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サムライ校での学園生活
海江田家と小野田家の代理戦争
しおりを挟む僕、海江田麗太は、幼い頃から「将来日本のリーダーになれ!」と元総理大臣だった爺ちゃんや、今党内で力を伸ばしている現役政治家の父さんに言われ続けてきた。
爺ちゃんは自分が叶えられなかった「日本を変える」という夢を僕と父さんに託したんだ。
麗太「始めまして、僕は海江田麗太。」
リリ「小野田リリです。よろしくね!」
官僚の娘だったリリとは幼稚園の時、始めて出来た友達だった・・・・
海江田家も小野田家もこの頃は凄い仲が良かった。
家族ぐるみの関係で交流していたんだ・・・
小学校に上がってからも、僕達の幼なじみ関係は続いた。お互い名家の子供だから、小学校も【水戸宗流園学院】という親が政治家・官僚・大企業の社長という子供が集う名門学園に、2人で毎日、電車登校していた。
制服は水戸宗流園の伝統の青い制服・・・
小中高一貫の学園で、僕はずっとリリと学生生活を共にできることを喜んでいた。
でも・・・・・
ある時、突然リリが僕に冷たくなった。
避け始めた。 口も聞いてくれなくなった。
「なんだよ!急にどうしたんだよ!僕なんかリリに悪いことしたのか?それなら言ってくれよ!」
リリはなんも話してくれず、背を向けるばかりだった・・・・
だが、理由はすぐにわかった。
ある日、学校の廊下で歩いてると、他の生徒の僕らに関する噂話を立ち聞きする。
「にしても、リリの奴もひどいよな。」
「ああ、父親が権力争いで麗太の父さんに負けたからってよ~」
「リリの奴、これから一生懸命勉強して、いつか父親と一緒に海江田家を打ち負かしてやるんだとよ。」
「ほんと、親が偉いってのも考えものですな。子供に親の事情が飛び火するのだけは辞めてほしいものです・・・」
そうか・・・・・僕達の関係ってそんなものだったのか・・・
たかが、親同士の問題の影響で壊れてしまうほどの関係なのか・・・・
なら、俺だってリリに負けないぐらい強くなってやる!
話を聞くところによると、父さんは政治家の力を使い、リリの父さんの官僚としての立場を勝手に変えたらしい。
でも、それは父さんの政治的判断だ、何も間違ってない!
父さんには、家族ぐるみの仲の良い関係を壊してまで守らなくてはならない正義があったんだ!
両家の親は子供たちに互いの正義を託した。
リリの父さん「リリ、日本の政治をダメにする家を潰せるよう、勉強して立派になってくれ」
麗太の父さん「麗太・・・俺の正義を引き継いで官僚共の暴走を止めてくれ!」
かくして、両家の親の立場の正義をかけた子供たちの代理戦争が始まったのである。
だが、俺はいくら頑張ってもリリには勝てなかった。
勉強も、スポーツも何もかも・・・・・
どんなに努力しても、リリからは見下されるばかりだった。
小学校6年間の間でリリに勝てたものは何もない・・・・
塾も習い事も色々頑張ったのに・・・・
あいつは全て完璧にこなしてしまう・・・
リリの父さん「ふふ、さすが我が娘、次の舞台でもあの悪徳政治家の息子をぶちのめしてやりたまえ」
麗太の父さん「いいか、次の学校では必ず勝て!今度行く学校で優秀成績者になれば、これからの政治家としての自分のキャリアで強い力を持てるようになるぞ!」
父親同士、子供を使ってバチバチ!
そうして、くだらない代理戦争は、このサムライ校に持ち越されることになった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
麗太「は!!」
そこで麗太は、長い眠りから目を覚ました・・・どうやら長い間、過去のリリとの思い出を夢で見ていたらしい。
麗太「ここは・・・保健室・・・」
そこは、サムライ校の保健室だった・・・麗太は、保健室の白いベッドで寝ていたのだ・・・
自分の腕や足を見てみると、包帯が幾重にも巻かれており、激しい痛みを感じた・・・
な、なんで、こんな怪我をしてるんだ?
「目覚ました? あ、すぐには立ち上がらない方がいいわよ。だいぶ怪我してるから・・・爆風に巻き込まれて、それだけの怪我で済んだのがホント奇跡的なんだから・・」
そう麗太に優しく声をかけてきたのは、絵に描いたようなエロい感じの保健室の美人先生【菓濃杏奈】だった。
170cmの高身長に抜群のプロポーション・・・
まだ中坊の年齢の麗太たち男子生徒には刺激的すぎる大人な女性だ。
先生目当てで、わざわざ保健室に来る男子生徒も少なくはない。
麗太は、やっと思い出した。
そうか!僕は、みんなと【天使天国ホテル】で肝試しをしていて、それでホテルがいきなり大爆発を起こして、その爆風に巻き込まれて、気絶したんだ。
あれから、どれだけの時間が経ったんだ?
それにみんなは、一体どこにいるんだ?
無事なのか?
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