7 / 83
1章-新たな出会い-
7話 騎士との出会い
しおりを挟む
女神ヴェルサロアの手伝いを了承し異世界へ転生したユリスは育て親にして師匠でもあるサラ・フローウェンとの12年間の修行生活を終えた。
その別れから2年が経ち、ユリスは14歳になっていた。
サラと別れてからというものの、ユリスは家を出発して採集や魔物狩りをしながら最深部に向かい、グリズリートレントを倒してから装置で湖に移動して帰宅という流れのこれまでと変わらない日々を送っていた。
初めは精神的な影響か丸1日かけて何とかできるという感じな上に死に戻りも何度かあったが、今ではガッツリと採集をしておきながらも危なげなく午前中で終わってしまうくらいユリスは強くなっていた。そして残った時間は基礎訓練や生産をして過ごしていた。
そんなユリスの目下の悩みは…
「もう14歳になったし、近いうちに王都に向かって出発したいんだけど、近場の村も王都も…それどころか現在地すらわからないんだよな…
悩んでてても仕方ないし…いつもの行くか」
サラが言った期限の存在もあるため早めに王都へ向かうことに決めたのだが、そこで問題に気づく。そもそも王都の場所を知らないし、家の書物にも地図はない。
近くに人里がある保証もないためにあてのない旅に出るしかなく、なかなか踏ん切りがつかないのだ。
「さて、大体ここらへんの採集も終わったしそろそろボス部屋に向かうか……?」
(…ん?戦闘音がする…誰かいるのか?
もしかしたら……行ってみるか)
最深部へ向かおうとすると、どこからか大きな音が聞こえてきた。ダンジョン内で魔物同士が戦うことはないため、大きな衝撃音がしたということは何者かが戦闘をしているということである。
ならず者である可能性もあるが、相手によっては王都の情報を得られるかもしれないことに気づき、音のする方に向かっていく。その先では騎士のような鎧姿をした人がハードマンティスと呼ばれる蟷螂型の魔物に苦戦していた。
「くっ…!硬すぎるわね。
こいつも剣だけだとほとんど攻撃が通らないなあ…
はあ…MPももう残ってないしどうしようかしら。
目的も果たしてないし、こんなところで死ぬわけには……えっ?」
聞こえてきた口調からしておそらく女性なのだろう。
神造ダンジョンなので死んでも入口に戻るだけだ。しかし、わざわざ人が殺されるシーンを見る気はなかったため、横から割り込んでハードマンティスを殴り飛ばす。
「なんか苦戦してたみたいだし、勝手に手を出したけど大丈夫?」
(見たところ騎士だよな。この森に14年居るけど初めて見たな。
ここが神造ダンジョンってことは全く知られていないってサラが言ってたし、何でこんな深いところに?
…少し探ってみるか)
「え、ええ…子供?何でこんなところに…
というか今殴り飛ばしたよね…?」
自分が苦戦していたハードマンティスを子供が素手で、しかも一撃で倒す光景に混乱しているようだ。
そんな騎士の様子を気にもせず、ユリスは話を進める。
「僕はユリスって言います。
この辺りに住んでるんだけど、あなたは何でこのダンジョンに?」
「えっ?あっ、私はシエラよ。
というかここってダンジョンなの?
