いつか本当の俺を見てくれますように~たとえ身代わりだとしても、恋情に溺れて~

ちろる

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 背後からけものの体位で繋がって、くわえ込んでいる接合部を視姦しかんされながら、悲鳴にも似た嬌声きょうせいはなち続けながら、ただただりょうさんだけを求めて。

 頭を枕にこすり付けるようにして腰だけを高く上げた羞恥にまみれた格好で背後からの責めに耐えていると、もう半き状態になっている濡れた熱脈に、時折、思い出したように指を絡めたりほどいたりを繰り返されるから。

「ぁ、っん……んっ、……りょ、っ、さぁ……」

 四つん這いになっている四肢ししが震え始めて、抽挿される度に腹については離れを繰り返している熱の塊が精を吐き出そうと痙攣を始める。

「あずさっ、中にっ、出してもいいっ?」

 そんなこと、いつも訊かないのに。
 涼さんの中で俺はどんどん姉さんになっていくんだ。

「んっ……ぁ、……大、丈夫っ……俺、……達っちゃ……ぁっ……ん!」

 言葉と同時、勢いよく二度目の精を撒き散らすと、涼さんの熱いくらいの飛沫で体の奥を濡らされる。

 クタッと背に覆い被さってきた涼さんが、荒い呼吸を整えながら俺の身体をくるりと反転させ正面を向かされる。

 涼さんが俺の心臓に耳を当てた。

「ちゃんと心音が聴こえるね。ねぇ、あずさはさ、子供は二人欲しいって言ってたよね? 今、中に出したので妊娠しないかな? 僕は早くあずさとの子供が欲しいんだ」

 涼さんは何を言っているんだろう。

 俺が妊娠しなかったら、子供を産めなかったら、姉さんじゃないと気づいて捨てられてしまうだろうか。

「──そう、ですね……俺も……涼さんとの子供、早く欲しいです」

 涼さんが、ぎゅっと俺を抱きしめて、肩口に顔をうずめて、首筋に唇を寄せて囁くように言葉を紡いだ。

「僕はね? 今、凄く幸せなんだ。あずさが帰ってきてくれて。僕の傍にずっといてくれて。幸せな家庭を築こうね?」
 
 俺も、幸せだよ?

 涼さんがずっと俺の傍に居てくれて、ずっと俺を繋いでくれていて、俺と幸せな家庭を築こうと言ってくれて。

 早く、幸せな家庭を築けるといいな。涼さんと俺と、可愛い子供二人と、そんな未来が早くやってくるといいな、待っててね、涼さん。

 俺、頑張るから──。
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