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サムライ校での学園生活
命懸けの泥沼戦闘!八極拳VS戦闘術
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その昔、1人の侍がいた・・・
そしてその侍は、大地に足をつけたらしい・・・・
踏み込んだ世界は、果てしない修羅の道だった・・・ここに天国なんてものは存在しない
一歩外を出れば、待っているのは欲と憎悪と血と絶望・・・
だが、侍はどんなことがあっても、諦めなかった・・・
果てしない闘いに身を傷つけながらも、この世界のために、己の魂を次へ次へと繋げていった・・・
何百年も 何百年も・・・
誰かから、答えが来るのを待っていた・・・
そして今その魂は、この少年に受け継がれた・・・・
まだ己の力を知らぬ小さな少年、小島友愛に・・・・
ポイズンは、頭から血を流し、怒りの笑みを浮かべている・・
高身長の身体を真っ黒なコートで身をつつみ、オールバックで整えた頭は・・・
まさに風格あるラスボスって感じだ・・・
ポイズン「いや~、お前の攻撃に気づいて、頭をずらしておかなかったら、その軍棒で頭蓋骨を粉々にされていたところだったわ・・お前もガキのくせに危うく殺人者になるところだったぞ。俺に感謝しろよな・・・」
そう言ってポイズンは、麗太を悪魔の形相で睨む。
ポイズン「あ、でもそうか・・お前ら今から俺に殺されるんだから関係ないか~」
その恐ろしい目に、麗太は思わずゾクッとする・・・
ヤバい・・・殺される・・・
なんてことを麗太が思っているうちに、ポイズンはもう彼に急接近して肘打ち攻撃を食らわせていた!
というよりかは、肘を使ってアッパーをされた感じだ・・
麗太「ぐ!!」
ポイズンの肘打ちアッパーは、麗太の顎に思いきり当たっていた!
顎が砕けそうだ!
ポイズン「悪いな、おじさんスイッチ入っちゃったから、もう手加減できないんだわ。」
友愛「うおおおお!!」
友愛が麗太を助けようと、ポイズンにしがみつこうとする!
ポイズン「ほう、ガキの割には動きだけは速いが・・・しかし、隙があるぞ!!」
八極拳の見えない突き技【翻浪勁】が繰り出され、友愛の全身に当たり、衝撃的な痛みが走る!
さらにポイズンはとどめを刺すように、槍で突き刺すような拳を打ち出す威力の高い突き【崩拳】
を友愛の腹へ・・・
グキ!!
友愛は骨が折れるのを感じた・・・
ボディーアーマーを装着しているのに、この威力・・・
ポイズンは、コートを脱ぎ、背広を脱いで、動きやすいワイシャツ姿になった・・・
本気モードなのか?
ポイズン「1つ教えておいてやろう・・食物連鎖って知ってるか?弱い生き物は、強い生き物に食われるしかない地球の生態系の仕組みのことさ。つまり弱肉強食ってことだよ。所詮この世は力なんだよ・・だから、まだひよっこのお前らは、社会のことをな~んも知らないのに、そういう厳しい弱肉強食の大人の世界に足を踏み入れちゃったってわけさ。ご苦労さん!」
麗太「うるせえ!この老害があ!お前みたいに考える大人がいるから、この社会が腐ってくんだよ!」
もう身体が動かない・・もうボロボロ・・・それでも、立ち上がる麗太!
ポイズンは八極拳独特の技で、攻撃が命中する瞬間に、地面を強く踏みつける発勁の用法【震脚】を使って、麗太の腹を攻撃!!この技は、威力分だけ攻撃の威力が増すため、ボディーアーマーをつけていなければ、恐らく完全にあばらが折れていただろう・・・
そして、ポイズンは倒れた子供2人を軽々と持ち上げ、ボイラー管に向かって思いきり投げつけた・・
ポイズン「誰が老害だあ?コラ・・・」
子供相手に容赦がなさすぎる・・・もう2人は、完全に動けないぐらい身体を壊してるのに・・・
友愛「お前だよ・・・お前みたいな汚い大人が社会をダメにしてるんだろ・・・じゃなきゃ僕らは、わざわざサムライ校なんて場所に通って、闘う技術を学ぶ必要もないはずなのに・・・」
友愛は血反吐を吐きながら、それでも立ち上がろうとする・・
ポイズン「生意気言ってんじゃねえぞ!!」
ガン!!
