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決断

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はぁーーーーーーーーー、、


つかれた。
ウィッグが蒸し蒸ししている。暑い。



「どうだった?」

さゆみがにこにこしながら声をかけてきた。


「アイドルってやっぱオーラが違うわってかんじ。でもやっぱり興味はあるなって思った。マネージャー。」


撮影に戻ったメンバーたちを遠くから見ながらぼそっとさゆりに言った。


こんな経験なかなか出来るものではないし、今のブラック企業に勤めていても自分にプラスになることはない。自分の時間がもったいなく感じてしまった。
あんなキラキラした人たちを見たら余計に、、。


「ちょっと考えるね」


「うん」

さゆりは静かに頷いた。




バタバタした現場が落ち着いてきたのは夕方になってからだった。

「お疲れ様でしたー!」

遠くの方でスタッフの人が終わりの合図をしていた。



いろんなことを考えていると時間が過ぎるのが本当に早い。
あっという間に1日が終わろうとしていた。

はぁ、、悩むなぁ











「あの、」


え。


社員証の彼が近づいてきた。


あーやばい。全然近づいてきてるの気づかなかった。

これやばいかもしれない。


バレてた?もしかしてバレてた?
まずいよーそれはまずいよ、、


周りを気にするもさゆりもさゆりぱぱもいない。



とりあえず返事。返事しなきゃ。



「はい」



冷や汗が止まらない。さゆりーーーどこいったの😭😭考え事に耽りすぎてさゆりがどこかにいったことも気づかなかった。


「いや、すんません。緊張させて。どんな人かなって思って話てみたくて。自己紹介しかしてないので。」



うーわーーーよかったーーーーー気づかれてないーーーーーあぶねぇ、、。

気づかれてたらさゆりになんて言ったらいいか、、


いやでもいい人だなこの人。
わざわざ話しにきてくれたのか。

「あ、いえ、、わざわざ気を使わせてすみません。。撮影お疲れ様でした」

わからん、何言えばいいんだ、、このイケメンに何言えばいいんだ、、

「ありがとうございます。累さんって呼んで大丈夫っすか?」

「大丈夫です、蓮、、くん?でしたよね?」

「はい。蓮です。よろしくお願いします。

くしゃっと俯きながら笑ってもう一度挨拶してくれた。
いいひとだ、、

「累さんは俺らのマネージャー予定ってさっき社長が言ってましたけど、予定ってことは今は違うグループのマネージャーとかされてるんすか?」

そうだよね、、不安だよね、、こんな素性のわからんやつがマネージャー予定とか、、
私の素性を直で聞きにきたんだなこの蓮くんは。偉いな~蓮くんはどこまでも当事者でいれる人なんだな。マネージャーが新しくなることで起こることを先読みしてるんだろうな。デビューしたばかりで不安なことなんてたくさんあるのに不安要素増やしてマジごめん、、


「今はほんとただの普通の営業マンです。だから正直マネージャーの知識はありません。デビュー後すぐにこんなよくわかんないやつがマネージャーなんて聞いたら不安ですよね、、でも今日の撮影みててこんなきらきらしてる人たちのマネージャーになれるなら俺なんでもできるなって思って、頑張りたいなって思って、、やっぱだめですかね、、」

なんて言われるか不安で俯いていたが視線を蓮に移すとキョトンとした顔をしていた。

やばい、なんかキモかったかな、、
よくある青春漫画みたいな言い回ししちゃったよ
あ゛あ゛~~~~ーーーー恥ずかしくなってきた‼︎時間もどれ‼︎


「ふはっ笑」

蓮くんは俯きながらクシャっとした顔で笑っていた

私もその反応にキョトンとしてしまう

「いや、すみません笑なんかすごいこんな前向きな人とは思わなかったので、、はは笑
そう思ってもらえるの嬉しいです。もしまたお会いできたら宜しくお願いします。」

「あ、や、、すみません、なんか格好つけて俺、、」

「「、、、」」

沈黙が一瞬あった後、蓮くんと目があってお互いに笑いあった。







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