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第2章/アイシクル王国

第11話/冷たい国

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アイシクル王国。
ここは、世界で1番寒い国であり、永遠に
雪が降り止まない国。
一年に一度も、夏が来る事がなく、人々は
永遠に極寒の中で生活する。

僕らは、レゾット王国を抜けて、この国を
拠点に、冒険者としての活動をする事に
した。

今は夜だ。

「この国には、温かい料理が多いみたいだ
 けど、どんな料理があるのかな…」

僕が料理の話をした瞬間に、フォルトゥーナ
が魔法陣から出てきた。
今回は、ちゃんと足から着地した。

「この国の美味しい料理と言えば、シチュー
 でしょ!さ、早く食べに行こーよー!
 ね、セレネも行きたいでしょ!」

フォルトゥーナ、セレネを使った…

「僕、シチュー苦手なんだけど…」

でも、セレネが”シチューを食べたくない!”
って言えば、大丈夫なはず…

「食べましょうよ!私もシチュー大好き
 ですから!」

あ、終わった。
今日のご飯は、シチューで確定かな。
あぁ、この国に来て最初のご飯が、僕の嫌いな料理だなんて…

*   *   *

この国にある、シチューの店に着いた。

「えっ?メッチャ美味いじゃん!」

僕はシチューが苦手だったが、この国の
シチューは、本当に美味しい。

「だから言ったでしょ?アイシクル王国と
 言えば、シチューだって!」

本当にその通りだった。
この国の料理への期待が高まるな。

その後僕たちは、更にたくさんのシチューを
食べて、その店を出た。

そこから何分か歩いた所で、セレネが
大きな声で言った。

「あっ!あの店の名前み忘れた…
 次もあそこでご飯食べたいのになぁ~…」

「まあ、場所は覚えてるからさ。
 また連れてってあげるよ!ライメルが!」

また、フォルトゥーナは勝手な事を言い出す
しさ。まあ、美味しいから良いけど。

*   *   *

そうだ、これから泊まる宿はどうしよう…
全く考えていなかった。

「どこか泊まれるとこはないかな…」

仕方ない、近くの人に聞いてみるか。
僕は、近くにいた男性に宿の場所を聞いて
みる事にした。

「すみません、近くに宿はないですか?」

「ん、宿?宿なんてどこにでもあるだろ?
 でも、俺のおすすめは、ここだな。」

そう言って、その男性は目の前の建物を
指差した。
どうやらこの建物は、数年前に出来たばかり
の宿だそうで、この国でも、最近人気が
上がってきているのだとか…

「ありがとうございます。」

よし、今日からはここに泊まろう。
この宿の名前は”ローレライ”だ。

「じゃ、1ヶ月間、2人分の部屋を借りたい
 んですけど、いくらですか?」

「はい、1ヶ月ですね。
 代金は120エリーです。
(1エリー=1000円)」

1人あたりの代金は、レゾット王国と同じの
様だな。

*   *   *
 
そして、僕らは部屋を借りて、それぞれ
眠りに着こうとしていた。

「やばい、寒すぎる…」

寝れない、どうしよう。
そうだ、暖炉に火をつけよう。
少しは寒くなくなるかもしれないし。

僕は、暖炉に薪を入れて、魔術を使って
火を付けた。

「暖かいなぁ…」

身体も温まったし、そろそろ寝れるかな。
そして僕は、改めて眠りについた。

*   *   *


「女王様、レゾット王国の英雄である、
 ライメルが入国したそうです。」

「なんですって?ニエンテとの戦闘が
 終わったのは、昨日の事でしょう?

 はぁ、随分と行動が早いわね…

 分かったわ、その事については、私が
 対処しておくから。

 まあ、ディバイン•ラメントの2位の
 実力がある私なら、まだ負ける事は
 ないでしょうけど、警戒は必要ね…」
(ディバイン•ラメント=魔王軍幹部の名称)

「分かりました、それと、魔剣士ゼノンの
 件ですが…」

「ゼノンは一週間後に、処刑する。
 今は牢獄に収容しておいて下さい。」

「分かりました。では、失礼します。」


*   *   *

翌朝、僕が目を覚ました時、宿の外が何やら
騒然としている様子だった。
よく見ると、その中にセレネも居た。
僕も気になって、宿の外に出た。
でも、何が起こっているのか分からないので
近くの人に何があったのか、尋ねることに
した。

「あの、何があったのでしょうか。」

「ああ、昨晩な、この国の女王”ヴィーネ”様
 の側近である”魔剣士ゼノン”が、女王の
 暗殺を目論んだらしくてな…
 それで今朝、ゼノン様が捕まった。」

どう言う事だ、魔剣士ゼノンは今、魔王軍の
幹部”ディバイン•ラメント”の1人と戦闘を
して、療養中だと聞いていたが…

「魔剣士ゼノンって、今は療養中のはず
 でしたよね?」

「それが、昨日の朝に、療養が終わった
 らしく、そしてすぐに、女王の暗殺を
 目論んだ。これが今報道されている情報
 なんだ。」

僕は、今回の事件に、違和感を覚えた。
なぜ女王の側近という立場でありながら、
女王の暗殺を目論んだのか…
個人的に、それを調査したい所だな。

「そう言う事だったんですね。
 どうも、ありがとう御座いました。」

話を聞かせてくれた人にお礼を言って、僕は
セレネの元に向かった。

*   *   *

「セレネ、ここに居たのか。」

「あ、ライメルさん、話は聞きましたか?
 大変な事になってますね。
 女王の側近が暗殺を目論むなんて…」

当然だが、セレネもその情報を知っていた。
その後、僕らはここを離れた。

今日は、それぞれ自由に過ごす日と決めて
いるから、僕は、魔剣士ゼノンに会う事に
決めた。

彼は今、国の牢獄に収容されている様だが、
この国には、2度目からの面会は、10エリーが必要だが、1度目なら、お金を払わずに
面会できるというルールが存在する。
(面会は誰でもできる)

事件の真相を早く知りたい。
する事もないしな。

「じゃ、刑務所にレッツゴー!」

こういった事件を調べるのは、なかなかに
興味深いな。

第11話/冷たい国





 


























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