29 / 35
第1章 学院入学編
29話
しおりを挟む「今回の件、本当にご苦労様でした」
場所は生徒会長室で会長が頭を下げる。
この場にいるのは会長、副会長、ルディ先輩、セレーネ、リュカ、リリス、リーシャ、デール、フィオナ、俺である。
学院襲撃から一週間が経ち色々と落ち着いたとの事で今集まっている。
襲撃は会長が指揮をとり防衛に成功、魔法師団が到着した事により襲撃は失敗した。
襲撃に関与していたドベール先輩は拘束され連行されたが連行途中何者かに殺害されたようだ。
貴族派のカレン先輩は襲撃には直接関わっていなかったようだが拘束監視されているとのこと。
ニグブル家含めた侯爵家三家そして派閥貴族家の屋敷に魔法師団が踏み込んだ時には既にもの家の殻で消息は不明、そして貴族派はまだおり勢いは削ぐ事はできたがまだまだ気は抜けない勢力である。
今回の襲撃に加わった洗脳されていた生徒は無事正気に戻り事が事ということで事件の特異性もあり罪は不問とされ学院も通常通り通っている。
襲撃から2日後に開催された生徒総会で会長は率直に生徒に説明し謝罪した。
革命軍が関わっていることそれに貴族派が絡んでいたことだ。
そしてそんな自体を招いた自分にも責任があると深く頭を下げた。会長は今回の責任をとり会長職の辞任の意向を見せたが学院の生徒の殆どは襲撃時率先して戦った会長の続投を望みそのまま会長としての職を果たすと新たに誓っていた。
今回の事で生徒会メンバーひいては4つの委員長席が空席となり新たに委員会ごとに選任され新たな生徒会が発足、学院の理念に基づいた学院運営が行われることになる。
デールはニグブル先輩は変わったと言っていた。
自分自身も何か負の感情に飲み込まれていたような気もする等と呟いていたが、まさか貴族達の中でも何かしらの洗脳のような事も起きているのだろうか。
異形に関してはまた新たな未知の薬──技術だとみんな認識しているがセレーネ、リリス、俺は以前帝国で非合法な計画があった事を知っている。それは極秘情報でありこの場では3人とも口外することはない。
魔道具についてもマナンスアッパーから精霊を消滅させるそんな物が存在していただけでなくまるで魔物化させるような薬までまるなんて──
アスタリア王国や皇国、革命軍だけでなくきっと帝国内にも敵は存在するだろうと俺は思っている。
リーシャの件についても俺の聞いた事はセレーネとリリスだけに話した。奴らが話してた実験体にはこの異形も関わっているのでは無いかと俺の勘がそう言っており表向きは同盟締結の阻止の為ということになっている。
「セレーネ様、獣王国との同盟は本当なのでしょうか?」
「本当です。今現在極秘裏に獣王国との同盟を結ぼうとしています。それが実現すればアーレン公国含めた三カ国同盟がアスタリア王国への大きな抑止力となるでしょう」
「なるほど、王国はどうしても邪魔したいはずですね」
デールは自分の知りたい事をしる事ができ色々と腑に落ちたように頷く。
デールを見ていて思うのだがたった1ヶ月で人が変わったようだもちろんいい方向に。
「建国祭まで二ヶ月を切りました。今年の建国祭は建国150年という区切りを迎え盛大に行われる予定です。貴族派の動きも気になりますきっとまだ何か起きるでしょう」
セレーネのその言葉にこの場にいた全員の表情が引き締まる。
一人いや二人を除いて──
「ちょっと!リーシャ!なにレイにベッタリなわけ!?離れなさいよ!」
「あらリリスには関係ないでしょ」
そうあの一件以来リーシャは俺にベッタリくっつくようになった。アレンということは秘密だと伝えている。
『二人だけの秘密ですね!』
いや二人だけの秘密ではないけど何か嬉しそうなのでそういう事にしといた。
「そういえばレイ?貴方私ではなくリーシャを助けにいったわね?」
「ちょっとセレーネ!それは私が助けてあげたことに不満があるのかしら?」
「どうせ助けてもらうならレイが良かったわ」
さっきまでの重い空気は何処にいったのやら
いつの間にか笑いが溢れていた。
きっとリリスは気を回してリーシャにちょっかいを出したんだろうなと案外気配りであるリリスに感謝する。
これからの事を考えると不安や苦難があるだろうが今は学生らしい雰囲気を味わいたいものだ──
学院入学編 完
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう
味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる