婚約者候補は辞退させてくださいませっ!

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4アーサー視点

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ダメだ…。かわいすぎる。

あの輝く髪も、透き通るような肌も、

ブルーの瞳も。私を見て怯える姿も

かわいい。 ついいじめたくなる。


あれは5歳の頃のことだ。

王城へ父親と一緒に来ていたマリーベルを見た時、体に衝撃が走った。

一目惚れだった。彼女は常に使用人達に囲

まれており、侯爵も溺愛しているようだっ

た。

私は父に頼み込み、侯爵とも頻繁に交流を

し、奥方にも贈り物などをしながら、好印

象を与え、外堀を埋めて婚約内定までこぎ

つけた。後は正式発表の時を待つのみ。

だが…マリーベルは心を開いてくれない。

欲を言えば自分のことを好いてほしい。

お茶会という名目で頻繁に会っているもの

の、距離は離れるばかり。

なんとか3ヵ月で距離を縮めたい。

その為にマリーベルの悪い噂をなくさなけ

れば。

だが、やはりどうしてもダメだ。

マリーベル、君を見ると、

どうしても素直になれない。

いじめてしまうのだ……


泣き顔もかわいい。

嘘でもいいからと、言わせてしまった。

「婚約者で嬉しい」と。


君の声で言われて、じんわりと胸が熱くなった。

あぁ、マリーベル。

もっと言ってくれ! 


できれば本心であってくれたら嬉しい



 

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