友愛を思いきり蹴とばすポイズン・・・
そして、何度も何度も友愛の身体を上から踏みつけた!
ガン!ガン!ガン!
ポイズン「死ね!死ね!死ね!死ね!もっと苦しんで死ね!」
突き刺すような痛みが友愛を襲う! 苦しい・・・痛い・・・
だが叫びたかったが、もう友愛には叫ぶ気力もなかった・・・
そうか・・・父さんも【0】に殺される時、こんな地獄のような痛みを味わって死んでいったんだな・・・
こんな辛い思いをして・・・
こんな苦しい思いをして・・・
それでも父さんは勇敢に立ち向かった・・・
でも、どうしようもない程の巨大な力の前には、人は無力なんだ・・・
僕は弱いながらも、父さんの想いを引き継いで、サムライ校に通って、いつか父さんの無念を晴らすつもりだった・・・
でもその前に、もっと父さんのことを知りたかった・・・
僕と母さんのことを必死に守ってくれた父さんのことを・・・
【大きな何か】と闘っていた父さんのことを・・・
サムライ校に行けば、何か父さんのことを知れるんじゃないかって気もしたんだ・・
記憶にはないけど、なぜだろう??・・・僕はいつも父さんに守られている気がしたから・・・
いつだって、遠くから見守られている気がしたから・・・
でも、ごめんね・・・父さん・・・
父さんのことを知る前に・・・父さんの仇をうつ前に僕は死んじゃうかも・・・
「戦え!!お前は、まだ役割を果たしていない!!」
ふいに、そんな声が友愛には聞こえたような気がした・・・・
その声は、電車が駆け抜けるかのように、一瞬だった・・・
!!!
その時だった!!
いつの間にか、ポイズンは吹っ飛んだようによろめいた・・・
ポイズン「ぐはあ!」
友愛は、自分でも意識をしていないのに、まるで波紋のように浸透する強烈な突きをポイズンに食らわせていた・・・
友愛「え?」
なんだ・・・これ・・・僕、今一体何をしたんだろう・・・
ポイズンは胸辺りをさすって苦しんでいる・・
ポイズン「うう・・・」
なんだ・・このガキ、目の色が変わったぞ・・・なんだ、あの強すぎる突き技は・・・
必死の最後のあがきってか・・・
ポイズン「ガキが・・大人をなめてると痛い目にあうぞ!!」
チャンスだ!!友愛は本能的にそう思った!!
なんでかわからないけど、今僕が無意識に撃った強力な一撃で、流れが変わった・・
今じゃないと、こいつは倒せない!!
友愛「麗太、軍棒を取るんだ!」
友愛の叫びで、麗太も起き上がって、友愛の軍棒を掴む!
2人で正面から、ポイズンと真っ向勝負!!
友愛がポイズンの攻撃をかわし、時おり麗太が軍棒をがむしゃらにぶつけていく!
ポイズン「ぐはあ!」
ちくしょう・・・ガキが・・・
ポイズン「なめてんじゃねーぞ!!」
レカミエ「感情的になった敵は、正面攻撃に気をとられがちです・・・」
2人とも訓練中のレカミエの言葉を、同時に思い出していた・・・
レカミエ「ですから、脚をとるのは戦闘術の常套手段・・・」
友愛 麗太「うおおおお!!」
ポイズン「え??」
2人は、息ぴったりに同時に肩を下げ、ポイズンの脚を掴んで、彼の大きな身体を持ち上げた!!
ガン!(ボイラー管に頭が当たる音)
ポイズン「が!!」
身長が高いせいかポイズンは、2人に持ち上げられた拍子に、天井のボイラー管に思いきり頭をぶつける!!
めまいがするほど、意識が遠のきそうだ・・・
だが子供二人が、大の大人をいつまでも持ち上げられるわけなく、そのまま倒れ込む。
だが、そのまま容赦はしない!
麗太は、軍棒でポイズンの背中を徹底的に殴打!!
