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「っ……由貴っ」
胸先に唇が吸い付いて、しこりになろうと勃ち上がる中心をちりりとする痛みを与えられながら噛みつかれて。
空いた手で片側の粒をいたずらするように指で抓まれながら引っ張られれば、簡単に下腹に熱が集まって。
由貴は「最後にセックスをしましょう」と言った。
いつも、『嫌だ、やめろ』と抵抗する俺が初めて従順に頷き、自ら求めるように由貴が服を脱がせてくるのを積極的に手伝って、一糸纏わぬ姿を曝け出した。
熱を持って硬くなる下腹の芯に指が絡まって吐息が乱れるのを、また唇を噛み締めて嬌声を堪えていたら、由貴が「そんなに噛み締めたら切れちゃいますっていつも言っていますよね? 最後くらい、声を聴かせてくれませんか? 颯くん」と言いながら指で唇をこじ開けてくる。
最後――。
本当に最後なんだって思ったら我知らず涙がこぼれそうになって、それを止めたいみたいに、代わりに「ふっ……ぅ、ん」と輪にした指で上下される締め付けに声を漏らす。
こんな媚を含んだ声を出したのは初めてかもしれない。
由貴が満足そうに微笑んで、だらしなく滴る蜜を掬い上げて、とろとろと湿った指を後ろの窪まりに挿し込んだかと思えば、すぐに好いところを擦られ腰が跳ねて、「ぁっ……イイッ」なんて普段じゃ考えられない言葉が無意識にこぼれて。
「由貴っ、も、痛くてもいいからよこせっ」
今すぐ、由貴でめちゃくちゃにして欲しかった。
最後なんだ、なんて考えられなくなるくらい、痛みで、快楽で、欲望に濁った頭で思考を飛ばしてしまいたかった。
「最後なので……もっと楽しみましょう?」
言いながら、とっくにバスローブを脱ぎ捨てて裸身を晒している由貴が俺の太腿をぴたりと合わせて隆々と充実した熱杭を太腿の間に挟み、滑りを帯びた由貴の熱で内腿を濡らされる。
由貴の腹で擦られて震える動悸を打つ芯が、由貴から滴る先走りが疼く孔を濡らして「あっ、ぁ……由貴っ、も、じれってぇ……」と、首に腕を回して早く挿入れて欲しいのだと懇願する。
「最後にたっぷり注いであげますからね? 僕の匂いが当分は消えないように」
言葉と同時、太腿の間で由貴が更に怒張して、猛った熱で擦られる双球が、腹で擦られる欲望がぶるぶると震えて。
それだけで達してしまいそうになって。
「由貴……も、俺……そんな、したら……い……くっ……」
「いいですよ? ちゃんと見ててあげますから、僕で乱れ果てるところを見せて?」
太腿の間で滑りを帯びた由貴が蠢くたび、頭のど真ん中が痺れるような昂揚感に身体は徐々に侵略されて――。
「も、達く……んっ……くっ!」
腹に飛び散った焼けつくほど熱い体液を由貴が指で掬い上げると、それを口を半開きにして荒い呼吸を繰り返している俺の口腔に挿し込んできた。
「美味しいですか? 颯くん。キミの味です。――じゃあ、今度こそ僕がたっぷり注いであげますね?」
そう囁いた由貴は、何度見ても見慣れることなど出来ない惹きつけられるように穏やかな笑みを湛えていた。
まるで終わりなんかじゃなくて始まりなんだと錯覚してしまいそうなほど、哀しいくらいにどこもかしこも美しかった――。
初めての本気の恋の愛おしさも。
初めての本気の失恋の苦しさも。
その全て、由貴に教わったんだ。
ありがとうって、礼も言えない俺でごめんな。
胸先に唇が吸い付いて、しこりになろうと勃ち上がる中心をちりりとする痛みを与えられながら噛みつかれて。
空いた手で片側の粒をいたずらするように指で抓まれながら引っ張られれば、簡単に下腹に熱が集まって。
由貴は「最後にセックスをしましょう」と言った。
いつも、『嫌だ、やめろ』と抵抗する俺が初めて従順に頷き、自ら求めるように由貴が服を脱がせてくるのを積極的に手伝って、一糸纏わぬ姿を曝け出した。
熱を持って硬くなる下腹の芯に指が絡まって吐息が乱れるのを、また唇を噛み締めて嬌声を堪えていたら、由貴が「そんなに噛み締めたら切れちゃいますっていつも言っていますよね? 最後くらい、声を聴かせてくれませんか? 颯くん」と言いながら指で唇をこじ開けてくる。
最後――。
本当に最後なんだって思ったら我知らず涙がこぼれそうになって、それを止めたいみたいに、代わりに「ふっ……ぅ、ん」と輪にした指で上下される締め付けに声を漏らす。
こんな媚を含んだ声を出したのは初めてかもしれない。
由貴が満足そうに微笑んで、だらしなく滴る蜜を掬い上げて、とろとろと湿った指を後ろの窪まりに挿し込んだかと思えば、すぐに好いところを擦られ腰が跳ねて、「ぁっ……イイッ」なんて普段じゃ考えられない言葉が無意識にこぼれて。
「由貴っ、も、痛くてもいいからよこせっ」
今すぐ、由貴でめちゃくちゃにして欲しかった。
最後なんだ、なんて考えられなくなるくらい、痛みで、快楽で、欲望に濁った頭で思考を飛ばしてしまいたかった。
「最後なので……もっと楽しみましょう?」
言いながら、とっくにバスローブを脱ぎ捨てて裸身を晒している由貴が俺の太腿をぴたりと合わせて隆々と充実した熱杭を太腿の間に挟み、滑りを帯びた由貴の熱で内腿を濡らされる。
由貴の腹で擦られて震える動悸を打つ芯が、由貴から滴る先走りが疼く孔を濡らして「あっ、ぁ……由貴っ、も、じれってぇ……」と、首に腕を回して早く挿入れて欲しいのだと懇願する。
「最後にたっぷり注いであげますからね? 僕の匂いが当分は消えないように」
言葉と同時、太腿の間で由貴が更に怒張して、猛った熱で擦られる双球が、腹で擦られる欲望がぶるぶると震えて。
それだけで達してしまいそうになって。
「由貴……も、俺……そんな、したら……い……くっ……」
「いいですよ? ちゃんと見ててあげますから、僕で乱れ果てるところを見せて?」
太腿の間で滑りを帯びた由貴が蠢くたび、頭のど真ん中が痺れるような昂揚感に身体は徐々に侵略されて――。
「も、達く……んっ……くっ!」
腹に飛び散った焼けつくほど熱い体液を由貴が指で掬い上げると、それを口を半開きにして荒い呼吸を繰り返している俺の口腔に挿し込んできた。
「美味しいですか? 颯くん。キミの味です。――じゃあ、今度こそ僕がたっぷり注いであげますね?」
そう囁いた由貴は、何度見ても見慣れることなど出来ない惹きつけられるように穏やかな笑みを湛えていた。
まるで終わりなんかじゃなくて始まりなんだと錯覚してしまいそうなほど、哀しいくらいにどこもかしこも美しかった――。
初めての本気の恋の愛おしさも。
初めての本気の失恋の苦しさも。
その全て、由貴に教わったんだ。
ありがとうって、礼も言えない俺でごめんな。
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