…ああそれよりもお礼が先よね。助けてくれてありがとう」
少し落ち着いたのか、シエラは疑問をこぼしながらもお礼を言ってくる。
「私はこの辺にあるって言われている薬草を取りに来たの。
でもまあ見つからない上に迷っちゃってね…魔物と戦いながら彷徨ってたところなのよ。ただ、MPもほとんど使い切っちゃったし、ここの魔物すごい硬いからこれ以上戦うのがキツかったのよね…」
「へー、この辺の薬草かー
確かにこの森は薬草がよく生えているけど…種類も多いし時間かかると思うし、さっきの魔物もまだまだいるよ?」
ユリスは言外に諦めて一旦戻ることを勧める。
「あなた…もしかしてこの森に詳しい?」
「まあそれなりには」
「…どうしても必要なの、あの方を救うためには。
可能性があるなら何をしてでも見つけ出してみせるわ。
それこそ会ったばかりのあなたに頭を下げて手伝いを頼んででもね」
佇まいを直し、真剣な顔でお願いしますと言いながら頭を下げる騎士。
「…いいよ、お手伝いしてあげる。
その代わりというか、少し森の外のことを教えて欲しいんだけど」
(薬草ならうちに沢山あるし、よっぽどのレアものじゃなければすぐ終わるだろう。
無かったとしても休息は必要そうだしとりあえず連れて帰るか)
頑なに探す事を諦めない騎士に根負けしたのか、心に響くものが騎士の言葉のどこかにあったのか、はたまたただの打算か、ユリスは今欲している外の情報を対価に薬草探しを承諾した。
「ほんと!?ありがとう!
私に分かることなら何でも教えてあげるからね。
あ、手伝いついでにもし分かるなら外までの道も教えてくれると嬉しいなあ…なんて」
「ん、それくらいなら問題ないよ。
じゃあ早速うちに行こっか。
…また魔物が来るかもしれないし最深部から転移した方が早いか?」
(うん、今日はまだ倒してないしそうしようか)
「え?家?…あ、ちょっと待ってよー!
なんかこの子見た目は小ちゃくて可愛いのに、雰囲気があまり子供っぽくないんだよなぁ…
…でも悪くはない、かな?」
家に向かうという内容に混乱していてユリスが最後にぼそっと言った内容は聞こえなかったのか、先導し始めるユリスに騎士は慌ててついていく。
そして、なぜ家に向かうのか説明をしながら歩くこと10分くらいで大きな広場に到着。もちろんボス部屋である。
「…ここにユリスくんの家があるの?
なんか奥の方に魔物っぽいのが見えるんだけど…?」
「え?ここはダンジョンのボス部屋だよ?
あそこからだとボス倒して入口に戻った方が家まで近いし」
「…ボス?え?って事は神造ダンジョン?
というか、私もう戦えないってさっき言ったよね?
なんでこの子倒す前提で話してるの?」
ユリスはシエラのもう戦えない発言を聞いてはいたが、どうせ戦うのは自分だしと気に留めていない。
一方でシエラは予想外の事態に混乱しているが、そんなことは気にせずユリスはグリズリートレントに向かっていく。
「『魔纒』発動っと…セイッ!
あとは本体ねー」
そして、スキルを発動すると拳の一撃でクマを破壊してしまう。
その後、近くにあった本体の切り株も蹴り飛ばすと中央に宝箱が1つ出現する。
「…………え?」
「今日は1つかー…何が入ってるかなっと。
なんだまたこれか…最近多いなこれ。
シエラさーん、終わったから奥に行くよー」
ユリスが宝箱から取り出したのはダンジョン構築盤だった。
それを見慣れたとでもいうかのように雑に扱うユリスを見て、シエラはボス戦の事などどうでもよくなり思わず詰め寄ってしまう。
「ちょっ…ちょっと!それってもしかしてダンジョン構築盤じゃないの!?
王城に献上したら陞爵ものよ!?」
「え、え…?そうなの?」
(もしかしたら献上すれば制御機構を使わせてもらえるか?
…ダメだな、王族相手に変に下心があると警戒されてしまうだろうしやめておこう)
「じゃあ持っていっていいよ。たくさん持ってるし」
「たくさん!?
私何もしてないし、貰うわけにはいかないよ!?
いらないなら王都に来た時に献上してもらうからね!」
(む、王都か。とりあえず王都には行っておきたいよな)
王都に来るという表現から目の前の騎士を王都の所属なのだと判断したようだ。
「むー…なら王都まで案内してくれない?
それなら別に献上でも何でも構わないんだけど」
「ええ、もちろん!
