俺の専属精神科医の治療法は身体!?

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　そっと時雨さんの座席まで近寄って腰を屈め、首に腕を回すと、ちゅっと触れるだけの口付けを時雨さんに落とす。

「そんなの、先生に決まってるじゃないですか」

「よかった。八神さんはもう病院卒業だね」

　精神科なんて、受診することになるとは思っていなかったけれど。
　でも、時雨さんと出会えた。

　時雨さん、ずっとずっと俺の主治医で居てね？
　俺だけの、って言いたいところだけれど、時雨さんを待っている患者さんがたくさんいるのはわかっているから。そんな我儘は言えないけれど。

　でも、俺の主治医でいてね？

　時雨さんがいてくれたから俺は元気になれたんだ。
　彰成からも救ってくれたんだ。
　時雨さんがいなかったら、今の俺はなかったと思うんだ。

　だから時雨さん、ずっと傍にいて。
　俺の傍から離さないで。
　泰史さんのところになんか行かないで。

　大好きだよ、時雨さん。
　俺はずっと時雨さんのこと信じてるから。
　もう疑わないから。