サムライになれる学校【国家防衛学校】SEASON1 第三次世界大戦の始まり

名探偵プリンス

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サムライ校での学園生活

ゾンビになる薬【フラーカ】

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5年前、アメリカ合衆国では「ゾンビになる薬」と呼ばれた新型の麻薬が大流行した。

その麻薬の名は【フラーカ】である。

脳、中枢神経を『Z100』と呼ばれる強力な刺激成分で、興奮状態にすることにより、一時的に強い快楽を体験することができる薬物だ。

この『Z100』は強い毒性によって脳、中枢神経を支配する圧倒的な力を持っており、素晴らしい快楽を味わった後は、他のどの薬物よりも恐ろしい幻覚と、身体全身から強い殺意と怒り、憎しみが湧き上がり、それらに支配されてしまう。

【フラーカ】を体験したことで、その中毒になった者は、以上の作用によって、まるで狂ったように他人を襲うようになってしまう。

中毒者たちは、電車で隣になった女性に急に嚙みついたり、夜の路地で仕事帰りのサラリーマンに襲い掛かるという奇行に走り出す。

そう、まるで映画に出てくる【ゾンビ】のように、キチガイとなってしまうのだ・・・

脳が、幻覚、殺意、怒り、憎しみという負のパワーによって支配されてしまうのだから、当然の結果なのかもしれない。

これが【ゾンビになる薬】と言われたゆえんである。

その【フラーカ】はかつて、アメリカ合衆国全土に瞬く間に広まり、国民の多くがゾンビ化してしまい、
一時期社会問題となった。


友愛と麗太が拾った、明らかに普通の薬ではないカプセル型の薬は、その【フラーカ】だった。


紫端先生「という・・・これはそういう薬物なわけ・・・私もかつて、アメリカに住んでいたことがあってね・・その時、ちょうどフラーカが合衆国全土に広まっていた深刻な時期だったの・・・ほら」

紫端先生は、白衣の袖をまくり、自分の真っ白な腕を友愛たち3人に見せた・・・

真っ白な腕だが、そこには生々しい嚙みつかれたような深~い傷跡があった・・・

リリ「これは・・・??」

紫端先生「ニューヨークを歩いていた時、フラーカを摂取してしまい、暴れ回っていた男の人に嚙まれてね・・・ホント、ビックリした・・・」

紫端先生は、明るく笑って話しているが、聞いている3人は、背筋が凍る思いをしていた・・・

友愛「で、でも、そんな危険な薬を・・・なんで持っているんですか?だって、そういう麻薬って所持してるだけで違法ですよね?」

友愛は、勇気をふりしぼって聞いてみた。

紫端先生「あ、ああ・・そっか、それを言わなきゃ怪しまれちゃうよね・・・うん、本当はあまり口外しちゃいけないんだけどね・・FBI(アメリカ連邦捜査局)の人に頼まれたのよ・・・5年前の一斉摘発によって、それまでフラーカをアメリカに密輸してきた犯罪組織や業者はほとんど逮捕されたはずなんだけど・・・ここ最近になって、また新たに密輸してくるグループが現れたらしくてね。

その人たちは、アメリカに運んでくる際に、それがフラーカだとわからないように、色々普通の薬に見えるように、細工しているみたいなの・・・

つまり、一般の市販の薬に見えるよう見た目を変えてるの。

私は今、本当に普通の害のない薬か?それとも普通の薬に見えるよう見た目に変えたフラーカか?その判別作業をしているの。」


友愛「な、なるほど・・・・そうだったんですね・・」


それ以降、結局3人は、紫端先生からフラーカ意外にも散々、薬の話を聞かされ、やっと返してもらうときには、もう時刻はすでに夜の10時を回っていた・・・

麗太「ああ、やっと返してもらえたね・・・・あの人話したら止まらないじゃん・・もう絶対に紫端先生の研究室の近くにはいかないようにしよう・・・」

麗太が、そうリリに愚痴っていた時、ふと友愛は足を止めた・・・

リリ「どうしたの?友愛?」

友愛「紫端先生が僕らの前に現れた時に、手に持っていた液体用の薬品を入れる大きな瓶って・・・・」

麗太「え?」

友愛「あの大きな瓶だよ。あれと同じそっくりな大きな瓶を前にどこかで1回見たことあるなって、なんとなく思っていたら・・・前に天使天国ホテルで、みんなで肝試しをしに行った時、あれと同じそっくりな大きな瓶が、僕の足元に転がってきたんだ・・・ラベルには【ボツリヌス菌】って書かれていて・・・
でも中には何にも入っていなかったんだ・・・」


そうだ・・・・あの時、友愛はその瓶を見た後、急に意識がどこか遠い記憶へ飛んで行った・・・


358テロ  朝山宗全  【0】  全世界同時多発テロ  そして・・・


PODAM(ポダム)・・・・・・・・・・・


一体、何だったのだろう、あれは・・・








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