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秋、森川の誕生日にはホテルのディナーとスウィートルームで夜を過ごした。
クリスマスは幹の部屋で森川のお手製のディナー。幹のリクエストでビーフシチューとチーズフォンデュ。ワインを二人で呑んだ。
酔う前に森川は4月から一緒に暮らさないかと幹に聞いた。
「毎日会えるし、ご飯も食べさせてあげたい」
しかし、幹は迷わず首を横に振った。
「初めは仕事慣れるまで忙しくて食事なんて作ってる暇ないよ」
「例え一緒に食事できなくても、同じ部屋に居れば毎日会えます」
そう言っても幹は首を縦に振らない。
「どうしてか聞いてもいいですか?」
幹は少し考えて、
「1年。1年経って今と同じ気持ちだったら、一緒に暮らす部屋を探そう」
そう言って、グラスの真っ赤な液体を飲み干す。
「分かりました。1年後必ず」
幹の性格を理解しているつもりだったが、今は幹がなぜ1年の期間を告げたかは分からなかった。
心が離れているわけではないはず。確認するように幹に口付ける。
唇を離すと、幹は柳眉を寄せた。
「そんな顔するなよ」
悲しそうな森川の頬に口付けると、
「別れ話してる訳じゃないんだから」
「仕事し始めたらなかなか会えなくなりそうで」
ポツリと言って、再び幹の唇を奪う。深いキスをする。
幹はこれからの事を考えて1年後と答えたのだ。
自分はこれからも大学にいる。毎年新しい学生が入ってくるが、幹の対人関係はそんなに変わることはないだろう。
でも森川は学生ではなくなり、職場やその関係でいろいろな人と関わるだろう。今までより世界が広がる。視野も広くなり、気持ちも変わっていく。
幹はその妨げになりたくなかった。
悲しそうな顔をして幹を抱き寄せている森川は、たぶんその気持ちも気づいている。
「一緒に暮らすようになったら、家族に挨拶にいってやるよ」
ソファーに押し倒されながら言う。
「必ず」
そう言って森川は幹の左耳に口付ける。
「ふっ」
切なげに声を漏らし、幹は約束した。
「ああ、息子さんを下さいって言ってやるよ」
「俺も幹さんの家族に言います」
森川は幹の開かれたシャツの襟から、首と肩の間に赤い花のような跡をつける。今まで付けたことはなかった。でも今は自分のマーキングをしたい。
森川は幹のシャツのボタンを外し始める。
「このままいいですか…」
「ん」
了解の合図とも呻き声ともつかない声。
森川は幹の胸の小さな粒を口にする。吸い上げ、舌で転がす。
「う…ん」
幹は呻いて体を森川に擦り寄せる。森川自身がジーンズの下で窮屈そうだった。幹はは手を伸ばし、ファスナーを下ろし解放させる。
下着の上から撫でられ、森川は切なげにため息を吐く
幹はそのままソファーに押し倒した。
「どうしたんですか?いつもと違う」
「いつもされるばっかじゃ、嫌なんだ」
森川の服を脱がそうと手を伸ばすと、ぐいっと森川に体制を引っくり返された。ソファーに背中を付けているのは幹の方だった。
「おいっ」
森川はにっこり笑って、
「してばっかでなく、俺も幹さんに気持ち良くしてもらってます」
幹の首を撫でる。
幹は赤くなって、
「そういうことじゃなく」
「嫌なんですか?」
じっと潤んだ黒い瞳で見つめる。
「嫌って…」
森川は幹に顔を近付け、見つめたまま唇を奪う。下唇を軽く噛み、唇の右側を吸う。
幹が息を吐いて口を開けると、舌で幹の口の中をかき混ぜた。
手は幹の脇腹を撫でながら下へ向かう。太ももの外側を撫でたかと思うと、その手が足の付け根に方向を変えた。
中心で立ち上がりかけているモノをズボンの上から強めに撫でる。
