想っていたのは私だけでした

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「と、いうことがあったのです」

カフェモカを飲みながら、ここに来るまでの経緯を話し終える

「それは大変でしたね。ここなら安全です。一息つかれたら帰り道をお教えしますね。」

「ありがとうございます」

色々なことがありすぎて、スミレは疲弊していた

追いかけられた恐怖もあり、かすかに手先が震えている

「それにしても、あなたはとても綺麗な瞳をお持ちですね」

ふと顔を上げると、女性はじっとこちらを見ていた。まるでこころの中まで見られているような不思議な感覚だった。射抜くようにじっと見つめている  

「ふ、普通です。」

この話題を逸らそらしたくて、ばっと顔を伏せる

「不思議ねぇ、治癒の魔法を使えるのに、黒い瞳だなんて」

「え、えぇ…」

落ち着いてくると、スミレは今まで話したことを後悔し始めた

よく知らない人にどうしてこんな話しをしてしまったのか

知らないからこそ、話せる気やすさがあったのか、

なんにせよ、あまり瞳のことに関しては触れてほしくない

自分だってよく分からないから。

無力の黒い瞳持ちなのに治癒魔法が使える
光魔法使いは保護されると聞くけれど、
大層なことはできないと思う
おまけに黒い瞳
何か変異的なことかもしれないと実験台にでもされたら…

考えただけでも恐ろしい

今の生活は気に入っている
自由を奪われるなんて嫌

お金を貯めいつかガヴェインを…
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