いつ頃向かうか後で教えてくれれば森の前までは迎えに来てあげる」
「ん、じゃあその話はまた後で。とりあえず奥に向かうよ。
あ、ついでに祈っていったら?」
一旦、奥の立像のある部屋までいかないと移動装置が出てこないため奥へ向かう。
また、シエラの様子からここまでは来たことがないと判断したのか、ユリスは初回攻略の報酬を貰うために祈るように勧める。
「そうね、それならちょっと待っててもらえる?
………え?何この声?報酬ってどういうことなの?」
「もしかして神造ダンジョンの攻略って初めてだったの?
ダンジョンは初めて攻略した時に各人に報酬がもらえるようになってるみたいだから、目の前の宝箱の中身はもらっておくといいよ
僕はもう貰ってるからそれはシエラさんのだし」
(どうやらこの部屋に入れれば、ボス戦に参加していなくても攻略認定されるようだな。
でも、知らないなら何で祈ったんだ?)
「そうなの?ボス戦参加してないんだけど…うん!まあいっか!ユリスくんありがとね。
中身は水晶…じゃない、何かの紋章かな?…帰ったら鑑定を頼まなきゃ。
…それじゃあ、ユリスくん案内お願いね」
「りょうかーい、じゃあ行こっか」
2人は前の広場に出てきた移動装置に向かい、入口に移動する。
シエラは家のある湖に辿り着いておらず直接転移が出来なかったので、家までの道案内ついでに入口から歩いて行く。
「ほんとにダンジョンだったのねここって。
というか、入口が既に森の中って…これじゃあ境目なんて分からないし調査のしようがないわね。
ねえユリスくん、ここのダンジョンってあの入口以外から入るとどうなるか知ってる?」
「えーと、確かそのままダンジョンに突入することになってたはずだよ。前に試した時はボス部屋までの最短ルートに途中で合流したから、さっきの入口に飛ばされてるってわけでもない。
どれだけの距離があるか分からないけど、多分反対側からも出入り出来るんじゃないかな?
ボス広場も森の端っこって感じでもないし、入口はあくまでダンジョンの装置があるから入口って呼んでるだけだし」
「そっかあ。まあ神造ダンジョンってわかっただけでもかなりの収穫ね。
あれ?でも確か神造ダンジョンってパーティーごとに別の空間に飛ばされるはずだったけど、なんでユリスくんと会えたんだろう?」
「よく分からないけど、周囲の地形と一体化してるし、別空間じゃないのがこのダンジョンの特徴なんじゃないの?全方位から入れるっていうのも珍しいみたいだし」
「それが本当ならこれまでの神造ダンジョンの常識が変わることになるよ…」
そんな雑談をしながらユリスの先導で家に向かい、そして到着する。
その別れから2年が経ち、ユリスは14歳になっていた。
サラと別れてからというものの、ユリスは家を出発して採集や魔物狩りをしながら最深部に向かい、グリズリートレントを倒してから装置で湖に移動して帰宅という流れのこれまでと変わらない日々を送っていた。
初めは精神的な影響か丸1日かけて何とかできるという感じな上に死に戻りも何度かあったが、今ではガッツリと採集をしておきながらも危なげなく午前中で終わってしまうくらいユリスは強くなっていた。そして残った時間は基礎訓練や生産をして過ごしていた。
そんなユリスの目下の悩みは…
「もう14歳になったし、近いうちに王都に向かって出発したいんだけど、近場の村も王都も…それどころか現在地すらわからないんだよな…
悩んでてても仕方ないし…いつもの行くか」
サラが言った期限の存在もあるため早めに王都へ向かうことに決めたのだが、そこで問題に気づく。そもそも王都の場所を知らないし、家の書物にも地図はない。
近くに人里がある保証もないためにあてのない旅に出るしかなく、なかなか踏ん切りがつかないのだ。
「さて、大体ここらへんの採集も終わったしそろそろボス部屋に向かうか……?」
(…ん?戦闘音がする…誰かいるのか?