幹は思わずビクンと体を跳ねさせた。予感していたのに。期待していたからか。
いつもはちゃんとシャワーを浴びベッドへ行くのに、今日はそんな余裕がなかった。
剥ぎ取るように幹の衣服を脱がせ、噛みつくように愛撫する。幹も答えるように森川の服を床に放り投げた。
「あっ」
幹は森川に耳朶を甘噛みされ声を漏らす。
そのまま首筋に口付けし、肩を軽く噛んだ後は胸の飾りを口の中で転がす。強めに吸って、軽く噛む。
「や…だって」
森川はもう少し下へキスを進め、腹部の小さい窪みに舌を入れる。くすぐったくて幹は体を捩った。
快感を与えられないのが分かり、腹に強めにマーキングしてまた別な場所へ向かう。
「あ、やめ…」
森川がしようとしていることを察知して、逃れようと腰を反らせる。でも森川はがっちりと幹の腰を両手で抱き締めて離さない。
幹はフェラチオが苦手だった。女性にされたときはそんなには思わなかったが、時々森川にされるとそう感じた。
熱い口蓋は幹のモノを包み追い上げる。舌の動きも、吸われるのも幹の思考を止め、快感を追求するのみにする。欲望を吐き出した後、後悔に近い気持ちにさせた。
幹はその気持ちを味わった後、森川に深くキスをする。自分の吐き出したモノの味と臭いがしたが、それが一層キスを深くした。
舌をからめ吸い上げる。
森川の手が幹の背中から下へ撫でながら移動する。目指すのは双丘の間。
そこへたどり着き、入口を宥めるよう親指で撫でる。幹がビクンと体を震わせると、森川はテーブルの上にあったハンドクリームを絞りだし、クリームを擦り付けるように蕾の中に指を入れる。
「く、うん」
「久しぶりなのできつい、ですね」
少し掠れた声で耳元で囁かれ、また幹の体がビクンと跳ねる。
森川は宥めるように指の本数を増やし、幹が感じるポイントを擦る。
「そこは…い、やだ」
「気持ちいいはずです」
熱い息を押し出すように森川は囁く。
幹は快感を押さえるように、
「だから…いや…なんだよ」
泣きそうな表情の幹の目尻にキスをし、森川は謝る。
「すいません。もう余裕がない」
「えっ」
森川は指を抜いて、代わりに自分の屹立を蕾に当てる。ぐいっと捻り込むよう挿入され、幹は一瞬息が詰まる。
「い、て」
いつもだと幹が痛がると止めてくれるのに、今回は違った。
「我慢して」
低い声で切なそうに言われ、幹は声が出ない。コクンコクンとただ頷き、息を吐いて力を抜く。
幹から力が抜けた瞬間、グッと最後まで挿入した。
そのまま動かず、幹の体の上に自分の体を重ねる。
「重いですね」
そう言う森川の体に幹はぎゅっと抱き締める。
「重いの嫌いじゃねーよ」
重いの気持ちいい。小さく言うと、幹の中で森川が大きくなる。
「おまっ」
カアッと幹の白い首筋が赤くなった。
「これ以上でかくすんじゃねえ」
「む、りです」
苦しそうに言ったかと思うと、いきなり腰を動かし始める。
「ま、待てっ」
「言うこと、聞いてあげられません」
片足を森川の肩に掛けられ、深いところまで突かれる。抜けるぎりぎりまで引かれ、また奥まで突く。そして前立腺をしつこいくらいに擦られる。
幹は喘ぎ過ぎて喉が痛くなってきた。
「もう…い、くっ」
幹が絞り出すように言うと、
「まだ、我慢して」
弾けそうになっている根本をぎゅっと握られた。
「おいっ」
体を引こうとするが、森川に腰をしっかり捕まれ逃げられない。
「もう…ちょっと」
がんがんと攻めら、幹は息が苦しくなった。森川の背中に腕をまわし、ぐいっと抱き締める。すると森川の手が幹の中心から離れ、幹は途端に白濁を吐き出した。同時に森川も幹の中に放つ。
幹の体の上にそのまま力尽きたように体を重ねた。
