想っていたのは私だけでした

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「アル」

デーは意を決してアルにガヴェインのことを話すことにした
ゴロンと寝返りを打ちアルに向き合ってはみたものの、返答がない

頭を抱えてウダウダ呟く友の姿に若干引きそうになった

「アル、おいアル、アメ!」

「はっ!で、デー何でしょう」

「お前は…」

アメで振り向くか。そのうち本名を忘れるのでないか。大丈夫であろうか

「アメ、お前がどこまで本気かは分からないが、スミレのこと…もし…報われなくても、無体を働くなよ。お前はまっすぐすぎて気持ちが昂ると暴走しそうだ。仮にも私の護衛騎士だ。騎士としての心構えは忘れるなよ。女性を怖がらせたり、無理矢理自分のものになど…」


「で、殿下、誓って私はそのような不埒な行いは致しません!
殿下は私をなんだと思ってるのですか。
それに何故そこにスミレさんの名前が、彼女は、彼女は、別に、単なる…」


「単なる?お前がそんな思春期の輩みたいだからかえって心配なんだ」

「し、小動物のようなものです」

「は?」

「ですから、ペットのような、こう手に入れて愛でたい。誰にも渡したくない。渡し…たく…ない…???殿下、大変です、私は…人間が動物に見えるのでしょうか」

「お前は…変な性癖があるんじゃないだろうな。いいか、アル、監禁は犯罪だからな。守りたいからと閉じ込めるなよ」

「なっ、ここに一人は危険だから安全な場所にと考えていたところでした。殿下は心も読めるのですか?」

「アル、冗談を言ったのだがお前本気か…ま、まぁ一旦そのことは忘れろ。深く考えるな。
オホン、スミレのことだが…」

咳払いをして気を取りなおして殿下はガヴェインのことをアルに語り初めた
今までのこと、そして今夜向かう場所のことを。

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