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コンコン
アルをノックをした後殿下の後ろに下がる
「はい」
どこか無機質な声が返ってきてガチャリと扉が開いた
先程、変態男を箒で撃退していた女性と同一人物とは思えないほど、その姿は憔悴しきっていた
「まだ、何か?」
室内への侵入を許さないと言わんばかりな に、スミレは扉を5センチほどしか開けないまま応じる
「お嬢さん、そんなに、警戒しないでくれるかな。我々は怪しい物ではない。昨日の…」
「知ってます?本当に怪しい人は怪しく見えないんですって。どこにでもいるような真面目そうな人が平気で人を騙したりするんですって」
スミレは言い終えると、扉を閉めようとした
「ははは、なかなか鋭い事を言う人がいるんだね。誰に教わったのかな~。確かに目立つ容姿でなく地味な者の方が諜報にも向いてるからね」
扉を閉めさせまいと、つま先で扉のストッパーをしながら殿下は続ける
「ガヴェ…昔、親切に教えてくれた人がいるんです!あなた達のような人に騙されないように!」
スミレは扉を閉めようと苦戦した
「殿下の御御足が。失礼」
アルの魔法により、バタンと扉が勢いよく開かれた。
「あっ」
突然扉が開かれたので、一緒に外に出る体勢になるスミレ
それを、抱き止めようとしたアルの腕を
ペシーン!と勢いよくスミレは叩いた。
「ぐわっ」
「変態!」
アルの手を振り叩き、なんとか体勢を立てなおしたスミレ
そして、キッと2人を睨みつけて威嚇する
「いったい、なんなんですか?」
「中へ入れてもらえるかな?」
スミレの返答を待たずに、スタスタと中へ入っていく殿下
「あ、勝手に」
「私も失礼する」
殿下の後に続くようにアルも中へと入っていく。
「はぁ~」
スミレは盛大なため息をついた後、
もうなるようになれ、と2人の後ろに続いた
「突然の訪問を許してほしい」
殿下は、室内の散乱した状態をさっと確認すると、指をパチンと鳴らす。
すると、散乱していた部屋はあるべき物は元通りの場所へと移動して、あっという間に綺麗になった。
「は?え?え?す、すごい! 綺麗になってる魔法?」
驚き戸惑うスミレに、殿下は礼を述べる
「昨日は助けていただき感謝している。
私は"デー''、こっちは"アメ''と言う。
訳あって何も言わずに去ったこと申し訳なく思っている。
危ない目に合わせてすまなかった」
頭を下げるデーにつづき、アメも一緒に頭をさげる
「私からも本当に感謝する」
「危ない目って、あなた達はあの変態の仲間ではないのですよね?
こちらこそ、さっきはありがとうごさいました
デーさんとアメさん……変わった名前ですね」
スミレは2人をまじまじと見た
怪我をした方の瞳は黄金色に輝いて見えた
紫と黄金色の瞳持ち デーとアメ
スミレは2人の不釣り合いな服装と名前に直感した。
これは、追求すると"ヤバイ"案件だと。
関わるまいと決意し、聞き流すことにした
「お礼なら、もう十分いただきました。」
「あ、そうだったこれを」
デーはポケットから小袋を取り出してスミレへと手渡す
「これは、こんなにいただけません!」
先程の金貨の入った小袋だった
「口止め料も入ってると思ってくれていいから。ところで…お嬢さん、つかぬことを尋ねるが、女神の申し子とか聞いたことある?」
無理矢理小袋を手に握らせられたスミレは、間近でデーと名乗る男を見上げる
瞳だけでなく金色に輝く髪は、どこかガヴェインを思い出させる
「い、いいえ、何ですかそれは?」
スミレはふいっと顔を背けて、テーブルの方へと移動した
「そうか、知らないならいい。」
「でん…デー、申し子のこと私から説明させていただきますが」
「いや、いいその話は。アメ、ちょっと外へ出てくる。すぐに戻る」
「で、デー、お供します」
いいから、お前はここで待機しろと言われてアメは困惑して佇んでいた
アルをノックをした後殿下の後ろに下がる
「はい」
どこか無機質な声が返ってきてガチャリと扉が開いた
