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出発即魔物と遭遇
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「じゃあ、気を付けていくんだよ」
アリスさんは今朝起きてからずっと、本当にもう出ていくのかと心配された。
私がそこそこスレンダー体型なのが心配らしい。
あまりここに長くいると出ていけなくなるからと振り切ったものの、正直不安は尽きない。
「色々ありがとうございます。それじゃこれで」
森の入り口まで見送られ、一人で歩き出すとすぐに霧が濃くなってきた。
高校の頃、長野の山の方に泊まった朝こんな風に真っ白に霧が立っていたのを思い出した。
その時の霧はとてもすがすがしい物だったけれど、今の霧はちょっとおどろおどろしい気がする。
「それにしても、ほんとうによく見えないな」
歩くことしばらく。
霧が濃くなりすぎて、もうどこを歩いているのか、自分がきちんと道を進めているのかすら危うい。
アリスさんは霧の中を一直線に歩いていけば小屋があると言ったけど、ここはどこだろう。
それでも歩いていると、だんだん霧が薄くなって、その代わり下草の高さが膝位まで上がってきた。
少し視界が開けたことで安心感がある。
「ひっ、なんか踏んじゃった」
何やら柔らかいものを踏んでしまった。
安心して気が緩んだらしい。
「あ、え、待って、やだ、待って」
それは眠っていた獣らしい。眠っているのを無理に起こされたからか、霧でうっすら見える狼のような眼は青く濁っている。
思わずそこから逃げようと、さっきまでの方角も考えられずに走り出す。
あ、森でクマにあったときは背中向けちゃいけないんだっけ?
でもこの後ろからの殺気?怖すぎて無理ー!
アリスさんは今朝起きてからずっと、本当にもう出ていくのかと心配された。
私がそこそこスレンダー体型なのが心配らしい。
あまりここに長くいると出ていけなくなるからと振り切ったものの、正直不安は尽きない。
「色々ありがとうございます。それじゃこれで」
森の入り口まで見送られ、一人で歩き出すとすぐに霧が濃くなってきた。
高校の頃、長野の山の方に泊まった朝こんな風に真っ白に霧が立っていたのを思い出した。
その時の霧はとてもすがすがしい物だったけれど、今の霧はちょっとおどろおどろしい気がする。
「それにしても、ほんとうによく見えないな」
歩くことしばらく。
霧が濃くなりすぎて、もうどこを歩いているのか、自分がきちんと道を進めているのかすら危うい。
アリスさんは霧の中を一直線に歩いていけば小屋があると言ったけど、ここはどこだろう。
それでも歩いていると、だんだん霧が薄くなって、その代わり下草の高さが膝位まで上がってきた。
少し視界が開けたことで安心感がある。
「ひっ、なんか踏んじゃった」
何やら柔らかいものを踏んでしまった。
安心して気が緩んだらしい。
「あ、え、待って、やだ、待って」
それは眠っていた獣らしい。眠っているのを無理に起こされたからか、霧でうっすら見える狼のような眼は青く濁っている。
思わずそこから逃げようと、さっきまでの方角も考えられずに走り出す。
あ、森でクマにあったときは背中向けちゃいけないんだっけ?
でもこの後ろからの殺気?怖すぎて無理ー!
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