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「すみません……。真夜の私情なので、本当は勝手に話してはいけないと思うんですが、そんな事情もあるので九条さんにどういう扱いを受けているのかも心配で……」
「真夜の男漁りはそのせいだったのか……。まぁ、宇大がいればストッパーになってたんだからそこまで重症じゃねぇんだろうし、九条さんは真夜をそういう目では見てないんだろ?」
「はい。愛人ではないし一度も手を出したことなどないと言っていましたが……。でも、今はどうなのか……。真夜の病気はどう解消しているのか……」
時也さんが顎に手を当てて何か考える素振りを見せながら「でも、一切連絡が取れねぇってのはおかしいよな……。宇大にだけ音信不通ならわかるけど、俺が送ったメッセージにも〝既読〟が付かねぇんだ。本当に軟禁か……?」と呟くので、俺もますます心配になってくる。
確かに、ここまで連絡が取れないのはおかしいだろう。
少なくとも、あの『バイバイ』のメッセージだけで簡単に終わらせられてしまうような関係ではなかったはずだ。
火遊びで俺に手を出そうとしていた真夜が、いざ関係を持ってみたら九条さんに相談するほど本気になってくれて、そして俺がいつか離れるのが怖いと怯えて自己防衛のあまり逃げ出してしまうくらいには真剣になってくれていたんだろうし。
……と、真夜のことで自問自答しながら頭を悩ませている真っ最中。
突然、パウダールームの扉が開かれてマネージャーの中川さんが蒼白した顔で「時也! 宇大! 大変だ!」と叫んだ。
「真夜の男漁りはそのせいだったのか……。まぁ、宇大がいればストッパーになってたんだからそこまで重症じゃねぇんだろうし、九条さんは真夜をそういう目では見てないんだろ?」
「はい。愛人ではないし一度も手を出したことなどないと言っていましたが……。でも、今はどうなのか……。真夜の病気はどう解消しているのか……」
時也さんが顎に手を当てて何か考える素振りを見せながら「でも、一切連絡が取れねぇってのはおかしいよな……。宇大にだけ音信不通ならわかるけど、俺が送ったメッセージにも〝既読〟が付かねぇんだ。本当に軟禁か……?」と呟くので、俺もますます心配になってくる。
確かに、ここまで連絡が取れないのはおかしいだろう。
少なくとも、あの『バイバイ』のメッセージだけで簡単に終わらせられてしまうような関係ではなかったはずだ。
火遊びで俺に手を出そうとしていた真夜が、いざ関係を持ってみたら九条さんに相談するほど本気になってくれて、そして俺がいつか離れるのが怖いと怯えて自己防衛のあまり逃げ出してしまうくらいには真剣になってくれていたんだろうし。
……と、真夜のことで自問自答しながら頭を悩ませている真っ最中。
突然、パウダールームの扉が開かれてマネージャーの中川さんが蒼白した顔で「時也! 宇大! 大変だ!」と叫んだ。
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