透明な心にて

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23話

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夜飯の後、齋藤教授は冬空と風馬と齋藤助教を連れて、最上町の家に向かった。きららは、明日、齋藤助教と会う約束をして帰った。賑やかだった部屋が一気に静かになり、寂しくなったパク教授はキッチンに入る。冷蔵庫には齋藤教授が色んなおかずをいっぱい作り置きしておいた。シンクも綺麗に掃除されて、いい匂いがする。齋藤教授のお陰でキッチンが綺麗になって1週間も食べられるおかずもあって、何か胸底が痒くなり心が綻んだ。

47歳のパク教授は3月初めて齋藤教授を見て、一目惚れしちゃった。誰もが見れば、その美しいさに呑まれるはずだ。二人の子供のシングルマザーで、父親に関しては何も知られていない。外国人なのに、日本国籍だ。何か事情があるみたいで、過去に関しては何も訊けない。

パク教授の父親は韓国人で、母親が日本人だ。韓国のソウル市で貿易会社を経営していた父親は出張で行った東京の取引先で、秘書だった母親に出会い、恋に落ちた。二人は国際結婚をして、母親は東京の会社を退職し、ソウルに渡った。

幸せに満ち溢れた生活は長く続かなかった。父親の仕事を助けていた母親が脊髄小脳変性症を発症し、父親は母親の治療のために、アメリカの専門病院に行って、手術や治療を積極的に受けさせたが、10年間の闘病の末、母親は亡くなった。パク教授が12歳の時だった。

母親が最期は故郷の山形市で過ごしたいと願ったので、故郷に来て2か月後、母親は虚しく命を落とした。当時12歳だったパク教授は母親の葬儀後、父親が韓国に帰るけれど、母親から離れたくないと言って、日本の祖父の元に残った。市役所の公務員だった祖父は、祖母が病気で早く死んで、続けて一人娘も難病で死んでしまって、とても悲しかった。ですが、祖父は一人ではなかった。可愛い孫がいたから、孫に精一杯の愛情を注いだ。

祖父は老衰で既に亡くなられて、現在77歳になった父親は、63歳で再婚した義母と仲良くソウル市で静かに暮らしている。

パク教授は12年間の辛い結婚生活を耐えて、6年前に離婚をした。大学院で博士を取って先輩の翻訳会社へ就職し、直ぐに結婚した。妻は大学のテニスサークルの後輩で、すぐ打ち解けて仲良くなり付き合う運びになった。彼女は気が強めでハキハキしている元気な人だった。法学部を首席で卒業し、1年間の司法修習を修了してから弁護士になった妻は仕事中毒の有能なキャリアウーマンだった。

明るくて毒舌で本音をズバズバ言う妻はとても進取的な女性で、魅力が溢れていた。ベータ性なのに、背丈が175センチで高く、凛とした知的な容姿のパワフルなオーラがあった。結婚3年目に、やっと妻が妊娠した。でも、過労で体調を崩して妊娠14週目で流産した。

3度目の流産の後、妻はもう妊娠を諦めて仕事だけに集中した。いつからかは知らないけど、二人は会う時間も話す時間も無くなって溝が深くなった。

妻は山形テレビの某番組に出演して弁護士としての名を馳せていた。お互いに尊重はしていたが、関心がなくなった。3度目の流産後、妻とのセックスレスな生活が続いた。妻が頑なにセックスを断り、別で寝るようになった。パク教授は教授の傍ら韓国小説の翻訳家としても活躍して、第33回日本翻訳大賞を受賞した。二人とも仕事三昧だった。

結婚13周年の記念日になる前、妻から突然離婚を切り出された。離婚はしたくなかったパク教授は妻を説得したけど、妻はもう愛はないので、それぞれの人生を生きようと言った。絶望に暮れて離婚に応じなかったパク教授をおいて、結局妻は既に纏めた自分の荷物を持って家を出た。

その後、妻から離婚届が郵送されてきた。1か月間みっちり悩んだ末に、パク教授は離婚届に署名押印して妻に郵送した。これが終わりだ。妻とは二度と会うことはなかった。中学2年生で初恋の女性と付き合って彼女が高校2年生頃、イギリスへ留学し、別れてから大学2年生で後輩の妻と出会い恋に落ちた。愛し合った淡い青春だった。

何時から妻の心が離れて行ったか。。。切ない気持ちで復縁の可能性を模索したが、よりを戻すことはできなかった。自分もいつからか自己中心的で気難しい妻を愛せなかったと自覚したからだ。

昨夜、齋藤助教は齋藤教授の家で泊まらせて貰った。冬空と風馬が眠りについた後、齋藤教授に勉強と進路について相談した。やっぱり優しい齋藤教授は齋藤助教の悩みを真剣に聞いて、誠心誠意でアドバイスしてくれた。12月28日、齋藤助教は早朝から冬空と風馬といっぱい遊んだ後、齋藤教授がくれた柿のお土産を持って、きららに会いに電車に乗って新庄駅に向かう。可愛い冬空と風馬と別れるのは名残惜しかった。銀世界の雪景色を楽しみながら新庄駅に着いたら、出迎えたきららが待っていた。