もしかしたら……行ってみるか)
最深部へ向かおうとすると、どこからか大きな音が聞こえてきた。ダンジョン内で魔物同士が戦うことはないため、大きな衝撃音がしたということは何者かが戦闘をしているということである。
ならず者である可能性もあるが、相手によっては王都の情報を得られるかもしれないことに気づき、音のする方に向かっていく。その先では騎士のような鎧姿をした人がハードマンティスと呼ばれる蟷螂型の魔物に苦戦していた。
「くっ…!硬すぎるわね。
こいつも剣だけだとほとんど攻撃が通らないなあ…
はあ…MPももう残ってないしどうしようかしら。
目的も果たしてないし、こんなところで死ぬわけには……えっ?」
聞こえてきた口調からしておそらく女性なのだろう。
神造ダンジョンなので死んでも入口に戻るだけだ。しかし、わざわざ人が殺されるシーンを見る気はなかったため、横から割り込んでハードマンティスを殴り飛ばす。
「なんか苦戦してたみたいだし、勝手に手を出したけど大丈夫?」
(見たところ騎士だよな。この森に14年居るけど初めて見たな。
ここが神造ダンジョンってことは全く知られていないってサラが言ってたし、何でこんな深いところに?
…少し探ってみるか)
「え、ええ…子供?何でこんなところに…
というか今殴り飛ばしたよね…?」
自分が苦戦していたハードマンティスを子供が素手で、しかも一撃で倒す光景に混乱しているようだ。
そんな騎士の様子を気にもせず、ユリスは話を進める。
「僕はユリスって言います。
この辺りに住んでるんだけど、あなたは何でこのダンジョンに?」
「えっ?あっ、私はシエラよ。
というかここってダンジョンなの?
…ああそれよりもお礼が先よね。助けてくれてありがとう」
少し落ち着いたのか、シエラは疑問をこぼしながらもお礼を言ってくる。
「私はこの辺にあるって言われている薬草を取りに来たの。
でもまあ見つからない上に迷っちゃってね…魔物と戦いながら彷徨ってたところなのよ。ただ、MPもほとんど使い切っちゃったし、ここの魔物すごい硬いからこれ以上戦うのがキツかったのよね…」
「へー、この辺の薬草かー
確かにこの森は薬草がよく生えているけど…種類も多いし時間かかると思うし、さっきの魔物もまだまだいるよ?」
ユリスは言外に諦めて一旦戻ることを勧める。
「あなた…もしかしてこの森に詳しい?」
「まあそれなりには」
「…どうしても必要なの、あの方を救うためには。
可能性があるなら何をしてでも見つけ出してみせるわ。
それこそ会ったばかりのあなたに頭を下げて手伝いを頼んででもね」
佇まいを直し、真剣な顔でお願いしますと言いながら頭を下げる騎士。
「…いいよ、お手伝いしてあげる。
その代わりというか、少し森の外のことを教えて欲しいんだけど」
(薬草ならうちに沢山あるし、よっぽどのレアものじゃなければすぐ終わるだろう。
無かったとしても休息は必要そうだしとりあえず連れて帰るか)
頑なに探す事を諦めない騎士に根負けしたのか、心に響くものが騎士の言葉のどこかにあったのか、はたまたただの打算か、ユリスは今欲している外の情報を対価に薬草探しを承諾した。
「ほんと!?ありがとう!
私に分かることなら何でも教えてあげるからね。
あ、手伝いついでにもし分かるなら外までの道も教えてくれると嬉しいなあ…なんて」
「ん、それくらいなら問題ないよ。
じゃあ早速うちに行こっか。
…また魔物が来るかもしれないし最深部から転移した方が早いか?」
(うん、今日はまだ倒してないしそうしようか)
「え?家?…あ、ちょっと待ってよー!
