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昼休憩になった途端、香が図書館にやって来た。一緒に食堂へ向かう。
「森川くんとどこまでいった?」
絶対聞かれると思ってたので、用意していた答えを言う。
「朝ごはんに近所のパン屋で食べた」
「いけず。そういうことじゃないでしょ」
幹は苦笑して、
「香達はあれからどうしたんだ?」
「タクシーで木皿君を家まで送って、ちゃんと帰ったわよ。大人の常識」
「大人の常識あるなら酔いつぶれたやつ残していく時は、そいつの家くらい教えてけよ」
お陰でオレんち泊めるはめになった。そう言うと、香りはわざとらしくきゃあと声をあげ、
「それじゃあ、二人は熱いー」
「友達になった」
「…」
「なんか問題でも?」
「これからゆっくりってことで」
香は食堂に入るとキョロキョロする。
「あ、いた」
食堂の窓際にいた木皿が手を振っていた。隣には森川が座っている。
森川はやっぱり無愛想な顔をしている。でも少し前の表情と違う気がした。
(昨日の今日で緊張してるんだな)
そう感じれば、森川は思ったことが表情や仕草に出るタイプだと分かる。意外に分かりやすい男なのだ。
「こんにちは」
「ああ」
香の視線が面倒で、簡単に返事をした。チキン南蛮のトレイをテーブルに置いて森川を見ると、彼はしゅんと肩を落としていた。
(カールみたいだな)
カールは幹の祖父母が飼っているシェパードだ。昔ドラマでやっていた警察犬の名前から付けたと聞いている。怖めな顔なのにひどく人懐っこい犬だった。
少し可愛そうになり、
「二日酔いなかった?」
「はいっ」
しっぽが見えた気がする。耳がピンと立って、しっぽをすごく振っているシェパードの姿が見えた。
「森川くんとどこまでいった?」
絶対聞かれると思ってたので、用意していた答えを言う。
「朝ごはんに近所のパン屋で食べた」
「いけず。そういうことじゃないでしょ」
幹は苦笑して、
「香達はあれからどうしたんだ?」
「タクシーで木皿君を家まで送って、ちゃんと帰ったわよ。大人の常識」
「大人の常識あるなら酔いつぶれたやつ残していく時は、そいつの家くらい教えてけよ」
お陰でオレんち泊めるはめになった。そう言うと、香りはわざとらしくきゃあと声をあげ、
「それじゃあ、二人は熱いー」
「友達になった」
「…」
「なんか問題でも?」
「これからゆっくりってことで」
香は食堂に入るとキョロキョロする。
「あ、いた」
食堂の窓際にいた木皿が手を振っていた。隣には森川が座っている。
森川はやっぱり無愛想な顔をしている。でも少し前の表情と違う気がした。
(昨日の今日で緊張してるんだな)
そう感じれば、森川は思ったことが表情や仕草に出るタイプだと分かる。意外に分かりやすい男なのだ。
「こんにちは」
「ああ」
香の視線が面倒で、簡単に返事をした。チキン南蛮のトレイをテーブルに置いて森川を見ると、彼はしゅんと肩を落としていた。
(カールみたいだな)
カールは幹の祖父母が飼っているシェパードだ。昔ドラマでやっていた警察犬の名前から付けたと聞いている。怖めな顔なのにひどく人懐っこい犬だった。
少し可愛そうになり、
「二日酔いなかった?」
「はいっ」
しっぽが見えた気がする。耳がピンと立って、しっぽをすごく振っているシェパードの姿が見えた。
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