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13話
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この体のいいところは、よく動くところだ。
さっきぶつけたときの痛みはまだ残っているが、山の斜面を登っても膝が痛くならない。
大人の体ではないので歩幅は小さいが、体の節々が痛くならずに歩けることが素晴らしい。
そして月。
満月が辺りを照らしてくれるので、なんとか山を登れている。
その先には、謎の蝶々。
いきなり目の前に現れてから、自分をどこかへ誘導している。
どこへ?恐らく、姉のところだ。
蝶に聞いたわけではないが、しのには確信があった。
あの蝶が現れたのは、自分の背後。
背後には、あのツヅラを保管している押入れがある。
化け物しか出してこない迷惑なツヅラだと思っていたが、こんな器用なこともできたのかと感心した。
ただ、姉を助け出すには何らかの武器がいる。
もしあのツヅラを持って行って化け物を出せば、人さらいに勝てるとは思う。
けれど、ツヅラは自分の体くらい大きく、担いだまま山登りはできない。
なので、竹を割るときに使ったナタと、切った竹を杖くらいの長さにしたものを持ってきた。
竹は山を登るときの杖にも棒の代わりにもなり、ナタは刃物。
どちらも、いざというときの武器になる。
これだけで人さらい達を退けられるとは思わないが、無いよりマシだ。
そうこうしているうちに、視界の先、暗闇の奥に明かりが見えてきた。
どうやら、山の中に開けた場所があり、そこに誰かいるらしい。
「もしかしてあそこに・・・?」
しのが立ち止まると、謎の蝶はしのの周りでクルクルと回り始めた。
明かりはユラユラと揺れているので、焚火をしているのだろう。
その焚火の周りには、何人かの男たち。
暗くて分かりにくいが、背格好と人数から、先程鬼ごっこを繰り広げた人さらい達だと分かる。
それと、徳次の声。
奴は誰かと話しているらしい。
声のする方へ、ゆっくりゆっくり近づく。
ようやく、会話の内容が分かるところまで近づけた。
近くに茂みがあるとはいえ、少しでも音を立てると気付かれてしまう。
体を低くし、音を立てないよう慎重に動きながら、姉がどこにいるか探す。
ぐるりと見渡してみるが、いない。
では、木の陰か?
こういうとき、逃げないように拘束されているとは思うが・・・
「いた」
徳次と一緒にいる男の後ろの木。
その根本に姉が座っていた。
しのがいる位置から顔を見ることはできないが、間違いなくときだ。
姉の無事を確認でき、嬉しくて思わず涙が出てしまう。
ボサボサの髪を整えずそのままにし、うつむいている姉。
その手には縄がかけられ、縄の先は木に繋がっている。
男の隙をついて縄を切り、逃げることもできそうだが、視線鋭く周囲を見回しているので、一瞬たりとも異変を見逃さない気迫があった。
「こりゃあ厳しいな」
多少隙があれば姉が逃げやすいよう、色々と行動できるのだが、相手はそんな暇を与えてくれそうにない。
何より、姉は諦めているように見える。
ちょこんと座った姉はピクリとも動かず、気力を感じられない。
妹を助けるために自ら捕まったことで、逃げることを諦めているのかもしれない。
姉の姿は確認できた。
ではどう助けるか?
