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4春、薬草を煎じてみました

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「今日は薬草を煎じてみようか」

アルカナの花に見とれた数日後、いくつかの薬草を見分けられるようになったので今日は薬草を煎じてみることになりました。
作業台には柳の枝。

「熱冷ましと鎮静剤ですか」
「うん、大正解。やり方はいくつかあるんだけど、魔法はつかえるんだっけ?」
「水魔法は生活程度ですが」
「じゃあ、まず枝から皮を剥いて樹液を集めて。剥いだ皮と枝もその大鍋で煮るから捨てないように。終わったら樹液を灰汁をとりながら煮詰めていくんだ」

柳の枝はしなりがよくて樹液を取った後は編んで籠や小物を作るのに使うらしい。
お貴族様はこれで楊枝を作って歯磨きに使うのがあるステータスになるとか。
枝についていた葉も、陣痛を促す薬の素になると教えてくれた。

「樹液が焦げ付かないように量が少なくなったら少し水を加えてもいい。綺麗に透き通る黄色になるまで練るように煮詰めるんだ」

リーザさんがお手本にと貸してくれた樹液は光に当たるとキラキラと透き通る。
まるで液体の宝石みたいだ。

「まだまだ、頑張ろう」

手元の小鍋にはまだ半透明な液体がとろとろと温められている。
昼からはじめてもうすぐ日が傾いてくる時間だ。
手はずっとかき混ぜながら様子を見るからくたくたで正直しんどい。

「少しお水足そうか」
「はい」
「ずっと立っているのはしんどいだろうから座りながらやるといいよ」

リーザさんがちょうどいい高さの椅子をそっとあてがってくれた。

水を足すとさっきまで出ていなかった灰汁が思い出したかのようにまたわいてくる。

水を加えて灰汁をとることを何度もなんども繰り返し、やっと透き通った頃には空に月が高く上っていた。
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