幹は無意識に抱き締める。
クリスマスは幹の部屋で森川のお手製のディナー。幹のリクエストでビーフシチューとチーズフォンデュ。ワインを二人で呑んだ。
酔う前に森川は4月から一緒に暮らさないかと幹に聞いた。
「毎日会えるし、ご飯も食べさせてあげたい」
しかし、幹は迷わず首を横に振った。
「初めは仕事慣れるまで忙しくて食事なんて作ってる暇ないよ」
「例え一緒に食事できなくても、同じ部屋に居れば毎日会えます」
そう言っても幹は首を縦に振らない。
「どうしてか聞いてもいいですか?」
幹は少し考えて、
「1年。1年経って今と同じ気持ちだったら、一緒に暮らす部屋を探そう」
そう言って、グラスの真っ赤な液体を飲み干す。
「分かりました。1年後必ず」
幹の性格を理解しているつもりだったが、今は幹がなぜ1年の期間を告げたかは分からなかった。
心が離れているわけではないはず。確認するように幹に口付ける。
唇を離すと、幹は柳眉を寄せた。
「そんな顔するなよ」
悲しそうな森川の頬に口付けると、
「別れ話してる訳じゃないんだから」
「仕事し始めたらなかなか会えなくなりそうで」
ポツリと言って、再び幹の唇を奪う。深いキスをする。
幹はこれからの事を考えて1年後と答えたのだ。
自分はこれからも大学にいる。毎年新しい学生が入ってくるが、幹の対人関係はそんなに変わることはないだろう。
でも森川は学生ではなくなり、職場やその関係でいろいろな人と関わるだろう。今までより世界が広がる。視野も広くなり、気持ちも変わっていく。
幹はその妨げになりたくなかった。
悲しそうな顔をして幹を抱き寄せている森川は、たぶんその気持ちも気づいている。
「一緒に暮らすようになったら、家族に挨拶にいってやるよ」
ソファーに押し倒されながら言う。
「必ず」
そう言って森川は幹の左耳に口付ける。
「ふっ」
切なげに声を漏らし、幹は約束した。
「ああ、息子さんを下さいって言ってやるよ」
「俺も幹さんの家族に言います」
森川は幹の開かれたシャツの襟から、首と肩の間に赤い花のような跡をつける。今まで付けたことはなかった。でも今は自分のマーキングをしたい。
森川は幹のシャツのボタンを外し始める。
「このままいいですか…」
「ん」
了解の合図とも呻き声ともつかない声。
森川は幹の胸の小さな粒を口にする。吸い上げ、舌で転がす。
「う…ん」
幹は呻いて体を森川に擦り寄せる。森川自身がジーンズの下で窮屈そうだった。幹はは手を伸ばし、ファスナーを下ろし解放させる。
下着の上から撫でられ、森川は切なげにため息を吐く
幹はそのままソファーに押し倒した。
「どうしたんですか?いつもと違う」
「いつもされるばっかじゃ、嫌なんだ」
森川の服を脱がそうと手を伸ばすと、ぐいっと森川に体制を引っくり返された。ソファーに背中を付けているのは幹の方だった。
「おいっ」
森川はにっこり笑って、
「してばっかでなく、俺も幹さんに気持ち良くしてもらってます」
幹の首を撫でる。
幹は赤くなって、
「そういうことじゃなく」
「嫌なんですか?」
じっと潤んだ黒い瞳で見つめる。
「嫌って…」
森川は幹に顔を近付け、見つめたまま唇を奪う。下唇を軽く噛み、唇の右側を吸う。
幹が息を吐いて口を開けると、舌で幹の口の中をかき混ぜた。
手は幹の脇腹を撫でながら下へ向かう。太ももの外側を撫でたかと思うと、その手が足の付け根に方向を変えた。
中心で立ち上がりかけているモノをズボンの上から強めに撫でる。
幹は思わずビクンと体を跳ねさせた。予感していたのに。期待していたからか。
いつもはちゃんとシャワーを浴びベッドへ行くのに、今日はそんな余裕がなかった。
剥ぎ取るように幹の衣服を脱がせ、噛みつくように愛撫する。幹も答えるように森川の服を床に放り投げた。
「あっ」
幹は森川に耳朶を甘噛みされ声を漏らす。
そのまま首筋に口付けし、肩を軽く噛んだ後は胸の飾りを口の中で転がす。強めに吸って、軽く噛む。
「や…だって」
森川はもう少し下へキスを進め、腹部の小さい窪みに舌を入れる。くすぐったくて幹は体を捩った。
快感を与えられないのが分かり、腹に強めにマーキングしてまた別な場所へ向かう。
「あ、やめ…」
森川がしようとしていることを察知して、逃れようと腰を反らせる。でも森川はがっちりと幹の腰を両手で抱き締めて離さない。
幹はフェラチオが苦手だった。女性にされたときはそんなには思わなかったが、時々森川にされるとそう感じた。
熱い口蓋は幹のモノを包み追い上げる。舌の動きも、吸われるのも幹の思考を止め、快感を追求するのみにする。欲望を吐き出した後、後悔に近い気持ちにさせた。
幹はその気持ちを味わった後、森川に深くキスをする。自分の吐き出したモノの味と臭いがしたが、それが一層キスを深くした。
舌をからめ吸い上げる。
森川の手が幹の背中から下へ撫でながら移動する。目指すのは双丘の間。
そこへたどり着き、入口を宥めるよう親指で撫でる。幹がビクンと体を震わせると、森川はテーブルの上にあったハンドクリームを絞りだし、クリームを擦り付けるように蕾の中に指を入れる。
「く、うん」
「久しぶりなのできつい、ですね」
少し掠れた声で耳元で囁かれ、また幹の体がビクンと跳ねる。
森川は宥めるように指の本数を増やし、幹が感じるポイントを擦る。
「そこは…い、やだ」
「気持ちいいはずです」
熱い息を押し出すように森川は囁く。
幹は快感を押さえるように、
「だから…いや…なんだよ」
泣きそうな表情の幹の目尻にキスをし、森川は謝る。
「すいません。もう余裕がない」
「えっ」
森川は指を抜いて、代わりに自分の屹立を蕾に当てる。ぐいっと捻り込むよう挿入され、幹は一瞬息が詰まる。
「い、て」
いつもだと幹が痛がると止めてくれるのに、今回は違った。
「我慢して」
低い声で切なそうに言われ、幹は声が出ない。コクンコクンとただ頷き、息を吐いて力を抜く。
幹から力が抜けた瞬間、グッと最後まで挿入した。
そのまま動かず、幹の体の上に自分の体を重ねる。
「重いですね」
そう言う森川の体に幹はぎゅっと抱き締める。
「重いの嫌いじゃねーよ」
重いの気持ちいい。小さく言うと、幹の中で森川が大きくなる。
「おまっ」
カアッと幹の白い首筋が赤くなった。
「これ以上でかくすんじゃねえ」
「む、りです」
苦しそうに言ったかと思うと、いきなり腰を動かし始める。
「ま、待てっ」
「言うこと、聞いてあげられません」
片足を森川の肩に掛けられ、深いところまで突かれる。抜けるぎりぎりまで引かれ、また奥まで突く。そして前立腺をしつこいくらいに擦られる。
幹は喘ぎ過ぎて喉が痛くなってきた。
「もう…い、くっ」
幹が絞り出すように言うと、
「まだ、我慢して」
弾けそうになっている根本をぎゅっと握られた。
「おいっ」
体を引こうとするが、森川に腰をしっかり捕まれ逃げられない。
「もう…ちょっと」
がんがんと攻めら、幹は息が苦しくなった。森川の背中に腕をまわし、ぐいっと抱き締める。すると森川の手が幹の中心から離れ、幹は途端に白濁を吐き出した。同時に森川も幹の中に放つ。
幹の体の上にそのまま力尽きたように体を重ねた。
幹は無意識に抱き締める。
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