人さらいは5人、そして徳次がいる。
6人もの男たちの目をかいくぐって姉を連れ出すのは、簡単ではない。
何より、6人全員の注意を逸らす必要がある。
「何かで注意を逸らす・・・人数は減るからその隙に縄を切って・・・」
どんな方法でもいい、全員の目を姉から逸らす方法は・・・
考えている時、徳次の声が聞こえた。
奴は、自分の取り分について話しているらしい。
「だから、大金をくれと言っているわけではないんですよ。今回の件、俺がいなけりゃ、今頃村人に捕まって全員お縄だったかも知れない。その感謝の気持ちがあるなら、色を付けて欲しいって言ってるんですよ、お頭さん。」
「全く、抜け目のない野郎だ。それに関してはあの娘を売った後だ、今は手持ちがなくて払えない」
「そんなの分かってますって、だから無理やりにでもときちゃんを手に入れたかったんでしょう。けどね、こっちも商売だ。いつ貰えるか分からない金を、いつまでも待っているわけにはいかない。」
「そりゃそうだが・・・」
「なら、今すぐ払ってくださいよ。もしあんたらがときちゃんを売る前に捕まりでもしたら、俺も一緒に捕まってもおかしくない。そうなる前に、あんたらとおさらばしたいんですよ」
「そりゃそっちの都合だろ、ないものはないんだ。とにかく待て」
「それこそお頭さんの都合でしょう、手下の手当のための金が欲しいからって、しぶらないでください」
怒鳴り合ってはいないが、そこそこ不穏である。
要は、徳次はときを捕まえるために協力した報酬について交渉しているのだが、人さらいの頭は今は払えないから待て、いいや待てないすぐ払え、の応酬になっているのだ。
・・・そんなの、仕事前にしっかり決めておけよ。
「だいたい、お前さんがいきなりやってきて捕まえたんだろ、そんなことするなんて打ち合わせには無かった。打ち合わせで決まった内容以外のことをされても困る」
「彼女を捕まえられなかったら、もっと困ることになったでしょう。何もときちゃんを売った金を全部寄越せとは言っていない、分け前以外にちょっとだけおまけが欲しいと言っているんですよ」
「事前に聞いていない仕事をされても迷惑なだけだ、よって、前に決めた内容の金のみだ」
「あのねぇ!」
珍しく、徳次が声を荒げた。
自分の交渉が上手くいかず、イライラしているのかも。
ときを捕まえるのに協力したのは確かだが、徳次はその行動に対する交渉を事前に行っていなかった。
そして、お頭さんは交渉で決まった分しか用意していないのに、それ以上を要求されている。
これは、徳次が欲を出して動いたせいで、面倒なことになっているのだ。
「都合がいい」
周りにいる手下はともかく、徳次とお頭は交渉で気が立っている。
この調子だと、いつか殴り合いが始まるかもしれない。
そうなったら好都合、姉から注意を逸らす絶好の機会だ。
そうなる前に、姉を徳次とお頭から遠ざける方法を考えなくては。
人さらい達から見えない所まで後ろに下がり、あぐらで作戦を考える。
まず、お頭と徳次を二人きりにすれば、姉を監視する目が無くなる。
問題は、手下だ。
4人の手下を何とかおびき寄せ、姉がいる所に近づかないようにしなければ。
だが、4人全員を離れさせる方法なんてあるのか・・・?
上手い考えが浮かばず、その場を立ってウロウロ歩き回る。
すると、斜面の下、自分が登ってきた方からいくつかの明かりが見えた。
明かりは、村の方まで続いている。
「あれは・・・松明の明かりか?なら、村人がこっちへ向かっている・・・?」
明かりは、ユラユラといくつかの集団に分かれて山を登っていた。
まるで、何かを探しているようだ。
では、村人が山を登る理由とは?
「ねえちゃんを探しているのかも」
人さらいから姉を奪い返すために、やって来たのかもしれない。
その時、ある考えが浮かんだ。
村人が登ってくる状況を上手く使い、姉を連れ出す方法。
「でも、これで上手くいくのか?」
いい方法だと思ったと同時に、なぜか震えが来た。
お頭と呼ばれている男は、刀を持っている。
もし、刀を突き付けられたら終わりだ。
勝てる見込みはない。
けれど、それをやらない理由にはできないだろう?