ポイズン「この野郎!!」
焼けるような痛みを背中に感じながら、ポイズンは長い脚で、麗太を蹴り飛ばす!!
と、同時に友愛が拳を振り上げる! かわすポイズン!
ポイズンは、八極拳で最も強力な技【頂心肘】という肘打ちを友愛の胸元に強烈に当てる!
体重移動の肘打ちは、ほぼ体当たりに近い!!
ポイズンは、続けざまに投げ技で友愛を思いきり床にたたきつける!
そしてポイズンは、麗太の次の一手を見逃しはしなかった!
麗太が後ろからポイズンを襲おうとする・・・
ポイズン「見え見えなんだよ!!」
引っかかった!! ポイズンの強力な蹴り技が来ることを見越した麗太は、それをすかさず鋼の軍棒で思いきり受け止めた!!
ポイズン「ぐわああああ!!」
しまった!!思いきり威力を出して蹴ってしまった・・・
ポイズンの脚が蹴ったのは肉体ではなく、特殊鋼鉄でできた軍棒・・・
脚が壊れないわけがない・・・ポイズンの右脚の骨は完全に砕け散った・・・
だが、麗太は攻撃をやめない!!
ここでかたをつける!!
バシ!!
麗太はポイズンの顔に軍棒を当てる!
麗太「死んじまえ!悪党め!!」
もう理性なんて吹っ飛んでる!!
やらなきゃ、やられるだけだ!!やるんだ!やるしかない!
友愛も起き上がって、飛び蹴りをポイズンに食らわせる!
ポイズンは逃げるように、よろめき、そのまま一階の地下水所室の階段へ向かう・・・
友愛 麗太「待て!!」
ポイズンは、階段の手すりにしがみつく! 友愛が拳を振りかぶる!
その隙を突き、ポイズンが投げ技をかけ、友愛を手すりから叩き落し、地下水所室の浅い貯水だまりに
落下させた!!
ジャボン!!
友愛が貯水だまりに落ちたと同時に、麗太がポイズンにしがみつく!
ポイズンと麗太は、共に体勢を崩し、階段から転げ落ちた!!
そして、2人も貯水だまりへ落下する!
3人は水浸しになりながら、最後の戦闘を開始した!!
まさに、大熊を小熊2匹が仕留めようと奮闘する姿・・・
大熊は、最後の最後で飛び道具を出してきた・・・サバイバルナイフ・・・
2人を完全に殺そうという殺意が見える。
だが、ナイフなら2人にとっては、お得意な分野だ・・・稲西先生の授業でどれだけしごかれて
デイザーム(武装解除術)を覚えたか・・・
ポイズン「うおおおお!」
だが、ポイズンはナイフの扱いもやはり素人ではなかった!!
幾多の人間を殺害し、ナイフに血を吸わせていたのだろう・・・確実に急所を狙った攻撃を繰り出してくる!
シュ!シュ!シュ!
2人は避けるだけで精一杯!!
稲西先生「素人がナイフを振ってくるならデイザームは通用しますが、私のようなプロ、または軍人、そして、殺しに慣れた暗殺者たちは、デイザームの知識もありますので、中々通用しません。」
2人は稲西先生が、授業でそんなことを言っていたのを思い出した・・・
ならば・・・
1人がおとりになって 1人がデイザームだ!
息ぴったりな2人は同じことを考えていた!
麗太が進んでおとりになっていく! まさに捨て身の攻撃!!
軍棒を振り回す麗太を、素早くかわすポイズン!
ドス!!
麗太「う!」
ポイズンのナイフの刃先が、麗太の肩に傷をつけた! 飛び散る鮮血!!
友愛「麗太!!」
友愛が瞬間的に、下段回し蹴りで、ポイズンの脚を引っ掛け体勢を崩させる!!
そして、近くにあった重い砂袋をポイズンに投げつけた!
友愛「麗太!大丈夫か?!」
友愛が、肩から血を流して倒れている麗太に駆け寄る!
麗太「僕はいいから、速くデイザームを!!」
幸い麗太は、かすり傷ですんでいたようだ・・・
ポイズン「ちくしょう・・・」
ポイズンは、砂袋を払いのけ、友愛に突進してくる!!
友愛はもう1つ重い砂袋を投げつけた!
友愛 麗太「今だ!!」
立て続けに2人で、ポイズンの脚を素早く腕で払い、水中に転がす!
バシャアアン!!
起き上がって、びしょ濡れになったポイズンに、麗太が
「原爆パンチ!!」 を食らわす!!
もちろんレカミエみたいな威力は出せないから、人を殺せるほどの威力はないが・・
それでもポイズンの内臓は大きく揺れ、とてつもない吐き気が襲ってきた・・・脳と内臓・・・そして脚先にまで物凄いしびれを感じるポイズン・・・
ポイズン「な、なんだ・・・このパンチは・・・・」
意識が遠のきそうだ・・・とても具合が悪い・・・
だが、麗太はポイズンを休ませない!!
麗太は、ポイズンの背後にまわり、必殺の飛び蹴りを後頭部に強烈に食らわす!
よろめくポイズン・・・だが正面に友愛が待ち構えているのを確認すると、急いでナイフで突いてきた!
だが、その腕には、もはやさっきまでのような力は残っておらず、ポイズンの目の奥は、意識が朦朧としていた!
あっという間に友愛にデイザーム(武装解除)をされ、ナイフを奪われる!
そして、友愛はポイズンの顔と腹に痛烈に突きを食らわせた!
ポイズン「ぐはああ!!」
ちくしょう・・・俺様が・・犯罪界で名をはせたこの俺様が・・・こんなガキどもに・・・
ポイズンは最後の力を振り絞って、2人に襲い掛かる!
これでとどめだ!
友愛「僕らの!」 麗太「仲間に!」
冴鶴「手を出すんじゃねえ!!」
友愛が飛び上がって、ポイズンの顔面に・・・・
そして、麗太が腹に・・・
そして、どこから現れたのか、冴鶴廉がポイズンの脚に下段回し蹴りを食らわせた!!
かくして、鋼鉄のように強かった犯罪者ポイズンは、少年たちの活躍により、思いきりボコボコにされ、
気絶したのだった・・・・
ところで冴鶴は、なんでいるの??
そしてその侍は、大地に足をつけたらしい・・・・
踏み込んだ世界は、果てしない修羅の道だった・・・ここに天国なんてものは存在しない
一歩外を出れば、待っているのは欲と憎悪と血と絶望・・・
だが、侍はどんなことがあっても、諦めなかった・・・
果てしない闘いに身を傷つけながらも、この世界のために、己の魂を次へ次へと繋げていった・・・
何百年も 何百年も・・・
誰かから、答えが来るのを待っていた・・・
そして今その魂は、この少年に受け継がれた・・・・
まだ己の力を知らぬ小さな少年、小島友愛に・・・・
ポイズンは、頭から血を流し、怒りの笑みを浮かべている・・
高身長の身体を真っ黒なコートで身をつつみ、オールバックで整えた頭は・・・
まさに風格あるラスボスって感じだ・・・
ポイズン「いや~、お前の攻撃に気づいて、頭をずらしておかなかったら、その軍棒で頭蓋骨を粉々にされていたところだったわ・・お前もガキのくせに危うく殺人者になるところだったぞ。俺に感謝しろよな・・・」
そう言ってポイズンは、麗太を悪魔の形相で睨む。
ポイズン「あ、でもそうか・・お前ら今から俺に殺されるんだから関係ないか~」
その恐ろしい目に、麗太は思わずゾクッとする・・・
ヤバい・・・殺される・・・
なんてことを麗太が思っているうちに、ポイズンはもう彼に急接近して肘打ち攻撃を食らわせていた!
というよりかは、肘を使ってアッパーをされた感じだ・・
麗太「ぐ!!」
ポイズンの肘打ちアッパーは、麗太の顎に思いきり当たっていた!
顎が砕けそうだ!
ポイズン「悪いな、おじさんスイッチ入っちゃったから、もう手加減できないんだわ。」
友愛「うおおおお!!」
友愛が麗太を助けようと、ポイズンにしがみつこうとする!
ポイズン「ほう、ガキの割には動きだけは速いが・・・しかし、隙があるぞ!!」
八極拳の見えない突き技【翻浪勁】が繰り出され、友愛の全身に当たり、衝撃的な痛みが走る!
さらにポイズンはとどめを刺すように、槍で突き刺すような拳を打ち出す威力の高い突き【崩拳】
を友愛の腹へ・・・
グキ!!
友愛は骨が折れるのを感じた・・・
ボディーアーマーを装着しているのに、この威力・・・
ポイズンは、コートを脱ぎ、背広を脱いで、動きやすいワイシャツ姿になった・・・
本気モードなのか?
ポイズン「1つ教えておいてやろう・・食物連鎖って知ってるか?弱い生き物は、強い生き物に食われるしかない地球の生態系の仕組みのことさ。つまり弱肉強食ってことだよ。所詮この世は力なんだよ・・だから、まだひよっこのお前らは、社会のことをな~んも知らないのに、そういう厳しい弱肉強食の大人の世界に足を踏み入れちゃったってわけさ。ご苦労さん!」
麗太「うるせえ!この老害があ!お前みたいに考える大人がいるから、この社会が腐ってくんだよ!」
もう身体が動かない・・もうボロボロ・・・それでも、立ち上がる麗太!
ポイズンは八極拳独特の技で、攻撃が命中する瞬間に、地面を強く踏みつける発勁の用法【震脚】を使って、麗太の腹を攻撃!!この技は、威力分だけ攻撃の威力が増すため、ボディーアーマーをつけていなければ、恐らく完全にあばらが折れていただろう・・・
そして、ポイズンは倒れた子供2人を軽々と持ち上げ、ボイラー管に向かって思いきり投げつけた・・
ポイズン「誰が老害だあ?コラ・・・」
子供相手に容赦がなさすぎる・・・もう2人は、完全に動けないぐらい身体を壊してるのに・・・
友愛「お前だよ・・・お前みたいな汚い大人が社会をダメにしてるんだろ・・・じゃなきゃ僕らは、わざわざサムライ校なんて場所に通って、闘う技術を学ぶ必要もないはずなのに・・・」
友愛は血反吐を吐きながら、それでも立ち上がろうとする・・
ポイズン「生意気言ってんじゃねえぞ!!」
ガン!!
友愛を思いきり蹴とばすポイズン・・・
そして、何度も何度も友愛の身体を上から踏みつけた!
ガン!ガン!ガン!
ポイズン「死ね!死ね!死ね!死ね!もっと苦しんで死ね!」
突き刺すような痛みが友愛を襲う! 苦しい・・・痛い・・・
だが叫びたかったが、もう友愛には叫ぶ気力もなかった・・・
そうか・・・父さんも【0】に殺される時、こんな地獄のような痛みを味わって死んでいったんだな・・・
こんな辛い思いをして・・・
こんな苦しい思いをして・・・
それでも父さんは勇敢に立ち向かった・・・
でも、どうしようもない程の巨大な力の前には、人は無力なんだ・・・
僕は弱いながらも、父さんの想いを引き継いで、サムライ校に通って、いつか父さんの無念を晴らすつもりだった・・・
でもその前に、もっと父さんのことを知りたかった・・・
僕と母さんのことを必死に守ってくれた父さんのことを・・・
【大きな何か】と闘っていた父さんのことを・・・
サムライ校に行けば、何か父さんのことを知れるんじゃないかって気もしたんだ・・
記憶にはないけど、なぜだろう??・・・僕はいつも父さんに守られている気がしたから・・・
いつだって、遠くから見守られている気がしたから・・・
でも、ごめんね・・・父さん・・・
父さんのことを知る前に・・・父さんの仇をうつ前に僕は死んじゃうかも・・・
「戦え!!お前は、まだ役割を果たしていない!!」
ふいに、そんな声が友愛には聞こえたような気がした・・・・
その声は、電車が駆け抜けるかのように、一瞬だった・・・
!!!
その時だった!!
いつの間にか、ポイズンは吹っ飛んだようによろめいた・・・
ポイズン「ぐはあ!」
友愛は、自分でも意識をしていないのに、まるで波紋のように浸透する強烈な突きをポイズンに食らわせていた・・・
友愛「え?」
なんだ・・・これ・・・僕、今一体何をしたんだろう・・・
ポイズンは胸辺りをさすって苦しんでいる・・
ポイズン「うう・・・」
なんだ・・このガキ、目の色が変わったぞ・・・なんだ、あの強すぎる突き技は・・・
必死の最後のあがきってか・・・
ポイズン「ガキが・・大人をなめてると痛い目にあうぞ!!」
チャンスだ!!友愛は本能的にそう思った!!
なんでかわからないけど、今僕が無意識に撃った強力な一撃で、流れが変わった・・
今じゃないと、こいつは倒せない!!
友愛「麗太、軍棒を取るんだ!」
友愛の叫びで、麗太も起き上がって、友愛の軍棒を掴む!
2人で正面から、ポイズンと真っ向勝負!!
友愛がポイズンの攻撃をかわし、時おり麗太が軍棒をがむしゃらにぶつけていく!
ポイズン「ぐはあ!」
ちくしょう・・・ガキが・・・
ポイズン「なめてんじゃねーぞ!!」
レカミエ「感情的になった敵は、正面攻撃に気をとられがちです・・・」
2人とも訓練中のレカミエの言葉を、同時に思い出していた・・・
レカミエ「ですから、脚をとるのは戦闘術の常套手段・・・」
友愛 麗太「うおおおお!!」
ポイズン「え??」
2人は、息ぴったりに同時に肩を下げ、ポイズンの脚を掴んで、彼の大きな身体を持ち上げた!!
ガン!(ボイラー管に頭が当たる音)
ポイズン「が!!」
身長が高いせいかポイズンは、2人に持ち上げられた拍子に、天井のボイラー管に思いきり頭をぶつける!!
めまいがするほど、意識が遠のきそうだ・・・
だが子供二人が、大の大人をいつまでも持ち上げられるわけなく、そのまま倒れ込む。
だが、そのまま容赦はしない!
麗太は、軍棒でポイズンの背中を徹底的に殴打!!
ポイズン「この野郎!!」
焼けるような痛みを背中に感じながら、ポイズンは長い脚で、麗太を蹴り飛ばす!!
と、同時に友愛が拳を振り上げる! かわすポイズン!
ポイズンは、八極拳で最も強力な技【頂心肘】という肘打ちを友愛の胸元に強烈に当てる!
体重移動の肘打ちは、ほぼ体当たりに近い!!
ポイズンは、続けざまに投げ技で友愛を思いきり床にたたきつける!
そしてポイズンは、麗太の次の一手を見逃しはしなかった!
麗太が後ろからポイズンを襲おうとする・・・
ポイズン「見え見えなんだよ!!」
引っかかった!! ポイズンの強力な蹴り技が来ることを見越した麗太は、それをすかさず鋼の軍棒で思いきり受け止めた!!
ポイズン「ぐわああああ!!」
しまった!!思いきり威力を出して蹴ってしまった・・・
ポイズンの脚が蹴ったのは肉体ではなく、特殊鋼鉄でできた軍棒・・・
脚が壊れないわけがない・・・ポイズンの右脚の骨は完全に砕け散った・・・
だが、麗太は攻撃をやめない!!
ここでかたをつける!!
バシ!!
麗太はポイズンの顔に軍棒を当てる!
麗太「死んじまえ!悪党め!!」
もう理性なんて吹っ飛んでる!!
やらなきゃ、やられるだけだ!!やるんだ!やるしかない!
友愛も起き上がって、飛び蹴りをポイズンに食らわせる!
ポイズンは逃げるように、よろめき、そのまま一階の地下水所室の階段へ向かう・・・
友愛 麗太「待て!!」
ポイズンは、階段の手すりにしがみつく! 友愛が拳を振りかぶる!
その隙を突き、ポイズンが投げ技をかけ、友愛を手すりから叩き落し、地下水所室の浅い貯水だまりに
落下させた!!
ジャボン!!
友愛が貯水だまりに落ちたと同時に、麗太がポイズンにしがみつく!
ポイズンと麗太は、共に体勢を崩し、階段から転げ落ちた!!
そして、2人も貯水だまりへ落下する!
3人は水浸しになりながら、最後の戦闘を開始した!!
まさに、大熊を小熊2匹が仕留めようと奮闘する姿・・・
大熊は、最後の最後で飛び道具を出してきた・・・サバイバルナイフ・・・
2人を完全に殺そうという殺意が見える。
だが、ナイフなら2人にとっては、お得意な分野だ・・・稲西先生の授業でどれだけしごかれて
デイザーム(武装解除術)を覚えたか・・・
ポイズン「うおおおお!」
だが、ポイズンはナイフの扱いもやはり素人ではなかった!!
幾多の人間を殺害し、ナイフに血を吸わせていたのだろう・・・確実に急所を狙った攻撃を繰り出してくる!
シュ!シュ!シュ!
2人は避けるだけで精一杯!!
稲西先生「素人がナイフを振ってくるならデイザームは通用しますが、私のようなプロ、または軍人、そして、殺しに慣れた暗殺者たちは、デイザームの知識もありますので、中々通用しません。」
2人は稲西先生が、授業でそんなことを言っていたのを思い出した・・・
ならば・・・
1人がおとりになって 1人がデイザームだ!
息ぴったりな2人は同じことを考えていた!
麗太が進んでおとりになっていく! まさに捨て身の攻撃!!
軍棒を振り回す麗太を、素早くかわすポイズン!
ドス!!
麗太「う!」
ポイズンのナイフの刃先が、麗太の肩に傷をつけた! 飛び散る鮮血!!
友愛「麗太!!」
友愛が瞬間的に、下段回し蹴りで、ポイズンの脚を引っ掛け体勢を崩させる!!
そして、近くにあった重い砂袋をポイズンに投げつけた!
友愛「麗太!大丈夫か?!」
友愛が、肩から血を流して倒れている麗太に駆け寄る!
麗太「僕はいいから、速くデイザームを!!」
幸い麗太は、かすり傷ですんでいたようだ・・・
ポイズン「ちくしょう・・・」
ポイズンは、砂袋を払いのけ、友愛に突進してくる!!
友愛はもう1つ重い砂袋を投げつけた!
友愛 麗太「今だ!!」
立て続けに2人で、ポイズンの脚を素早く腕で払い、水中に転がす!
バシャアアン!!
起き上がって、びしょ濡れになったポイズンに、麗太が
「原爆パンチ!!」 を食らわす!!
もちろんレカミエみたいな威力は出せないから、人を殺せるほどの威力はないが・・
それでもポイズンの内臓は大きく揺れ、とてつもない吐き気が襲ってきた・・・脳と内臓・・・そして脚先にまで物凄いしびれを感じるポイズン・・・
ポイズン「な、なんだ・・・このパンチは・・・・」
意識が遠のきそうだ・・・とても具合が悪い・・・
だが、麗太はポイズンを休ませない!!
麗太は、ポイズンの背後にまわり、必殺の飛び蹴りを後頭部に強烈に食らわす!
よろめくポイズン・・・だが正面に友愛が待ち構えているのを確認すると、急いでナイフで突いてきた!
だが、その腕には、もはやさっきまでのような力は残っておらず、ポイズンの目の奥は、意識が朦朧としていた!
あっという間に友愛にデイザーム(武装解除)をされ、ナイフを奪われる!
そして、友愛はポイズンの顔と腹に痛烈に突きを食らわせた!
ポイズン「ぐはああ!!」
ちくしょう・・・俺様が・・犯罪界で名をはせたこの俺様が・・・こんなガキどもに・・・
ポイズンは最後の力を振り絞って、2人に襲い掛かる!
これでとどめだ!
友愛「僕らの!」 麗太「仲間に!」
冴鶴「手を出すんじゃねえ!!」
友愛が飛び上がって、ポイズンの顔面に・・・・
そして、麗太が腹に・・・
そして、どこから現れたのか、冴鶴廉がポイズンの脚に下段回し蹴りを食らわせた!!
かくして、鋼鉄のように強かった犯罪者ポイズンは、少年たちの活躍により、思いきりボコボコにされ、
気絶したのだった・・・・
ところで冴鶴は、なんでいるの??
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スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
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