ニコニコの二人は新庄駅周辺のラーメン屋に入る。きららは自分をありのままに、男友達として受け入れてくれる齋藤翼が好きだ。女性みたいな容姿で周りから舐められてきたけれど、齋藤翼は普通の友達として接してくれる。容姿や小柄について一言も言われなかった。

美味しい匂いが漂う店は満席だった。15分ほど待たされてから入れた。齋藤助教は豚骨ラーメンとチャーハンセットを、きららは味噌ラーメンとギョーザセットを注文した。齋藤助教がチャーハンを半分分けて取り皿に盛ってきららに渡す。きららも5つのギョーザの中、3つを取って齋藤助教の取り皿に盛った。

齋藤助教はルイス教授の複数のセミナーの準備で、クリスマスも忙しくて遊べなかったことを話し、きららは齋藤教授はセミナーの参加を控えているので、そんなに忙しくはないと言う。

二人は美味しく食べ終えてラーメン屋を出て、近所のカフェに向かう。齋藤翼ときららは金銭的に余裕がないから、外食は滅多にしないけれど、好きな友人とのちょっとの贅沢で幸せな気持ちになった。

二人はカフェで温かいコーヒーを飲みながら、勉強のことや翻訳のアルバイトのことに関して話し合う。齋藤翼ときららはフランス語の翻訳のアルバイトをしている。たくさんの話を分かち合った後、ふわふわとやわらかな雪が舞い降りる街を二人は本屋まで散歩する。

齋藤助教は今晩はきららのアパートで泊まらせてもらうことになっている。二人は本屋で多様な本を見てから、隣のゲームセンターで存分に遊んだ後、きららのアパートに向かう。

きららのアパートは築7年の白とアイボリー色のワンルームで綺麗だ。シングルベッド、本棚、机、テレビ、二人掛けのソファとテーブルが全部だ。勿論、洗濯機と冷蔵庫もある。アイビーとサンスベリアが窓際に綺麗に飾られていた。齋藤助教は初めて入ったきららの部屋が予想通り綺麗に整理されていて、居心地いいだなと思った。

きららが夜飯としてクリームシチューを作ってくれた。野菜がたっぷり入ってコクがあり、凄く美味しかった。食事後、きららが後片付けをしているうちに、齋藤助教は風呂に入る。小さな風呂は真っ白でいい匂いがして、清潔感があった。

齋藤助教が風呂から出てテレビを見ていたら、片付けを終えたきららが風呂に入る。風呂上がりの二人は、歌番組を見ながら楽しく話し合う。

二人とも、酒は飲まない。きららは高校1年生ごろ、同級生から無理やりお酒を飲まされて、ふらついた際にレイプされた経験から、酒を避けるようになった。齋藤翼は中学1年生ごろ、父親が飲酒運転による事故で亡くなったから、お酒を飲まない。加害者が酒に酔ってバイクに乗り、歩道を歩いていた父親に突っ込んだ。被害者の父親と加害者の青年は病院に運ばれる途中、死亡した。青年は孤児院出身で友達の家に居候していて、所持金もないひどい貧乏だった。

齋藤翼が先に自分の家庭事情を話し出す。高等学校の先生だった両親は真面目で優しかった。父親が交通事故で亡くなった後、母親は病気の祖父の病院代を一人で工面するのが大変になり、とうとう闇金に手を出してしまった。母親は高い金利を払えなくて、遂に売春を始めた。

勉強だけ励んでいて母親の事情を察知できなかった齋藤翼は大学1年生ごろ、母親が急に学校を退職して祖父と同じ年齢のお爺さんと再婚すると言い出し、悲痛に苦しんだ。

ガソリンスタンドを営んでいた継父は母親の常連客だった。母親の事情を聞いて可哀そうだと思われた彼が母親の借金を全部返してくれた。母親は恩返しとして継父と結婚した。母親が43歳で継父は63歳の時だった。

背が低くて無口な継父は真面目な人で母親に優しい。齋藤翼は最初は反対したものの、母親の事情を聞かされて母親の再婚を黙認した。

継父はガソリンスタンドと持ち家を売って、貯金を含む全財産を母親の借金返済にぶち込んだ。継父には離婚した前妻との間に一人娘がいた。当然、彼の娘は猛反対した。でも、継父は母親の借金を全て払って、母親と再婚した。

現在、継父はドラック運転手として働き、母親は塾の先生の仕事をしていて、家賃24万円の3LDKで心臓病の手術を3回も受けた祖父と継父と母親と齋藤翼が一緒に暮らしている。2歳下の妹は銀行員と結婚してコスモス坂のマンションで暮らしている。