持っていた竹をギュッと握りしめ、震えを抑える。
自分はいつからこんな人間になったんだろう。
こんなの、自分にとって何の得にもなりゃしないのに。
無駄に終わるかもしれないのに、どうして震えるのを堪えようと必死になるのか。
「ねえちゃんが、いなくなる方がよっぽど嫌だ」
自分はとんでもないお人好しになっちまった。
前は、自分の何かを他人のために投げ出すことなんてなかった。
それとも、もっと強欲になっただけか。
「強欲じゃなけりゃ、自分を危険にさらすなんてできないよな」
前の自分が今の自分の姿を見たら、バカにするだろう。
でも、今のアタイも悪くない。
体の震えは止まった。
アタイは握っていた竹を横にし、ナタでコンコンと短く切り始めた。
この音で、手下の誰かが寄ってくるはずだ。
あの蝶はいつの間にか姿を消している。
さあ、いつでも来い。
さっきぶつけたときの痛みはまだ残っているが、山の斜面を登っても膝が痛くならない。
大人の体ではないので歩幅は小さいが、体の節々が痛くならずに歩けることが素晴らしい。
そして月。
満月が辺りを照らしてくれるので、なんとか山を登れている。
その先には、謎の蝶々。
いきなり目の前に現れてから、自分をどこかへ誘導している。
どこへ?恐らく、姉のところだ。
蝶に聞いたわけではないが、しのには確信があった。
あの蝶が現れたのは、自分の背後。
背後には、あのツヅラを保管している押入れがある。
化け物しか出してこない迷惑なツヅラだと思っていたが、こんな器用なこともできたのかと感心した。
ただ、姉を助け出すには何らかの武器がいる。
もしあのツヅラを持って行って化け物を出せば、人さらいに勝てるとは思う。
けれど、ツヅラは自分の体くらい大きく、担いだまま山登りはできない。
なので、竹を割るときに使ったナタと、切った竹を杖くらいの長さにしたものを持ってきた。
竹は山を登るときの杖にも棒の代わりにもなり、ナタは刃物。
どちらも、いざというときの武器になる。
これだけで人さらい達を退けられるとは思わないが、無いよりマシだ。
そうこうしているうちに、視界の先、暗闇の奥に明かりが見えてきた。
どうやら、山の中に開けた場所があり、そこに誰かいるらしい。
「もしかしてあそこに・・・?」
しのが立ち止まると、謎の蝶はしのの周りでクルクルと回り始めた。
明かりはユラユラと揺れているので、焚火をしているのだろう。
その焚火の周りには、何人かの男たち。
暗くて分かりにくいが、背格好と人数から、先程鬼ごっこを繰り広げた人さらい達だと分かる。
それと、徳次の声。
奴は誰かと話しているらしい。
声のする方へ、ゆっくりゆっくり近づく。
ようやく、会話の内容が分かるところまで近づけた。
近くに茂みがあるとはいえ、少しでも音を立てると気付かれてしまう。
体を低くし、音を立てないよう慎重に動きながら、姉がどこにいるか探す。
ぐるりと見渡してみるが、いない。
では、木の陰か?
こういうとき、逃げないように拘束されているとは思うが・・・
「いた」
徳次と一緒にいる男の後ろの木。
その根本に姉が座っていた。
しのがいる位置から顔を見ることはできないが、間違いなくときだ。
姉の無事を確認でき、嬉しくて思わず涙が出てしまう。
ボサボサの髪を整えずそのままにし、うつむいている姉。
その手には縄がかけられ、縄の先は木に繋がっている。
男の隙をついて縄を切り、逃げることもできそうだが、視線鋭く周囲を見回しているので、一瞬たりとも異変を見逃さない気迫があった。
「こりゃあ厳しいな」
多少隙があれば姉が逃げやすいよう、色々と行動できるのだが、相手はそんな暇を与えてくれそうにない。
何より、姉は諦めているように見える。
ちょこんと座った姉はピクリとも動かず、気力を感じられない。
妹を助けるために自ら捕まったことで、逃げることを諦めているのかもしれない。
姉の姿は確認できた。
ではどう助けるか?
