聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたｰ腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります！

召喚即聖女になりました。

　クタクタになって電車に乗った後、記憶が飛んだと思ったら何やらファンタジーな世界に来ています。
　新卒一年目の佐藤です。

「ようこそ、聖女様。遠いところからはるばるようこそおいでくださいました。」

　目の前の腹の出た成金を絵にかいたような男いわく、私はここの聖女として召喚されたらしい。
　なんでも国の危機が迫っているとかで、それを防ぐための聖獣を召喚するために聖女が必要なんだとか。
　ホントなら王族から聖女が出るはずなんだけど、素質のある人が出なかったらしい。
　それで最終手段的な感じで私が選ばれた、って言うのがこの人の説明だ。

「それで、聖女様、早速ですが儀式を行っていただけますかな？なに、聖女様であれば難しいことは何一つありません、ささ、こちらへ」

　ここがどこなのかとかほとんど分からないままに服を着替えさせられて召喚の儀式をすることに。

「そなたが此度こたびの我の主か」
「え、はい、そうみたいです」

　現れたのは毛並みがとてもいいモフ心地なんだろうフェンリル。
　確かめちゃくちゃ強いやつなんだよね？

　なのに、終わって後ろを振り向いたらさっきの男がいきなりこう叫んだ。
「勇者様の封じた化け物を召喚しやがった……この裏切り者め‼こいつをとらえろ！こんな汚らわしいやつは国境送りにでもなんでもしてしまえ‼」

　私はあっと言う間もなくぐるぐる巻きにされて、地下の狭い部屋に閉じ込められることになった。