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「――それに、ひじりちゃんは恥ずかしいのかもしんねぇけど……本当は聴かれてんのかもって興奮してねぇか? じゃなきゃこんなに俺の手ぇ濡らさねぇよな? ……ここまで垂れてるけどわかるか?」

 耳元で吐息交じりに囁いて、時也ときやさんの指がまだ固く閉ざされているのに濡れている感覚がするすぼみを、ゆるっと円を描くように撫でられるから、尾骨がびくんと震える。

 はたはたとしたたいやらしい蜜が内股を伝い、彼をお招きする場所をしとどに湿らせて、開花させられるのを待っているのだ。

「……ん、駄目……そこ、されたら……声……」

「慎ましいなぁ、俺の姫は」

 言って、時也さんの言葉どおり、何か壊れたように次々したたる先走りの蜜をたっぷり纏わせた指がゆっくり押し沈められてくるから、今度は両方の手のひらで口を覆う。

「ふっ……ぅう!」

「だからそんな恥ずかしがんなくてもさ? まぁ、そこまで声出したくないなら俺もちゃんと付き合うけど? ――ほら、俺が口塞いでてやるから。聖ちゃんに恥ずかしい思いさせないよう俺が助けよう。なんて優しいダーリン」

 時也さんが口元を覆っている俺の両手を剥がして、俺の口を大きな手のひらでキツく塞いだと共に中を掻き混ぜる指を一本増やすから、空いた両手で彼の背にしがみつく。

 ただ――。

 時也さんの手が鼻まで塞いでくるから息が苦しい。

 それに反して体内の媚肉をそよぐ指は的確にひだに埋もれた快楽の源を引っ掻くようにこするから、より濃い欲に染められていく。

「うっ!……ふっ……ぅ……ふうひぃっ」

 胸を喘がせながら『苦しい』と訴えてみるけれど、時也さんは俺の口と鼻を塞いだまま強引に、これから欲望を呑み込もうと蠕動ぜんどうしているほころびを拡げ続ける。

「苦しい? じゃ、口から手ぇ離すか?」

 それはそれで嫌だと首を左右に振ったら、彼は指をんだ場所を視姦しかんしていた視線を俺に転じて、獰猛どうもうに瞳を射抜いてきた。

「そんな物欲しげな顔すんなよ。……悪い。俺、あんま余裕ない」

 パッと時也さんの手が口から離れて「はぁっ、ぁ」と息継ぎをしたら、すぐに腕を引かれて半身を起こされ、時也さんの太腿の上に座らされる。

 形を変えた情動の証がつのを付き合わせるようにこすれ合う。
 
 びくっと身体を震わせたら、すぐに唇をついばまれて、耳朶で息を吐き出すような軽やかさで「聖ちゃんは? 余裕?」と囁くから。

「……余裕、あるように見えますか?」

「今すぐ喰いてぇって顔してる。求めてみろよ? 俺を。たまには聖ちゃんに喰われてぇんだけど?」
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