13 / 126
転移
13.社畜は魔法の講義を受ける・2
しおりを挟む私が作り上げた天属性の魔石を凄い形相で睨んだ後、リオナさんはため息をついた。
「保留。個人的にこっそり使うくらいなら許容範囲だけど、すぐすぐ市場に流せないわね。王家献上レベルよ。もし現段階で要にしか作れないレアものなのだとしたら、さすがに後世への影響が大きすぎるわ」
「ですよね……」
「シュヴァリエ案件がまた一つ増えたわね」
お。『マリステラ』にきてから、一番聞いていると思しき固有名詞が、また出てきたぞ。
「そういえば、ちょくちょく出てくるシュヴァリエって何ですか?」
「ああ。古くから闇属性を統べる侯爵家のことよ。闇に関しては、あそこが一手に担っているワケ。嫌でもいずれ絡むことになるわ。アンタの他に、ハイレアクラスの『付与調律師』を持つもう一人がいるからね」
「へぇ……。てか、そもそも調律師って何なんでしょう」
私は小首を傾げた。
調律というと、ピアノとかオルガンに代表される楽器の音を正しく合わせるというイメージがある。
要するに、何かを正しい形に整えるクラスなのかなぁくらいは想像できる。
≪調律≫のスキルは、未だグレーアウトしたままだ。まだまだ使いこなせるだけの力量が、足りていないのだろう。
「闇属性は、魔力や精神部分を補助することができる言ったわよね。≪調律≫とはその究極。魔力そのものを直接調整することができるのよ。自他関係なくね」
「つまり、他人の魔力にまで、介入できるということですか……」
「そういうこと。魔力も万能ではないわ。病気と同じように、魔力が身体に悪い影響を及ぼす場合もあるのよ。そういった異常を解消することのできる、唯一のクラスね。要は魔力操作のスペシャリストよ」
魔力が血栓のようになって上手く機能しない魔力詰まりや、魔力が多すぎて制御ができなくなる過多症、その反対の欠乏症といった、魔力にかかわる症例が、ちらほらあるらしい。
しかも、魔力が開花し始める年齢の子供が一番かかりやすく、場合によっては死に至ってしまうこともあるのだとか。
ただ、魔力は目に見えないあやふやなもので、なかなか人体への影響に対する解明が進んでいないらしい。
「何だか治癒魔法に似ていますね」
「干渉できる領域が、肉体か魔力かって違いね。とはいえ、シュヴァリエの≪調律≫は手法がかなり特殊で、よほどのことがない限り使えないといって差し支えないから、実質この国での≪調律≫の使い手はアンタ一人とみていいわ」
「ひえ……」
「いや、うん、わかっていたけど、本当規格外ねぇ。って、アンタ、まさか時属性の魔石まで作っていやしないわよね……?」
「あはははは……」
呆れ混じりの声を出しながら、じとりとした視線を寄こすリオナさんから、私はささっと目を逸らした。
うん、劣化版なのはわかっているにせよ、逆にどこまでできるのかを試したくなるのは、人情だと思いません?
時は避けたと言ったな。あれは嘘だ。
最終的に好奇心に負けました。
無言でぺちりと脳天を叩かれて、私はしずしずと証拠品を差し出した。
時属性の魔石は、真珠のように真っ白だった。
ただ、リオナさんによると、時魔法は一つ一つが尋常じゃないレベルで魔力を消費するので、小さな魔石だと魔法そのものを起動させるにはいたらないだろうとの見立てだ。
「一般に流布している腐敗を遅くする程度の遅延魔法が、せいぜいいいところね。そういう収納鞄は実際存在するわけだし。使うならバレないようによ」
「はぁい!」
「さて、魔力の付与は問題なくできるようになったみたいだから、今日は魔法の付与についてよ」
眼鏡をすっと押し上げるリオナさんの姿は、女教師さながらである。
彼女が手にしているのは、『初心者のための魔法書』というタイトルの本だ。二階の書庫から持ってきたのだろう。
「魔法は、神々や精霊たちがもたらす神秘の力を借り受け、発現するために体系化された手続き方法ってところかしら。これはあくまでも一例でしかないから、自分なりに突き詰めていくのが一般的ね」
神社にお参りする時の礼儀作法に似たようなものだろうか。一拝・祈念・二拝・四拍手・一拝みたいな。
神様、精霊様、どうぞ力を貸してくださいって、お願いするための方法って考えてみればわかりやすいのかな。
詠唱は、言葉に定義することで魔力の方向性を定め、あやふやで目に見えない概念や現象を、イメージとして膨らませやすくするための補助的な役割なのだそうだ。
なるほど。言われてみると、言葉で示した方が制御しやすい。音読が、記憶に残りやすいのに似ている。ポエミーだから恥ずかしいんだけどね!!
「要の付与では、直接魔法を発現させることができないけれども、魔法そのものを何かに付与することはできるわね。じゃあ早速、無属性の魔石に、光魔法の≪灯り≫を付与してみましょうか。詠唱はこれだけど、魔法は想像力が大事よ」
リオナさんが魔法書をめくり、光魔法の初歩の初歩である≪灯り≫の詠唱を示してくれる。
与えるのが魔力ではなく魔法に変わったけれども、基本的なやり方は同じだ。
まずは光属性を付与して、魔法を埋め込む土台を整える。
まだ魔法を付与する感覚が掴み切れていないので、ランプに光がともる様子を思い描きながら、詠唱を唇に載せ紡ぐ。
そして、構築した魔法を、魔石に埋め込むように――。
「≪付与・灯り≫」
一連の流れで、透明だった魔石が淡い黄色みを帯びている。そして、石の中には、単なる魔力付与では見受けられなかった、細かな陣が浮いている。
きちんと魔法を付与できたみたいだ。
ここまでは順調にできた。リオナさんは満足げに頷くと、にっと挑発的に口角を上げた。
「次はその魔石に付与した魔法を、起動させてごらんなさい」
「ええと……? そんなことできるんですか?」
「できるわよ、要ならね」
ううん? 魔石に付与した魔法を起動させる、とな?
