9 / 43
9
しおりを挟む
ある日のことだった──。
いつもの様にミーティングを終え、珍しく早く姿を消した神くんがいなくなって、生徒会室には俺と清宮さんだけが残った。
「会長」
「うん?」
清宮さんが何かを言い難そうにしていてどうしたんだろうと思う。
いつもハキハキ喋る子だから。
「あの、私……会長にずっと言いたかったことがあって……会長と二人きりになれることなんて滅多にないから……」
「ん? 何?」
なんでもないように返事をすると清宮さんが途端に頬を染めて。
一体なんだろうと不思議な瞳で彼女を見つめた。
「私……会長のことが好きなんです」
俺は唖然とした。
女の子に告白された事なんかなかったから。
「え……? いや、でも俺なんか誰にも告白された事ないよ?」
そこで不意に神くんの顔が頭を過ったが気付かぬふりをした。
神くんは俺を揶揄っているだけだ、あんな告白なんてきっと軽く口をついているだけに決まっている。
それなのに、どうしてこんなに胸が痛い?
「会長かっこいいから、女子は遠巻きに見てるんですよ」
「えっと……」
俺がかっこいい? しどろもどろになっていると清宮さんが両手を振った。
「いや、いいんです。返事は今じゃなくても! 私、待ってますから!」
それだけ言うと清宮さんは走って生徒会室を出て行った。
俺は少しだけ呆然としてしまう。
と、その時──。
「かーいちょう」
ふと背後から神くんの声が聴こえて俺はビクっと肩を震わせる。
パーテーションの裏から帰ったとばかり思っていた神くんが出てきた。
いつもの様にミーティングを終え、珍しく早く姿を消した神くんがいなくなって、生徒会室には俺と清宮さんだけが残った。
「会長」
「うん?」
清宮さんが何かを言い難そうにしていてどうしたんだろうと思う。
いつもハキハキ喋る子だから。
「あの、私……会長にずっと言いたかったことがあって……会長と二人きりになれることなんて滅多にないから……」
「ん? 何?」
なんでもないように返事をすると清宮さんが途端に頬を染めて。
一体なんだろうと不思議な瞳で彼女を見つめた。
「私……会長のことが好きなんです」
俺は唖然とした。
女の子に告白された事なんかなかったから。
「え……? いや、でも俺なんか誰にも告白された事ないよ?」
そこで不意に神くんの顔が頭を過ったが気付かぬふりをした。
神くんは俺を揶揄っているだけだ、あんな告白なんてきっと軽く口をついているだけに決まっている。
それなのに、どうしてこんなに胸が痛い?
「会長かっこいいから、女子は遠巻きに見てるんですよ」
「えっと……」
俺がかっこいい? しどろもどろになっていると清宮さんが両手を振った。
「いや、いいんです。返事は今じゃなくても! 私、待ってますから!」
それだけ言うと清宮さんは走って生徒会室を出て行った。
俺は少しだけ呆然としてしまう。
と、その時──。
「かーいちょう」
ふと背後から神くんの声が聴こえて俺はビクっと肩を震わせる。
パーテーションの裏から帰ったとばかり思っていた神くんが出てきた。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる