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第1章 学院入学編
14話 リリス視点
しおりを挟む昨日の4人の話し合いの次の日私は生徒会に来ていた。私の生徒会庶務としての加入に伴う生徒会メンバー顔合わせという名目であった。
学院の生徒会は生徒会長選挙により全校生徒の投票によって決められ副会長は選ばれた会長による指名制で、そこに1年の首席が庶務として入る。
そして5つの各委員会の委員長とサークル連合会会頭の計9人で構成されている。
「忙しい中今日もみんなに集まってもらって申し訳ないわね。生徒会の庶務が決まったので顔合わせを兼ねて集まってもらいました。まずはメンバーの自己紹介をお願いしようかな」
生徒会長のミリアに促され1人ずつ自己紹介をする。昨日教えてもらった情報と顔を照らし合わせていく。
生徒会副会長ララム・エリント、エリント伯爵家次女にして生徒会唯一の2年生で皇帝派でありミリアの信頼できる味方である。
風紀委員長オルタ・ニグブル、ニグブル侯爵家嫡男で貴族派3年生。風紀委員会は学院則や風紀を乱す者の取り締まる委員長である。
美化委員長ルディ・バスケス、バスケス伯爵家三女で中立3年生。学院内の環境美化を担当する委員会。
学務委員長ドレク・キッシュ、キッシュ子爵家次男で皇帝派3年生。学務委員会は学院内の総務から行事事等を中心として取り仕切る委員会。
外務委員長べトール・ユレドイラ、ユレドイラ男爵家三男貴族派3年生。外務委員会は他学院との交流やイベントを催したり外部との調整役を担う委員会。
財務委員長カレン・ハルフテル、ハルフテル子爵家長女貴族派3年生。財務委員会は学院内における委員会やサークルの予算管理を任されている委員会。
サークル連合会会頭ギル・アメディック、アメディック伯爵家次男貴族派3年生。学院内に多数あるサークル活動のサークル長で作る連合会の代表が会頭という立場である。
この9人が今期の生徒会メンバーであり学院を運営している。
「今期の庶務はやはり首席でもあらせられるエルドラ嬢ですか」
メンバーの紹介後に言葉を発したのは風紀委員長のオルタ・ニグブルだ。
「今期生徒会の庶務となりましたリリス・エルドラです。どうぞ先輩方よろしくお願い致します」
「これはこれはご丁寧に自己紹介ありがとうございます。ですがエルドラ嬢、聞く所によると入学式の次の日には決闘騒ぎを起こされたみたいですね」
「学院内では立場など関係ありません。どうぞリリスまたはエルドラとお呼び下さいニグブル先輩« ・ ・ »。学院内で自分の立場をいい事にそれを使い横暴な態度をとっていた者を注意した所揉めてしまいました。あの様な騒ぎにまで発展したのは私にも非があります。これからは気をつけたいと思います」
ニグブルは私に敵意とまではいかないがそれに近いような警戒心が伝わってくるような視線を送っている。だが、ニグブルだけではないミリアが聞かされていた貴族派の生徒会メンバーからも同じであった。
ミリアの連絡事項の共有が終わるとその日は解散となり私は帰路につく。
◇◇
屋敷に帰った私はある部屋の前に来ていた。いつもは近寄らない部屋のドアをノックする。
「入れ」
ただ一言入室の許可を伝える言葉が聞こえ開きたくもないドアを開き中へはいる。
「失礼します。お呼びでしょうお父様」
ただ淡々とそこには父娘の仲の良さそうな雰囲気はなく冷たい空気が流れる。
「リリス生徒会に入ったそうだな」
「はいお父様」
「あれだけ貴族の権力闘争は嫌いだの関わらないと言っていたと思うが?」
「その気持ちは変わっていません。ですが貴族の争いに国民が学院の生徒が巻き込まれる筋合いはありません。自分の感情より責務を優先したまでです」
「責務か──」
私が発した責務という言葉を反復した父は私から目線を逸らし会話が途切れる。
私は父が嫌いだこのエドラス家も六魔公、貴族という存在も。
「ならその責務という言葉を誓いをエドラス家次期当主として発しているのであろうな?」
「はいお父様。当主になる事もその役目も守ると誓います。ただ当主になりレイの所有権が私に移れば前も言いましたがレイを解放する」
「別に構わんお前が当主としての役目をしっかり果たせるならな。お前には既にあの時鍵は渡している当主になれば所有権も渡す」
「約束を守ってもらえるなら充分です。これで用事が終わりなら失礼させてもらいます」
返事はないがもう私に興味がないように机の書類に目を落としたのを見て一礼し部屋をでるのだった───
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