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「それは九条さんに言わされているのか?」
今、このタイミングでそんなことを言ってくるなんて間違いなく九条さん絡みだとしか考えられないじゃないか。
「言わされてるっていうか……俺は九条さん以外誰も信用してない。九条さんが唯一俺を助けてくれた人だから……。あの人の愛人ってのは本当だよ。さっき会って来ていい加減宇大くんに見切りをつけろって言われたんだ。宇大くんのことは本当にゲームだった。だからもうおしまい」
「俺は真夜と火遊びして火傷したってことか?」
真夜が可笑しそうにクスクス笑った。
「上手いこと言うね、宇大くん」
「――寂しいと言ったのも、居場所が無いと泣いたのも全部嘘だったのか?」
「そ。俺は九条さんに愛されてるから寂しくもないし居場所だってある。だから宇大くんのことは本当に揶揄ってただけなんだ。もう忘れてよ、俺のことは」
それだけ言って真夜は身体を起こして俺を押しのけてベッドから降りて行ってしまうから――。
思わず手首をギュッと握りしめた。
細く白い手首は力の加減を間違えたら折れてしまいそうなほど華奢で、そしてその指が震えていた。
「じゃあ、どうしてこんなに震えている? 九条さんの愛人で幸せなんだったらどうしてこんなに震えている? 今にも助けてって言ってるようにしか思えんな」
「寒いからだよ……。俺は別に助けて欲しいなんて思ってないよ? でも適当な性処理の相手は何人居てもいいから、宇大くんもまたシたくなったら言ってよ? 火遊び大歓迎だから。じゃね」
言って、真夜は手首を振り払って部屋から出て行ってしまうので俺は呆然と立ち尽くしてしまった。
俺は真夜にとってゲームの駒の一つに過ぎなかったのか?
だったら――。
あの日、真夜を初めて抱いた日、真夜に堕ちたあの日、そこでそう言えばよかったんじゃないのか?
何故、一ヶ月も俺と一緒に居た?
真夜にとっても少なからず俺に情があるんじゃないのか?
妻になる、同棲するだなんて嬉しそうに持ち込んできて、一ヶ月も俺と一緒にいる必要があったか?
確かに真夜は色々な男を知っているかもしれない。
だが、俺と一緒にいた時間の真夜は確かに本当の真夜だと信じていたし、あれが嘘偽りだとは思えなかったから――。
――俺はどこで間違えた? 真夜。このまま終わらせられると思うな。
今、このタイミングでそんなことを言ってくるなんて間違いなく九条さん絡みだとしか考えられないじゃないか。
「言わされてるっていうか……俺は九条さん以外誰も信用してない。九条さんが唯一俺を助けてくれた人だから……。あの人の愛人ってのは本当だよ。さっき会って来ていい加減宇大くんに見切りをつけろって言われたんだ。宇大くんのことは本当にゲームだった。だからもうおしまい」
「俺は真夜と火遊びして火傷したってことか?」
真夜が可笑しそうにクスクス笑った。
「上手いこと言うね、宇大くん」
「――寂しいと言ったのも、居場所が無いと泣いたのも全部嘘だったのか?」
「そ。俺は九条さんに愛されてるから寂しくもないし居場所だってある。だから宇大くんのことは本当に揶揄ってただけなんだ。もう忘れてよ、俺のことは」
それだけ言って真夜は身体を起こして俺を押しのけてベッドから降りて行ってしまうから――。
思わず手首をギュッと握りしめた。
細く白い手首は力の加減を間違えたら折れてしまいそうなほど華奢で、そしてその指が震えていた。
「じゃあ、どうしてこんなに震えている? 九条さんの愛人で幸せなんだったらどうしてこんなに震えている? 今にも助けてって言ってるようにしか思えんな」
「寒いからだよ……。俺は別に助けて欲しいなんて思ってないよ? でも適当な性処理の相手は何人居てもいいから、宇大くんもまたシたくなったら言ってよ? 火遊び大歓迎だから。じゃね」
言って、真夜は手首を振り払って部屋から出て行ってしまうので俺は呆然と立ち尽くしてしまった。
俺は真夜にとってゲームの駒の一つに過ぎなかったのか?
だったら――。
あの日、真夜を初めて抱いた日、真夜に堕ちたあの日、そこでそう言えばよかったんじゃないのか?
何故、一ヶ月も俺と一緒に居た?
真夜にとっても少なからず俺に情があるんじゃないのか?
妻になる、同棲するだなんて嬉しそうに持ち込んできて、一ヶ月も俺と一緒にいる必要があったか?
確かに真夜は色々な男を知っているかもしれない。
だが、俺と一緒にいた時間の真夜は確かに本当の真夜だと信じていたし、あれが嘘偽りだとは思えなかったから――。
――俺はどこで間違えた? 真夜。このまま終わらせられると思うな。
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