なんかこの子見た目は小ちゃくて可愛いのに、雰囲気があまり子供っぽくないんだよなぁ…
…でも悪くはない、かな?」
家に向かうという内容に混乱していてユリスが最後にぼそっと言った内容は聞こえなかったのか、先導し始めるユリスに騎士は慌ててついていく。
そして、なぜ家に向かうのか説明をしながら歩くこと10分くらいで大きな広場に到着。もちろんボス部屋である。
「…ここにユリスくんの家があるの?
なんか奥の方に魔物っぽいのが見えるんだけど…?」
「え?ここはダンジョンのボス部屋だよ?
あそこからだとボス倒して入口に戻った方が家まで近いし」
「…ボス?え?って事は神造ダンジョン?
というか、私もう戦えないってさっき言ったよね?
なんでこの子倒す前提で話してるの?」
ユリスはシエラのもう戦えない発言を聞いてはいたが、どうせ戦うのは自分だしと気に留めていない。
一方でシエラは予想外の事態に混乱しているが、そんなことは気にせずユリスはグリズリートレントに向かっていく。
「『魔纒』発動っと…セイッ!
あとは本体ねー」
そして、スキルを発動すると拳の一撃でクマを破壊してしまう。
その後、近くにあった本体の切り株も蹴り飛ばすと中央に宝箱が1つ出現する。
「…………え?」
「今日は1つかー…何が入ってるかなっと。
なんだまたこれか…最近多いなこれ。
シエラさーん、終わったから奥に行くよー」
ユリスが宝箱から取り出したのはダンジョン構築盤だった。
それを見慣れたとでもいうかのように雑に扱うユリスを見て、シエラはボス戦の事などどうでもよくなり思わず詰め寄ってしまう。
「ちょっ…ちょっと!それってもしかしてダンジョン構築盤じゃないの!?
王城に献上したら陞爵ものよ!?」
「え、え…?そうなの?」
(もしかしたら献上すれば制御機構を使わせてもらえるか?
…ダメだな、王族相手に変に下心があると警戒されてしまうだろうしやめておこう)
「じゃあ持っていっていいよ。たくさん持ってるし」
「たくさん!?
私何もしてないし、貰うわけにはいかないよ!?
いらないなら王都に来た時に献上してもらうからね!」
(む、王都か。とりあえず王都には行っておきたいよな)
王都に来るという表現から目の前の騎士を王都の所属なのだと判断したようだ。
「むー…なら王都まで案内してくれない?
それなら別に献上でも何でも構わないんだけど」
「ええ、もちろん!
いつ頃向かうか後で教えてくれれば森の前までは迎えに来てあげる」
「ん、じゃあその話はまた後で。とりあえず奥に向かうよ。
あ、ついでに祈っていったら?」
一旦、奥の立像のある部屋までいかないと移動装置が出てこないため奥へ向かう。
また、シエラの様子からここまでは来たことがないと判断したのか、ユリスは初回攻略の報酬を貰うために祈るように勧める。
「そうね、それならちょっと待っててもらえる?
………え?何この声?報酬ってどういうことなの?」
「もしかして神造ダンジョンの攻略って初めてだったの?
ダンジョンは初めて攻略した時に各人に報酬がもらえるようになってるみたいだから、目の前の宝箱の中身はもらっておくといいよ
僕はもう貰ってるからそれはシエラさんのだし」
(どうやらこの部屋に入れれば、ボス戦に参加していなくても攻略認定されるようだな。
でも、知らないなら何で祈ったんだ?)
「そうなの?ボス戦参加してないんだけど…うん!まあいっか!ユリスくんありがとね。
中身は水晶…じゃない、何かの紋章かな?…帰ったら鑑定を頼まなきゃ。
…それじゃあ、ユリスくん案内お願いね」
「りょうかーい、じゃあ行こっか」
2人は前の広場に出てきた移動装置に向かい、入口に移動する。
シエラは家のある湖に辿り着いておらず直接転移が出来なかったので、家までの道案内ついでに入口から歩いて行く。
「ほんとにダンジョンだったのねここって。
というか、入口が既に森の中って…これじゃあ境目なんて分からないし調査のしようがないわね。
ねえユリスくん、ここのダンジョンってあの入口以外から入るとどうなるか知ってる?」
「えーと、確かそのままダンジョンに突入することになってたはずだよ。前に試した時はボス部屋までの最短ルートに途中で合流したから、さっきの入口に飛ばされてるってわけでもない。
どれだけの距離があるか分からないけど、多分反対側からも出入り出来るんじゃないかな?
ボス広場も森の端っこって感じでもないし、入口はあくまでダンジョンの装置があるから入口って呼んでるだけだし」
「そっかあ。まあ神造ダンジョンってわかっただけでもかなりの収穫ね。
あれ?でも確か神造ダンジョンってパーティーごとに別の空間に飛ばされるはずだったけど、なんでユリスくんと会えたんだろう?」
「よく分からないけど、周囲の地形と一体化してるし、別空間じゃないのがこのダンジョンの特徴なんじゃないの?全方位から入れるっていうのも珍しいみたいだし」
「それが本当ならこれまでの神造ダンジョンの常識が変わることになるよ…」
そんな雑談をしながらユリスの先導で家に向かい、そして到着する。
0
お気に入りに追加
574
あなたにおすすめの小説
転生してギルドの社畜になったけど、S級冒険者の女辺境伯にスカウトされたので退職して領地開拓します。今更戻って来いって言われてももう婿です
途上の土
ファンタジー
『ブラック企業の社畜」ならぬ『ブラックギルドのギル畜』 ハルトはふとしたきっかけで前世の記憶を取り戻す。
ギルドにこき使われ、碌に評価もされず、虐げられる毎日に必死に耐えていたが、憧れのS 級冒険者マリアに逆プロポーズされ、ハルトは寿退社(?)することに。
前世の記憶と鑑定チートを頼りにハルトは領地開拓に動き出す。
ハルトはただの官僚としてスカウトされただけと思っていたのに、いきなり両親に紹介されて——
一方、ハルトが抜けて彼の仕事をカバーできる者がおらず冒険者ギルドは大慌て。ハルトを脅して戻って来させようとするが——
ハルトの笑顔が人々を動かし、それが発展に繋がっていく。
色々問題はあるけれど、きっと大丈夫! だって、うちの妻、人類最強ですから!
※中世ヨーロッパの村落、都市、制度等を参考にしておりますが、当然そのまんまではないので、史実とは差異があります。ご了承ください
※カクヨムにも掲載しています。現在【異世界ファンタジー週間18位】
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
俺の武器が最弱のブーメランだった件〜でも、レベルを上げたら強すぎた。なんか伝説作ってます!?〜
神伊 咲児
ファンタジー
守護武器とは、自分の中にあるエネルギーを司祭に具現化してもらって武器にするというもの。
世界は皆、自分だけの守護武器を持っていた。
剣聖に憧れた主人公マワル・ヤイバーン。
しかし、守護武器の認定式で具現化した武器は小さなブーメランだった。
ブーメランは最弱武器。
みんなに笑われたマワルはブーメランで最強になることを決意する。
冒険者になったマワルは初日から快進撃が続く。
そんな評判をよく思わないのが2人の冒険者。立派な剣の守護武器の持ち主ケンゼランドと槍を守護武器とするヤーリーだった。
2人はマワルを陥れる為に色々と工作するが、その行動はことごとく失敗。その度に苦水を飲まされるのであった。
マワルはドンドン強くなり! いい仲間に巡り会える!
一方、ケンゼランドとヤーリーにはざまぁ展開が待ち受ける!
攻撃方法もざまぁ展開もブーメラン。
痛快ブーメラン無双冒険譚!!
他サイトにも掲載していた物をアルファポリス用に改稿いたしました。
全37話、10万字程度。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる