サムライになれる学校【国家防衛学校】SEASON１ 第三次世界大戦の始まり

サムライ校での学園生活

いよいよ心霊スポットへ！！

京子「はーい！！みんな行くよー　３　２　１！！　は～い、始まりました、サムライ部のサムライチューブ！！」

岩一「いえーい！初Yourtubeだぜ！」

安倍「いえい！いえい！」


友愛・麗太「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


夜の真っ暗な天使山の森の中・・・そこにそびえ立つ廃ホテルの入り口前に、友愛・麗太・京子・安倍・岩一の５人はいる・・・

ついに、彼らは目的地の心霊スポット【天使天国ホテル】にやってきたのだ・・・


彼らは昼間、新日本町でウロウロして時間を潰し、夜になるのを待って行動したのだ・・・


流石に、真っ暗な天使山の森の中をライト1つで歩くのは怖かったが・・・


その恐怖の空気感すらも、現在、ライブ配信をノリノリでやる京子、岩一、安倍によって壊されてしまった・・・

3人は、これから始まる冒険をYourTubeでライブ中継するつもりらしい・・京子ちゃんのスマホを、自撮り棒に差し込んで、もうめちゃくちゃノリノリでやってる！！


そんな様子を冷めた目で見る友愛と麗太・・・・



友愛「あのさ・・・1ついいかな？うちの学校って個人情報などの観点から、Yourtubeやテックトックみたいな動画配信サイトをやるのって校則で禁止されてなかったっけ？」

岩一「おいおい、今さらなにかたいこと言ってんだよ！　門限過ぎて、こんな場所に来てる時点でもう校則もクソもねえだろうが。」


まあ、それは言えてる・・・・

岩一のめちゃくちゃワクワクした顔・・・・こりゃあもう止めようがないな・・・


京子「思い出作りよ！思い出作り！せっかく新しい部活作ったんだし、記録のために動画に残そうよ。
大丈夫。この配信では、全員の顔にモザイクかけてるから、誰かわかんないわよ！」

麗太「モザイクなんてかけたから、なんか変なものと間違えられるでしょーが！！」



にしても、やっぱ、この心霊スポットはヤバい・・・・

【天使天国ホテル】・・・・・・・・


外観からその異様さ、不気味さがハッキリと伺える・・・

天使山の中腹に建てられており、１７階建ての、縦にも横にも長い超巨大ホテルである・・


８０年代のバブル景気の煽りを受けて、島の富裕層である【天使】たちが金にものを言わせて作った超高級ホテルらしい・・

しかし、バブル崩壊と、島の財政悪化に伴いホテルも倒産したとか・・・


そして、最も謎の多い、日本有数の廃墟でもある・・・




柵を乗り越え、いよいよ中に入る５人・・・

まず感じたのは、ホコリ臭さと、重たい緊張感だった・・・

さっきまで明るくはしゃいでた岩一の顔も、緊張でひきつっていた・・・

流石に現場に乗り込むと、その異様な雰囲気に圧倒されるのか・・・京子ちゃんの可愛い顔にも
汗がにじんでいた・・・


岩一「すげえな・・・」

安倍「島が自衛隊の訓練場となってからは、このホテルは隊員たちの休憩場所になってたみたいですね・・」


流石、心霊マニアの安倍は色々と詳しい・・そして、こいつは他４人と違い結構冷静だ・・・



安部は、ライブ配信をしているスマホの画面に、ホテルの荒れ果てた内観を映していく・・・


壁にはところどころに落書きがされてある・・・大方、現在の５人のように面白半分で肝試しに来た色んな連中がイタズラでやったってところだろう・・

窓ガラスも割れたりしているし・・・

ほこりやクモの巣が張ったシャンデリアなどの装飾は、昔の栄華の歴史を感じる部分でもある・・・


安倍「一説では、このホテルは財政悪化で閉業したのではなく、殺人事件が起こって、それを隠すために
わざと閉業したみたいな噂もあるんだよね・・・」

京子「ええ・・嫌だ・・・・何その怖い話・・・」


京子は、安倍の話にあからさまに嫌な顔をする・・・


安倍「このホテルは、超高級館ということもあって、お客は政治家や弁護士、財界の有力者などお偉方が多かったらしい・・だけど、そのお客の中の数名が急に行方不明になったり、山で死体となって見つかったりして・・・当時の島民の間では、闇の多い噂の絶えないホテルだったらしいよ。」

岩一「やめー！やめー！」

岩一は聞くのが怖すぎて耐えられなくなったのか、耳を塞いでいる・・

ったく・・・図体はデカいくせして、気は小さいんだから・・・





友愛「ハハハ・・話題変えようか？　そう言えば、京子ちゃん・・そもそも何で部活動を作ろうなんて思ったの？」

新しく部活を作ろうなんて、あまりに突飛な提案だったので、なぜそんなことをしようと思ったのか
友愛は気になっていた・・・

京子「う～ん・・・部活って言ったけど、みんなが安らげたり、楽しめるコミュニティを作れればいいなって思って・・・」

友愛「コミュニティ？」

京子「そう！みんな、まだ12歳という年齢で親元から離れて、厳しい訓練や難しい授業内容を頑張っているでしょ・・たぶん心も身体も疲れたりしている子が多いはずだよ。それなのに、学校ではイジメが起きたり、誰かを攻撃するなんてことが起きているじゃん・・

せめて、この【サムライ部】という居場所だけは、みんなが気軽に入れて、安心して居られるような場所だといいなって・・・」


その時、４人の男たちは思った・・・

天使だ・・・・女神様だ・・・・・・・【サムライ部】ってネーミングセンスはダサいけど、この子
めっちゃ良い子だ・・・




京子「そうだ、他にも誰か【サムライ部】に誘おうよ！！そうだ！リリちゃんとか・・」

麗太「いや、あいつは辞めとこうぜ！！」

京子が言い終わる前に、麗太が、さえぎるようにしてそう言った・・・

京子「でも・・・・」

麗太「あんな奴が入るぐらいなら、僕は抜けさせてもらう・・・」

岩一「なんだよ！お前、今、京子が誰でも受け入れるのが【サムライ部】って言っただろうが！！」


友愛も何か言おうと思ったが、なんだかんだリリの一件以来、友愛と麗太は気まずかった・・・

だから、友愛も今、麗太に何も言うことができなかったのだ・・・


その時だった！


安倍「皆さん、配信のコメントに変なのが来てますよ・・・」


変なコメントをしたユーザーの名は【天使】

コメントの内容は
【勇敢なる５人の子供たち・・・悪魔の人喰いホテルへようこそ。さて、そこは悪魔が住みつき、悪魔が、無数の死の罠を張り巡した殺人ホテルである。人を殺すためだけに作られたそのホテルに入ったが最後、２度と外の空気を吸うことはできないだろう・・・

悪魔は君たちを喰らうまで逃がしはしないだろう・・・】