私は、目を瞬かせた。
確かに魔石はちらちらと輝いているが、これは決して≪灯り≫の魔法が発動したからではない。単に、魔石が魔法を内包した結果でしかない。
では、肝心の付与した≪灯り≫の魔法を、私はどうやって使えばいいのだろうか。
あくまでも私の魔法は、対象に効果を与えるためのもの。
だから、自分自身が付与以外の魔法を行使する想定ではいなかった。
けれども、リオナさんの瞳は、できるという確信に満ちている。となれば、やり方があるはずだ。
そう思って、神や精霊に祈ってみたり、先ほどみたいにイメージしてみたり、再度詠唱してみたり、最初に戻って念じてみたりもしたが、魔石はうんともすんともいわない。
「うーん……」
「ギブアップしたらヒントあげるわよ」
リオナさんは、持ち込んでいた難しそうな本に目を通しながら、楽しげにそう言う。でも、もう少し自力で頑張りたい。
遮二無二にやっても、埒が明かない。いったん落ち着こう。
私は、深呼吸して、思考を巡らせる。
ファンタジー小説とかでおなじみだけど、魔法が発動するときに消費されるのは、当然魔力だ。それは、この世界でも変わらない。
実際、私が付与魔法を発動するときも、自分の魔力が消費されている感覚がある。
リオナさんは、私なら魔石の魔法を起動できると言った。
裏を返せば、リオナさんにはできない、ということかもしれない。
私の属性は闇。
リオナさんの属性は教えてもらえていないが、風と闇の魔法を扱っていたから、どちらかだろう。
互いに、光魔法を直接扱う素質はない。
――でも、私には裏技がある。
「あ、そっか」
私は手にした魔石に、今一度付与魔法を発動させて、光属性の魔力を付与した。
すると、魔石に内包されていた≪灯り≫の魔法が発動し、魔石が皓々とした光を放った。
うわっ、何でだ、めちゃ光が眩しい。ううん、この辺は要調整だな。
「……できた!」
「あら、もうちょっと手こずるかと思ったけど、あっさりやってのけたわね……。そう、魔石や魔法を発動させるためには、同じ属性の魔力が必要になってくるのよ」
「私は、付与魔法を通して、各属性の魔力を魔石に与えることができる」
「付与魔法の全属性って、イレギュラー中のイレギュラーよねえ……」
魔法は、一般的に一つの属性を操れるだけの人がほとんど。複数属性を使いこなせる人は、結構珍しいらしい。
本来、付与魔法でも扱える属性は、二つか三つがせいぜいなのだそうだ。
それが全属性。確かに、当初の二人が頭を抱えたのがよくわかる。
今のところの感触だと、まだ手間が勝っているものの、突き詰めていけば付与魔法って化けるのではないだろうか。
私の背筋が、喜びに、好奇心に震えた。
「ちなみに」
そう言って、リオナさんは私に再度≪灯り≫の魔法を付与した光の魔石を作らせた。
一体何に使うのかと思いきや、リオナさんの掌に載った魔石は、程よい光量の灯りを放ち始める。
リオナさんは魔石に込めた魔法を、いとも容易く起動して見せたのだ。
「えっ!? あれっ!?」
どういうことだ。私の見立てだと、リオナさんは光魔法を使えないはずなんだけど!?
もしかして、隠していただけで、実は光魔法を使えた?
素っ頓狂な声を上げてびっくりする私に、リオナさんはしてやったりという顔をして笑った。
「私は、光魔法自体使えないわよ。でも、闇魔法には≪転換≫という魔法があってね。私の魔力を光属性に変えて、起動させたってわけ」
「ええええ!? そんなことできるんですか、凄い!」
「ふふふ。あとは工夫や発想次第、あれこれ試してみなさいな。ただし、攻撃魔法については、要の場合細心の注意をもって取り扱いなさいね。それと、魔力の枯渇には気を付けること。魔法書は、付与する魔法の参考に使うといいわ」
「わかりました。ありがとうございます」
魔法は、まだまだ、私にとって未知の領域だ。初心者向けの魔法書一つだけでも、結構な厚みがあるくらいだから。
私の場合、魔法は魔石を介しての発動と、少しばかり手続きが煩雑ではあるものの、幅が広がったことには変わりない。
私は、魔法書を胸に抱えて目を輝かせた。
「でも、とりあえず今日はここまでにしておきなさい。魔法は逃げやしないわよ。アンタ、無茶しそうだからね。この後、ヒースを出迎える準備をするんじゃなかった?」
「はい。これから腕によりをかけて、料理を作ります」
「楽しみにしているわ。ふふ、ディランダル・オルクスからせしめた葡萄酒も、一緒に開けよっか。アンタ、いける口?」
「やったー! あんまり強くないですけど、人並程度に飲めるかと」
「よしきた」
リオナさんの忠告を聞き流しながら、私はこの後訪れる楽しい時間に想いを馳せつつ、キッチンに向かうのだった。
--------------
いつもご覧いただきありがとうございます!
【ちょっとした補足です】
魔石:魔石と同じ属性の魔力で発動することができる。自給自足可能
魔法陣:構築の仕方によるが陣の属性と異なる魔力でも発動できる(ただし魔力の調達が必要になる)
24
お気に入りに追加
224
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる