出して男の子の行く手を阻んだ
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