人さらいは5人、そして徳次がいる。
6人もの男たちの目をかいくぐって姉を連れ出すのは、簡単ではない。
何より、6人全員の注意を逸らす必要がある。
「何かで注意を逸らす・・・人数は減るからその隙に縄を切って・・・」
どんな方法でもいい、全員の目を姉から逸らす方法は・・・
考えている時、徳次の声が聞こえた。
奴は、自分の取り分について話しているらしい。
「だから、大金をくれと言っているわけではないんですよ。今回の件、俺がいなけりゃ、今頃村人に捕まって全員お縄だったかも知れない。その感謝の気持ちがあるなら、色を付けて欲しいって言ってるんですよ、お頭さん。」
「全く、抜け目のない野郎だ。それに関してはあの娘を売った後だ、今は手持ちがなくて払えない」
「そんなの分かってますって、だから無理やりにでもときちゃんを手に入れたかったんでしょう。けどね、こっちも商売だ。いつ貰えるか分からない金を、いつまでも待っているわけにはいかない。」
「そりゃそうだが・・・」
「なら、今すぐ払ってくださいよ。もしあんたらがときちゃんを売る前に捕まりでもしたら、俺も一緒に捕まってもおかしくない。そうなる前に、あんたらとおさらばしたいんですよ」
「そりゃそっちの都合だろ、ないものはないんだ。とにかく待て」
「それこそお頭さんの都合でしょう、手下の手当のための金が欲しいからって、しぶらないでください」
怒鳴り合ってはいないが、そこそこ不穏である。
要は、徳次はときを捕まえるために協力した報酬について交渉しているのだが、人さらいの頭は今は払えないから待て、いいや待てないすぐ払え、の応酬になっているのだ。
・・・そんなの、仕事前にしっかり決めておけよ。
「だいたい、お前さんがいきなりやってきて捕まえたんだろ、そんなことするなんて打ち合わせには無かった。打ち合わせで決まった内容以外のことをされても困る」
「彼女を捕まえられなかったら、もっと困ることになったでしょう。何もときちゃんを売った金を全部寄越せとは言っていない、分け前以外にちょっとだけおまけが欲しいと言っているんですよ」
「事前に聞いていない仕事をされても迷惑なだけだ、よって、前に決めた内容の金のみだ」
「あのねぇ!」
珍しく、徳次が声を荒げた。
自分の交渉が上手くいかず、イライラしているのかも。
ときを捕まえるのに協力したのは確かだが、徳次はその行動に対する交渉を事前に行っていなかった。
そして、お頭さんは交渉で決まった分しか用意していないのに、それ以上を要求されている。
これは、徳次が欲を出して動いたせいで、面倒なことになっているのだ。
「都合がいい」
周りにいる手下はともかく、徳次とお頭は交渉で気が立っている。
この調子だと、いつか殴り合いが始まるかもしれない。
そうなったら好都合、姉から注意を逸らす絶好の機会だ。
そうなる前に、姉を徳次とお頭から遠ざける方法を考えなくては。
人さらい達から見えない所まで後ろに下がり、あぐらで作戦を考える。
まず、お頭と徳次を二人きりにすれば、姉を監視する目が無くなる。
問題は、手下だ。
4人の手下を何とかおびき寄せ、姉がいる所に近づかないようにしなければ。
だが、4人全員を離れさせる方法なんてあるのか・・・?
上手い考えが浮かばず、その場を立ってウロウロ歩き回る。
すると、斜面の下、自分が登ってきた方からいくつかの明かりが見えた。
明かりは、村の方まで続いている。
「あれは・・・松明の明かりか?なら、村人がこっちへ向かっている・・・?」
明かりは、ユラユラといくつかの集団に分かれて山を登っていた。
まるで、何かを探しているようだ。
では、村人が山を登る理由とは?
「ねえちゃんを探しているのかも」
人さらいから姉を奪い返すために、やって来たのかもしれない。
その時、ある考えが浮かんだ。
村人が登ってくる状況を上手く使い、姉を連れ出す方法。
「でも、これで上手くいくのか?」
いい方法だと思ったと同時に、なぜか震えが来た。
お頭と呼ばれている男は、刀を持っている。
もし、刀を突き付けられたら終わりだ。
勝てる見込みはない。
けれど、それをやらない理由にはできないだろう?
持っていた竹をギュッと握りしめ、震えを抑える。
自分はいつからこんな人間になったんだろう。
こんなの、自分にとって何の得にもなりゃしないのに。
無駄に終わるかもしれないのに、どうして震えるのを堪えようと必死になるのか。
「ねえちゃんが、いなくなる方がよっぽど嫌だ」
自分はとんでもないお人好しになっちまった。
前は、自分の何かを他人のために投げ出すことなんてなかった。
それとも、もっと強欲になっただけか。
「強欲じゃなけりゃ、自分を危険にさらすなんてできないよな」
前の自分が今の自分の姿を見たら、バカにするだろう。
でも、今のアタイも悪くない。
体の震えは止まった。
アタイは握っていた竹を横にし、ナタでコンコンと短く切り始めた。
この音で、手下の誰かが寄ってくるはずだ。
あの蝶はいつの間にか姿を消している。
さあ、いつでも来い。
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