その火遊び危険につき~ガチで惚れたら火傷した模様~

ちろる

文字の大きさ
40 / 85

40

しおりを挟む
「それは九条くじょうさんに言わされているのか?」

 今、このタイミングでそんなことを言ってくるなんて間違いなく九条さん絡みだとしか考えられないじゃないか。

「言わされてるっていうか……俺は九条さん以外誰も信用してない。九条さんが唯一俺を助けてくれた人だから……。あの人の愛人ってのは本当だよ。さっき会って来ていい加減宇大うたくんに見切りをつけろって言われたんだ。宇大くんのことは本当にゲームだった。だからもうおしまい」

「俺は真夜まやと火遊びして火傷したってことか?」

 真夜が可笑しそうにクスクス笑った。

「上手いこと言うね、宇大くん」

「――寂しいと言ったのも、居場所が無いと泣いたのも全部嘘だったのか?」

「そ。俺は九条さんに愛されてるから寂しくもないし居場所だってある。だから宇大くんのことは本当に揶揄からかってただけなんだ。もう忘れてよ、俺のことは」

 それだけ言って真夜は身体を起こして俺を押しのけてベッドから降りて行ってしまうから――。

 思わず手首をギュッと握りしめた。
 細く白い手首は力の加減を間違えたら折れてしまいそうなほど華奢で、そしてその指が震えていた。

「じゃあ、どうしてこんなに震えている? 九条さんの愛人で幸せなんだったらどうしてこんなに震えている? 今にも助けてって言ってるようにしか思えんな」

「寒いからだよ……。俺は別に助けて欲しいなんて思ってないよ? でも適当な性処理の相手は何人居てもいいから、宇大くんもまたシたくなったら言ってよ? 火遊び大歓迎だから。じゃね」

 言って、真夜は手首を振り払って部屋から出て行ってしまうので俺は呆然と立ち尽くしてしまった。

 俺は真夜にとってゲームの駒の一つに過ぎなかったのか?

 だったら――。

 あの日、真夜を初めて抱いた日、真夜に堕ちたあの日、そこでそう言えばよかったんじゃないのか?

 何故、一ヶ月も俺と一緒に居た?
 真夜にとっても少なからず俺に情があるんじゃないのか?

 妻になる、同棲するだなんて嬉しそうに持ち込んできて、一ヶ月も俺と一緒にいる必要があったか?

 確かに真夜は色々な男を知っているかもしれない。
 だが、俺と一緒にいた時間の真夜は確かに本当の真夜だと信じていたし、あれが嘘偽りだとは思えなかったから――。

 ――俺はどこで間違えた? 真夜。このまま終わらせられると思うな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?

monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。 そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。 主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。 ※今回の表紙はAI生成です ※小説家になろうにも公開してます

声なき王子は素性不明の猟師に恋をする

石月煤子
BL
第一王子である腹違いの兄から命を狙われた、妾の子である庶子のロスティア。 毒薬によって声を失った彼は城から逃げ延び、雪原に倒れていたところを、猟師と狼によって助けられた。 「王冠はあんたに相応しい。王子」 貴方のそばで生きられたら。 それ以上の幸福なんて、きっと、ない。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

処理中です...