先程、変態男を箒で撃退していた女性と同一人物とは思えないほど、その姿は憔悴しきっていた
「まだ、何か?」
室内への侵入を許さないと言わんばかりな に、スミレは扉を5センチほどしか開けないまま応じる
「お嬢さん、そんなに、警戒しないでくれるかな。我々は怪しい物ではない。昨日の…」
「知ってます?本当に怪しい人は怪しく見えないんですって。どこにでもいるような真面目そうな人が平気で人を騙したりするんですって」
スミレは言い終えると、扉を閉めようとした
「ははは、なかなか鋭い事を言う人がいるんだね。誰に教わったのかな~。確かに目立つ容姿でなく地味な者の方が諜報にも向いてるからね」
扉を閉めさせまいと、つま先で扉のストッパーをしながら殿下は続ける
「ガヴェ…昔、親切に教えてくれた人がいるんです!あなた達のような人に騙されないように!」
スミレは扉を閉めようと苦戦した
「殿下の御御足が。失礼」
アルの魔法により、バタンと扉が勢いよく開かれた。
「あっ」
突然扉が開かれたので、一緒に外に出る体勢になるスミレ
それを、抱き止めようとしたアルの腕を
ペシーン!と勢いよくスミレは叩いた。
「ぐわっ」
「変態!」
アルの手を振り叩き、なんとか体勢を立てなおしたスミレ
そして、キッと2人を睨みつけて威嚇する
「いったい、なんなんですか?」
「中へ入れてもらえるかな?」
スミレの返答を待たずに、スタスタと中へ入っていく殿下
「あ、勝手に」
「私も失礼する」
殿下の後に続くようにアルも中へと入っていく。
「はぁ~」
スミレは盛大なため息をついた後、
もうなるようになれ、と2人の後ろに続いた
「突然の訪問を許してほしい」
殿下は、室内の散乱した状態をさっと確認すると、指をパチンと鳴らす。
すると、散乱していた部屋はあるべき物は元通りの場所へと移動して、あっという間に綺麗になった。
「は?え?え?す、すごい! 綺麗になってる魔法?」
驚き戸惑うスミレに、殿下は礼を述べる
「昨日は助けていただき感謝している。
私は"デー''、こっちは"アメ''と言う。
訳あって何も言わずに去ったこと申し訳なく思っている。
危ない目に合わせてすまなかった」
頭を下げるデーにつづき、アメも一緒に頭をさげる
「私からも本当に感謝する」
「危ない目って、あなた達はあの変態の仲間ではないのですよね?
こちらこそ、さっきはありがとうごさいました
デーさんとアメさん……変わった名前ですね」
スミレは2人をまじまじと見た
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紫と黄金色の瞳持ち デーとアメ
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これは、追求すると"ヤバイ"案件だと。
関わるまいと決意し、聞き流すことにした
「お礼なら、もう十分いただきました。」
「あ、そうだったこれを」
デーはポケットから小袋を取り出してスミレへと手渡す
「これは、こんなにいただけません!」
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「口止め料も入ってると思ってくれていいから。ところで…お嬢さん、つかぬことを尋ねるが、女神の申し子とか聞いたことある?」
無理矢理小袋を手に握らせられたスミレは、間近でデーと名乗る男を見上げる
瞳だけでなく金色に輝く髪は、どこかガヴェインを思い出させる
「い、いいえ、何ですかそれは?」
スミレはふいっと顔を背けて、テーブルの方へと移動した
「そうか、知らないならいい。」
「でん…デー、申し子のこと私から説明させていただきますが」
「いや、いいその話は。アメ、ちょっと外へ出てくる。すぐに戻る」
「で、デー、お供します」
いいから、お前はここで待機しろと言われてアメは困惑して佇んでいた
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