齋藤助教の率直な話を静かに聞いていたきららは、齋藤助教なら自分の悲惨な人生を軽蔑しないだろうと思い、自分の話を素直に紡いだ。

きららの悲しい話を傾聴した齋藤翼は涙を堪えて、お前、本当に頑張ったなと言いながら、きららを優しく抱き締める。二人は雪月夜の愁色が深まる中、お互いに慰めたり、励まし合う。二人はお互いを人生の同士で親友だと思い、胸が暖かくほわりと膨らんだ。深夜の1時過ぎ、きららはベットで齋藤翼は床でそれぞれ眠りについた。

ジャンダ教授(齋藤教授)は29日、冬空と風馬とポールを連れてパリに向かう。初めての飛行機の旅行で冬空と風馬はウキウキして喜んだ。

久しぶりのパリの実家は相変わらず、心地よい。冬空と風馬はおじいさんとおばあさんが大好きで、はしゃいだり、お喋りしたり、大笑いしたりして、静かだった家が賑やかになった。冬空と風馬にぞっこんしてるアンナとルイは年末年始のパーティーをキャンセルして家で孫たちと過ごす。ジャンダ教授も心温まる幸せいっぱいな日々を堪能する。

新しい年を迎えて世界中が期待と希望を抱いてウキウキする日々が流れ、1月8日の冬心の22歳の誕生日に、テレビのミュージック番組の生放送に出た冬心はLOVEを初披露する。恋の甘ったるい喜びと好きすぎて感じる儚い想いを歌ったLOVEは、ジャンとの短い恋の物語りだ。

黒いドレスを纏った冬心が腰まで伸びた髪を揺れながら、切なく歌う姿をみた人々は哀れで美しい歌声にすぐ虜になった。音楽番組の終了後、SNSでは歌手、camelliaが作家、椿冬心でデビューの新曲LOVEについての話題が熱狂的にバズっている。

クロードはステージに立って美しく歌う冬心を見て、大物になると確信した。音楽テレビの出演後、複数のテレビ局とラジオ局からの熱いラブコールが殺到した。また、LOVEのミュージックビデオが公開からわずか37時間で10億万回再生を突破した。

英語で歌ったLOVEは、フランスだけではなく世界中で人気を博している。ジャンダ教授を始め、鈴木先生、愛子、樹里、春馬、齋藤助教、望月編集長等々から、歌手デビューのお祝いの電話が来た。

1月16日、冬心はテオを抱いて初めてジャンダ教授の実家を訪れる。パリ7区の富裕層街である立派な邸宅はセキュリティが厳しくて、門を入るのに二人のガードマンからいろいろと確認されてからやっと通された。

久々に会うジャンダ教授は元気で美しい。冬心は嬉しくて涙を零しながらジャンダ教授をひしと抱きしめる。生後8か月のテオは2歳くらいに見えるほど、大きくて逞しい。勿論、風馬も負けないほど、強健だ。優性の形質者の遺伝子だから、運動神経や言語能力も優れている。

テオはブロンドヘアにエメラルドブルー瞳の綺麗な冬空が、おばあちゃんの部屋でみた人形とそっくりだから思わず冬空を抱きついて笑みを含んで言う。

「きれいい。。。ぼく、テオだ。おまえは?」

「にいちゃんをさわるな!はなれろ!」

風馬が咄嗟にテオを力強く引き離して叫んだ。目を丸くしていたジャンダ教授がテオの頭を撫でながら、優しく言う。

「ごめんね、テオ。風馬、優しく言ってください。テオがびっくりするんじゃん。この子はトアって言うの。テオよりお兄ちゃんだよ。こちの子はテオより1か月遅く生まれたフウマだよ。皆で仲良くしてね」

「フウマだ。にいちゃんをさわるな」

風馬が威嚇するような目付きでテオを睨んだ。雰囲気を変えようとジャンダ教授が優しい声音を出す。

「風馬、テオはただ冬空と友達になりたいだけよ。優しくしてね。じゃ、そろそろおやつにしよう」

冬心とジャンダ教授は紅茶を飲みながら、育児や仕事に関して楽しく話の花を穏やかに咲かせる。冬心の新作詩集と歌手デビュー曲、LOVEに興味深かったジャンダ教授がいろいろと質問する。冬心もジャンダ教授の新作”猫のポールの冒険”が挿絵も可愛すぎてとっても面白かったと言う。

お母さんたちが微笑みながら話をしている中、テオと冬空と風馬は子供の歌番組を見ながら、梨のケーキを食べてる。でも、テオは犬や猫が出てくる歌とダンスより、冬空の綺麗な顔をじっと見つめていた。

極優性アルファになるテオの本能が自分の魂の番を自然に感じ取ったのだ。
















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