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第1章 学院入学編
29話
しおりを挟む「今回の件、本当にご苦労様でした」
場所は生徒会長室で会長が頭を下げる。
この場にいるのは会長、副会長、ルディ先輩、セレーネ、リュカ、リリス、リーシャ、デール、フィオナ、俺である。
学院襲撃から一週間が経ち色々と落ち着いたとの事で今集まっている。
襲撃は会長が指揮をとり防衛に成功、魔法師団が到着した事により襲撃は失敗した。
襲撃に関与していたドベール先輩は拘束され連行されたが連行途中何者かに殺害されたようだ。
貴族派のカレン先輩は襲撃には直接関わっていなかったようだが拘束監視されているとのこと。
ニグブル家含めた侯爵家三家そして派閥貴族家の屋敷に魔法師団が踏み込んだ時には既にもの家の殻で消息は不明、そして貴族派はまだおり勢いは削ぐ事はできたがまだまだ気は抜けない勢力である。
今回の襲撃に加わった洗脳されていた生徒は無事正気に戻り事が事ということで事件の特異性もあり罪は不問とされ学院も通常通り通っている。
襲撃から2日後に開催された生徒総会で会長は率直に生徒に説明し謝罪した。
革命軍が関わっていることそれに貴族派が絡んでいたことだ。
そしてそんな自体を招いた自分にも責任があると深く頭を下げた。会長は今回の責任をとり会長職の辞任の意向を見せたが学院の生徒の殆どは襲撃時率先して戦った会長の続投を望みそのまま会長としての職を果たすと新たに誓っていた。
今回の事で生徒会メンバーひいては4つの委員長席が空席となり新たに委員会ごとに選任され新たな生徒会が発足、学院の理念に基づいた学院運営が行われることになる。
デールはニグブル先輩は変わったと言っていた。
自分自身も何か負の感情に飲み込まれていたような気もする等と呟いていたが、まさか貴族達の中でも何かしらの洗脳のような事も起きているのだろうか。
異形に関してはまた新たな未知の薬──技術だとみんな認識しているがセレーネ、リリス、俺は以前帝国で非合法な計画があった事を知っている。それは極秘情報でありこの場では3人とも口外することはない。
魔道具についてもマナンスアッパーから精霊を消滅させるそんな物が存在していただけでなくまるで魔物化させるような薬までまるなんて──
アスタリア王国や皇国、革命軍だけでなくきっと帝国内にも敵は存在するだろうと俺は思っている。
リーシャの件についても俺の聞いた事はセレーネとリリスだけに話した。奴らが話してた実験体にはこの異形も関わっているのでは無いかと俺の勘がそう言っており表向きは同盟締結の阻止の為ということになっている。
「セレーネ様、獣王国との同盟は本当なのでしょうか?」
「本当です。今現在極秘裏に獣王国との同盟を結ぼうとしています。それが実現すればアーレン公国含めた三カ国同盟がアスタリア王国への大きな抑止力となるでしょう」
「なるほど、王国はどうしても邪魔したいはずですね」
デールは自分の知りたい事をしる事ができ色々と腑に落ちたように頷く。
デールを見ていて思うのだがたった1ヶ月で人が変わったようだもちろんいい方向に。
「建国祭まで二ヶ月を切りました。今年の建国祭は建国150年という区切りを迎え盛大に行われる予定です。貴族派の動きも気になりますきっとまだ何か起きるでしょう」
セレーネのその言葉にこの場にいた全員の表情が引き締まる。
一人いや二人を除いて──
「ちょっと!リーシャ!なにレイにベッタリなわけ!?離れなさいよ!」
「あらリリスには関係ないでしょ」
そうあの一件以来リーシャは俺にベッタリくっつくようになった。アレンということは秘密だと伝えている。
『二人だけの秘密ですね!』
いや二人だけの秘密ではないけど何か嬉しそうなのでそういう事にしといた。
「そういえばレイ?貴方私ではなくリーシャを助けにいったわね?」
「ちょっとセレーネ!それは私が助けてあげたことに不満があるのかしら?」
「どうせ助けてもらうならレイが良かったわ」
さっきまでの重い空気は何処にいったのやら
いつの間にか笑いが溢れていた。
きっとリリスは気を回してリーシャにちょっかいを出したんだろうなと案外気配りであるリリスに感謝する。
これからの事を考えると不安や苦難があるだろうが今は学生らしい雰囲気を味わいたいものだ──
学院入学編 完
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