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しおりを挟む「今は、幸せなこと、ばっかです。本当に時也さんが俺を幸せにしてくれました。もう、疫病神は消え去ったのかな……? 俺も、このままずっと幸せになれますか?」
「時間かかったけどさ、この一年俺たち幸せばっかだ。もう二度と聖ちゃんが疫病神になることはない。それが、わかってくれたんなら嬉しい。俺の第二の人生が好転してるのも、全部聖ちゃんのお陰。――なぁ、わかってる?」
その言葉に、もう自分すらも忘れかけていた〝疫病神〟が、とっくに消え去っていたのだと気付かされて。
「時也さんのお陰です。本当にありがとうございます」
ギュッと首元に顔を埋めたら、時也さんは耳孔に舌を差し込んでから、「でもな――」と意味深に言葉を切った。
「残念なんだけど……今は俺が聖ちゃんの疫病神になっちまってるみてぇなんだ……」
「え? 俺は不幸になっていませんよ?」
時也さんのグレーの瞳をじっと覗き込んだら、彼はやけに真摯に見つめてくるから(俺に不幸ってなんだろう?)と、これから何か起こるのかとそわそわしてしまう。
「ああ……凄く辛いと思うけど聞いてくれるか……?」
(俺が辛いことって……)
「実は……さ。今日もこれから聖ちゃんはあと五、六回は俺に抱き潰されるっていう不幸が待ってるんだ……毎日すまん!」
言って、時也さんは再び俺を組み敷くから――。
「ちょっと! またですか!? シャワー浴びたじゃないですか! 時也さんの疫病神! 獣!」
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